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祇園守紋を掲げよ 〜立花家戦記〜  作者: ワールド
九州の争乱と主家の行方
17/35

荒波寄せる 〜若き夫婦を支えるは優秀なる武将達

「半兵衛!義父上は!?」


「残念ながら今朝に発たれております」


馬をかけ評定の日の日付の変わる寸前に小倉城へ到着した統虎だったがすでに道雪は出発していた


「仕方あるまい。父上なら大丈夫だ」


「ああ…すぐに春門殿と惟信、増時を評定の間まで呼んでくれ」


「御意に」


ーいくら義父上と言えどももしすでに府内も臼杵も落ちていたなら勝ちはできない。どうすべきか…


長い夜が始まった



「正明待ちではないでしょうか?」


増時の意見にほとんどのものが同意する


「情報がなければ何も決められません…臨機応変にとしか…」


「しかし打てる手は打たねばならん」


ーとは言ってもな…


もし仮に想定が事実なら立花家は窮地に立たされることは明白

しかし対策はない


ー…いや、もしかして今しかないか?いやでも無理がある…提案だけするか…


頭の中で様々な可能性が組み上げられていく

そして一つの結果が導き出される


「半兵衛」


「はい」


「高嶺の兵はどのくらいか探れるか?」


高嶺城は本州の城、毛利が持つ長門の拠点だ

一同が怪訝な顔をする


「どうしたのですか?高嶺など…」


「もし動く気配がなければ秋月を包囲したい。うまくいくとは思えないが…」


半兵衛が一番に気づく


「なるほど…そういうことですか…確かに大友領奪還の前線拠点は必要ですからな」


この一言で全体が理解した


「そのように動きますか?」


「どう思う?」


「私は慎重策をとるべきと存じます」


増時は否定意見を出す


「そうだよな…」


「不確定要素が多すぎます」


これに統虎と半兵衛が同意


「あれでも広門は策士です。油断すれば負けましょう」


春門も慎重派だ


「私はその意見には大賛成だ」


「大殿なら大友の残党をまとめて戻ってくるでしょう。秋月なら反攻の拠点に最適ですし陸路なら仮に兵の量が多くてもこちらまで来れます」


「しかし…」


「そこまで危険か?」


「何か月かかるかわからない戦闘をするわけにはいかないよ誾千代。もしその間に後ろから毛利に刺されたら終わりだ。理想は秋月城を包囲し、敵の援軍を引きずり出して叩きたい」


「氏郷、お前の部隊は到着まであとどのくらいかかりそうだ?」


「わかりませんが2日はかかるかと…」


まとまらない評定に重朝が飛び込んできた


「船多数接近を確認。目視できる距離ではありませんが哨戒船が接触。毛利の船団であることを確認しました」


「きたか…」


「だが幸いですな」


後ろから二人の男が入ってくる

村上吉継、吉充だ


「武吉の懸念が大当たりですか…」


「武吉殿が呼んでくれたのか!」


「哨戒船を出しておいてよかったな」


「増時殿もよく思いつきましたな」


「実行の指揮を執ったのはわしじゃぞ?」


「そのせいで兵糧や玉薬の調達を半兵衛殿一人にやらせていただろう?」


ーもし武吉の判断がなければ詰みだった。それに惟信と増時と半兵衛のおかげで先手が取れた。しかし全く冷や汗ものだよほんと…


「助かった」


何とか落ち着きを取り戻し下知する


「船で迎え撃つ。準備を」


初めての海戦が始まった

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