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祇園守紋を掲げよ 〜立花家戦記〜  作者: ワールド
歩みを進めたとき歴史は変わる。歩みを止めたとき歴史は終わる
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海賊の古強者達 〜船の名将と若き名将〜

博多から出港して3日

俺たちは能島まで1刻(2時間)の距離まで来ていた


「千若丸、能島は見えた?」


「あれじゃないですかね?兄上。ところで…義姉上は?」


「どこかで船酔いしてるんじゃないかい?」


「そんなわけあるか!」


「初日には苦しんでただろう?」


軽口を叩きつつ弟、千若丸と嫁の誾千代とともに瀬戸内の海を進んでいる


神に頼んだ10個の持ち込み物のうちの一つ優秀な船大工唐安と南蛮船(ガレオン船)の設計図

これらによって作り上げられたこの南蛮船は大砲こそいまだに設置されていないものの現在同じく持ち込んだ鉄砲鍛冶兼定に研究をさせている


ーまあそのうちできるだろう


「とりあえず島に着いてからのことを確認するよ?」




本作品の主人公雨和、こちらの世界での名前を立花統虎の今回の目的は村上海賊と雑賀衆

能島へ向かう理由を説明するためには前日までさかのぼる


「初めまして、村上吉継殿、村上吉郷殿」


「あなたが立花統虎殿か…」


「吉継、まずは挨拶からですよ。初めまして統虎様」


「ええ初めまして。早速ですが…お願いごとがありますお二人…というよりは来島村上に…」



統虎が頼んだのは能島と因島への渡り

因島村上海賊棟梁村上吉充

能島村上海賊棟梁村上元吉

そして繋ぎを頼んだ来島村上

これの棟梁は現在織田方に着いているため今回接触したのは来島村上海賊重臣であり河野家側に残った村上吉継


能島で三島村上の代表者と話せるよう要請したのだった



「今回我々が彼らと交渉する内容は村上海賊の臣従だ」


「しかし兄上、独立していることに誇りを持つ海賊が臣従しますか?」


「そうだ、統虎。そんなことができるのか?」


「まあね。この船を上手く使えば、ね?」


「殿、紅茶です」


茶葉を発酵させて紅茶を作る

この難易度の高いことをやってのけたのは持ち込み物の一つ統虎の身の回りのことをこなす重光


「こういった珍しいものも献上するということだろう?」


「そうだね、彼らへの献上品はいろいろとあるね。それもまた交渉内容の一つだ」






「それで?これだけの砂糖とみたことのない茶葉やその他南蛮の品を我らに与えて何が目的ですか?」


「元吉!敵意出し過ぎだ!」


「いえいえ、吉充殿。遠慮なさらず」


「とはいっても何か意味があるのだろう?」


「まあさすがにその通りですよ」


「当たり前だろうな、わざわざ南蛮船をこの海流の速く狭い地域に持ちこんだんだ。毛利の警護衆でも苦戦する海域だというのにあの大船を見事に操作させていた。さしずめ水夫の練度と南蛮船の有用性を見せたかったのだろう?」


「「「武吉(父上)!」」」


なるほど…

彼が村上武吉か…

海賊の中でもかなりの曲者だが…同時に将としては有能…


「さすがは武吉殿、お察しのようですね」


「目的と対価を聞こうか」


「随分と偉そうだなご隠居なのに?」


「誾千代、落ち着きなよ」


ー さてどうやって説得するか…


「…」


ー …ごまかしは利かなそうだな、正直に進めよう。


「どうした?統虎?」


「兄上?」


「大丈夫だ。」


ー さあ、交渉を始めようか




立花山城 評定の間


「大殿、例のものの用意が整いました」


「船の手配も済んでおります」


「鎮幸、増時、ご苦労。そのまますぐ船に乗せ統虎と誾千代を追わせよ。何かの役に立つやもしれん」


「かしこまりました。それにしてもこれは素晴らしいですな。これまた立花を一つ強くする」


「うむ、婿殿を迎えたのは間違いではなかったな」





「確かに砂糖などの定期的な回収が可能となるのは大きいですな。まして今我らが懇意としている毛利は羽柴との協調を強めております。いずれ海の関所たる海賊を禁止するのは目に見えています」


元吉は続ける


「条件付きといえども海賊としてのあり方を否定しない立花のやり方は我々としてもありがたいものです」


「因島は反対だな」


海賊らしくないさわやかイケメン吉充


「毛利や羽柴の水軍相手に我々だけではいずれ敗北するのが見えているだろう?国力が違う何度勝っても一度負ければ終わりだ」


吉充はニコリとこちらへ笑いかけながら言う


「それとも木津川で敗北した我々に新しい力でもくれると?」


「いや吉充、それはあり得ないだろ。三島村上は勢力を弱めつつある特に俺たち来島はもはや村上海賊を名乗ることも難しい戦力だ。そんなやつらn…」


「南蛮船か」


「さすが武吉殿、その様子なら我々が欲しいものも察しているのでしょう?」


「さしずめ、熟練の水夫と水兵そして海での将。そして瀬戸内における商売有利か」


「そこまで読まれていましたか」


「なかなか切れ者のようだな」


「お嬢さんよりは長く生きているものでね」


ー 皆興味を示してる…ここで決めるか

「皆様、これからの時代我々は世界に出なければなりません。そして今その技術を持ち得るのは村上海賊だけです」


「我々は南蛮船技術とそのための火砲そして…日の本最強の水軍への道を提供します」


「我々が提供すべきは…忠誠と立花認可の商人の帆別銭の免除か」


「ええ…あとそれからもう一つ欲しいものがあります。それを認めていただければ各家へ一隻ずつ購入した大筒を積んだ南蛮船を引き渡す準備があります」


「準備ができ次第我らの鉄砲鍛冶が作ったものに変えていくがとりあえず手付金代わりだな。毛利と戦になっても立花は見捨てない」


「お嬢ちゃんのような姫君に言われちゃあ信じるしかないな」


「俺はそんなに信じられませんか?」


「腹芸のできない男の戯れ言さ」


「吉継!吉充!」


統虎の話に傾きつつある両者へ元吉が叱りつける

しかし古強者二人はどこ吹く風だ


「最後の条件次第では臣従することはやぶさかではない」


「父上!毛利とことを構えるのはm「なら毛利は我らの頼むに値していたかな?」!!!」


「羽柴には敗北を重ねた挙げ句本能寺の後、織田信雄、柴田勝家相手に手こずっている羽柴に後ろをつくことすらしない」


「…」


「武吉の言うとおりだ、毛利は頼みにならない」


「そして実際に南蛮船を持ってきてこれを与えると言ってきた立花家…大友は信用ならんが立花の直臣なら信用できる」


「…わかりました、ここまでの条件はすべて受け入れ臣従のお話を進めましょう」


元吉は覚悟を決めた顔で続ける


「しかし、最後の条件次第では一戦交えざるを得ません」


「なーに大したものではありませんよ」




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