島津四兄弟 〜逃げゆく鬼島津〜
立花に追い立てられている今泉軍は敗走を重ねていた
逃げる先々での伏兵の襲撃で士気も落ち、反撃など考える余裕もなくいくつかの部隊に別れながら逃げる今泉軍の中に唯一と言っていい、ある程度軍としてのまとまりを維持している軍があった
島津軍
彼らは野営地で軍議を進めていた
「一番に撤退を始めることで何とか被害は少数にできた。しかし、このままではどんどん被害が大きくなるだろう…」
「ええ…一杯食わされましたな…」
「しかし、このまま逃げ続けてもどうしようもありません!」
義久、義弘、歳久が話し合う中、家久が入ってくる
「先ほど物見が戻りました。やはり秋月城は落ちていませんでした」
「どういうことだ!?」
「兄上!?」
「やはりか…」
義久は悟ったように語る
「我々はだまされていたのだよ。おそらく敵は一万もいないだろう。数千の敵に追い回されていたということだ。誤った情報を我々に与えることでね」
「なんと…」
「立花の後継者はそれほどまでに優秀か…」
「さしずめ竹中重治とやらと小早川が立てた策ではないのか?」
「だとしても優秀さ。それを実現する家臣団をまとめ上げているのだから」
「血縁重視の今泉とは大違いですな」
話し合いを続ける弟たちを見ながら義久は誰にも聞こえない声でつぶやいた
「彼こそが戦乱を納める主君かもしれん…」
そこへ伝令が飛び込んでくる
「伝令!臼杵に今泉新崎様ご着陣!敗残兵をまとめ立花と一戦交えられました!」
「どうなった!」
「義弘!焦らせるな!…すまないねゆっくりでかまわない。教えてくれ」
「ハッ」




