立花の家と初陣
1581年10月25日
俺が起きたのはその日付だ
…そもそも西暦なんてこの時代には使われていない
天正9年というのが正しいだろう
婿養子として迎えられたのは8月だが正式に立花山へ向かうのは今日だ
さて立花宗茂となった雨和だが当時は宗茂とは名乗っていない
元服し立花統虎を名乗っている(元服した年は不明であるが本作では既に元服しているものとする)
「今日から正式に立花家となる訳か…」
ちなみにこの場ですでに3つ神に頼んだものがある
一つは護衛兼執事だ生活能力が高く護衛力の高い執事を要求した
立花宗茂はあらゆる面で優秀だ
武芸優秀、特に神によって与えられた能力は最盛期の力だ
元服直後の統虎は史実以上の武力を持つだろう
茶道にも精通しているし内政面も善政によって柳川の民衆にも慕われていた
しかし…生活力は皆無であったといわれている
それを補完する執事である
小姓いらずと言えるほどの優秀な執事である
名前は中口重光
統虎は彼を爺と呼ぶことにしている(守り役ではない)
第二に優秀な鉄砲鍛冶
第三には優秀な船大工とガレオン船の設計図だ
それぞれ兼定、唐安である
さて立花山へは彼らを含めた少数の家臣のみをつれていくことになる
「統虎様」
「爺か?起きてるよ」
「そうでしたか
出立の時間です」
「わかった」
今までのことは記憶に存在する
小さい頃の記憶から何からだ
例えば前日の夜のこともだ
「統虎…明日だな…」
「はい…父上…」
「統虎、もう私は父などではない…
道雪殿を実の父と思って慕うように
道雪殿とわしが争うことになったならこれでわしを討て」備前長光、この先統虎の愛刀となる
「高橋の名は千若丸が継ぐ
お主は全力で立花の名を高めよ」
「ちt…いえ紹運様…今生の別れではありません
またお会いしましょう」
「ああ…」
記憶にある父との別れだ
しかし悲しんでもいられない
立花山へ行くのは初陣のためでありこの初陣をもって統虎は正式に立花の将となるのだ
「立花統虎、参上いたしました」
「兵150を与える。初陣に備えよ」
道雪は淡白にそう言うと去っていく
ー 義父上は家臣の前ではこうだからな…
道雪は見込み、頼み込んで婿にもらい受けた統虎を評価していた
事実身内だけの場では気を遣ってみせていた
しかしここでは家臣の御前、故に厳しく接していた
そしてもう一人の立花もまた彼を歓迎しつつもその様子を見せなかった
「統虎。よく来た
立花の名に恥じぬ戦をせよ!」
「誾千代、元気だった?」
「ま、まあな当然だ」
ー 昔から誾千代はなぜか俺になついてくれない
…なぜだろうか
「統虎!戦支度はよいのか!!」
「そうだな、準備することにしようか
失礼するよ」
そして雨和は立花統虎として戦に赴くことになる
天正9年11月6日
「初陣だな」
「緊張しておられますか?」
「少々な、爺、水をくれるか?」
ここは石坂
彼の初陣は第二次太宰府石坂の戦いであった
「紹運殿、正面をお願いできますかな?それがしの配下には伏兵として側面を突かせます」
「よき案だと思います
お任せください。秋月ごときに押されることはありませぬゆえ」
「頼もしい限りです
右翼は私が左翼は由布に預けます…統虎は右翼にて初陣となりますぞ」
「そうですか、道雪殿のご高名を傷つけぬとよいのですが…」
「彼は優秀だ
その上今回はなんとしても統虎に手柄を立てさせると誾千代まで出てきている…
我が娘は統虎に惹かれたようだ
なかなか素直にならないのだがな」
「それは安心です
あの誾千代殿がいれば負けぬでしょうな」
「手のかかる娘よ」
同時刻 統虎陣
彼は平成に生きていた人間だ
当然人殺しなど経験したことがない
神に頼んだ能力の一つ
人を殺めることに対して耐性をつけること
そうでもしなければ自分を律せる気がしなかったのだ
しかしその力があろうとも落ち着くことはできないでいた
「どうした?怖じ気づいたか?」
「誾千代?本当についてきてよかったの?
いつも立花山の留守を頼まれてるでしょ?」
「問題ない!それに……なんとしても統虎には手柄を立ててもらいたいし…」
「ん?何か言ったかい?」
「うるさい!!自分の身を案じていろ!!」
「ありがとう誾千代」
「うるさーい!」
さて締まりのない陣中であったがこの戦
大友軍(立花高橋連合軍)が勝利
統虎も堀江備前に矢を当て負傷させた後組み打ちとなったものの押さえつけることに成功した
堀江はすぐに寄ってきた誾千代が討ち取った
若き次世代の夫婦は初陣にてしっかりと功を挙げることに成功した
そして戦国は新しい出会いと新しい戦へと動いていく




