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祇園守紋を掲げよ 〜立花家戦記〜  作者: ワールド
立花反撃
32/35

弔い合戦3 〜終結〜

先鋒の本陣で指揮を執る信澄のもとへ入ってきたのは凶報だった


「磯野員昌様討ち死に!前線は崩れつつあります!」


「すぐに兵を鼓舞しにいく!行くぞ!」


叔父信長譲りの決断力を持つ彼が下した決断はとても勇猛果敢な選択だった

一武将としては評価できないが兵の気持ちを理解し、員昌の死を埋めるべく動き出す

燃えているように見えながら心の底は信澄らしい冷静さを維持している

激情して判断を誤ってはいけない

その気持ちが悲しみをねじ伏せていた



彼が前線に来ても戦況は押され続けていた

両翼も押されている


「信澄殿!」


「知正様ですか」


彼らがいるところには時折敵が来る程度だし来た敵も多くは馬廻り衆が討ち取っている

員昌や義虎のように前線で戦う武将など少数だし統虎のように大将が前線に出て自ら刀をふるって戦うなど織田信長程度のものである

上杉謙信もやっていたかもしれない


「押されていますか」


「いかにも。撤退のタイミングが大事ですな。今は藤堂高虎殿が押さえております」


その時だった

敵の先鋒の中央あたりで爆発が始まる

敵両翼でも起こりだす


吹き飛ばされる敵兵、音に驚き、その威力に恐怖し逃げ出した

馬も暴れだし陣は混乱を極める


「さすがは道雪様。的確なタイミングですな」




「今回の戦いは義父上にお願いしている。それに…統幸に預けた大砲は野戦用の榴弾砲だ」


「着弾すると爆発するというやつか!?」


「ああ」


誾千代のショートカットの髪をなでようとして弾かれる


「それに…義父上が出るのだから」


近くにいた配下に宣言する


「義父上の指揮において当方に負けはなし。臼杵で行われると思われる戦、当方の勝利に疑いなし。全軍正面の敵に全力を持って当たれ」


また違う戦場に現れた統虎と誾千代は彼ら自ら刀を振るい戦うことになる




「威力は凄まじいですな…」


「あやつの考えることだ。驚異的なものに決まっとる。」


傍らへ控える隆景へ声をかける


「前線へ向かってもらえるかな?そろそろ別働隊も到着する頃だ。仕掛けてもよいじゃろう」


「御意に」


「宗麟様…遅れて申し訳ありません…これを持って弔いとさせてくだされ」




「伝令!我らの先鋒は敵の爆発する国崩しによる攻撃で被害甚大!すでに3陣まで押されておりますさらに増援を確認!」


「伝令!後ろぞなえを務めていました犬童頼安様の部隊が攻撃を受けております。蒲生の旗印が見えるとのことです!」


「新崎様。撤退を。この佑兵が殿を務めます故」


「まだだ!義虎がまだ…」


「伝令!義虎様御討ち死に。敵将藤堂高虎によって討ち取られたようです」


沈黙する


「新崎様…」


「撤退する…私は…どこかで道を間違えてしまったようだ」




臼杵の戦いは

立花軍戦死者590名 武将 磯野員昌

今泉軍戦死者700名 武将 島津義虎 伊東祐兵


立花の勝利に終わった

立花の指揮を執っていた道雪は兵をまとめ撤退するとそのまま撤退した


娘夫婦の勝利を疑わなかった

たとえそれが海戦だったとしてもだ



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