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祇園守紋を掲げよ 〜立花家戦記〜  作者: ワールド
九州の争乱と主家の行方
11/35

将来の名補佐官 〜名将への踏み台2〜

第一次秋月虎口の戦い前夜


「元服前に初陣になるとは思いませんでした…」


「初陣といっても随行していただくだけです」


千若丸は2000の兵と共に五ヶ山城まで進軍していた


「予定通りに進んでおります」


傍らにいるのは竹中半兵衛


「今回の策は千若丸様が最後の一押しをしてくださったためになりました」


「役に立てたならよかった」


城の方を見て続ける


「加弥姫と毎日会えるようにもなるし素晴らしいね」



五ヶ山城は筑紫家の居城だ

史実ではもっと後に大友へ帰属し縁組みが行われるがこの世界では以前毛利が侵攻してきた際に援軍派遣のかわりに服従しており縁組みが決まっていた

実はこの二人、婚約前に遊んだ際に互いにとても仲良くなり婚約が決まると両名ともものすごく喜んだのだ


さらに嫡子春門は切れ者出会ったが故に父から疎まれており留守役も広門の弟である晴門が担当していた

当然面白くない

さらに広門は勢いのある今泉と内通していた

このことを知らなかったが春門は誠実であり過去の恩義を必ず返すべく大友へ忠誠を誓っていた


これらの背景を探り出した半兵衛は怪しい動きの報告を聞き調略を進めていた

幽斎も調略ではないが手紙を送り仲を深めていた


秋月、筑紫の寝返りが確定すると半兵衛は動き出した


道雪に1600の兵を借り津田信澄、由布惟信と共に出陣

岩屋城で千若丸以下400と合流すると彼を大将に五ヶ山へ進んだ


「大手門は由布殿、搦め手は津田殿。旗印を見たところ大手門はきちんと春門殿の配下になっているようです」


「加弥はどうだ?」


「予定通りならあと少しで我が妻興とくノ一が保護します」


「くノ一の方は特に精鋭を揃えております故ご心配なく」


楠木正明は撤退戦後命を受け千若丸の補佐としてこちらに来ていた

過保護な兄である


「我らは先の撤退戦で多くの犠牲者が出ました。筑紫の者から守るのにさらに気合が入っております」


忍びは感情には左右されないよう訓練されておりそのようなことはない

千若丸への気遣いだ


「重矩たちもすぐ隠し通路から城内に入れるよう配置済みです」


「加弥姫保護と城主確保の完了の狼煙が上がり次第突入する」


2000人での城攻め

防衛側は1000と普通なら落とせない戦力差だが戦いが始まる



「全軍配置につきました」


「うむ…兄上ももう少し早く伝えてくださればよいのに…」


晴門は城代を命じられていたものの裏切りのことは聞いていなかった


「叔父上」


「おお、春門か。大手門への配置は終わったか?」


「無事終えております。ところで一つお願いしたきことがございます」


「なんだ?言ってみよ」


「この城を頂きたい」


「…は?」


一言つぶやくのが限界だった

春門の配下30人ほどがなだれ込み近習は切り捨て武将たちを捕まえていく


「急ぎ制圧しろ」


天守は内応によって制圧された



大手門は春門配下の手によって開けられ搦め手も程なくして信澄が突破に成功


主だったものはすでに捕らえられておりすぐに制圧された




「千若丸様!」


「加弥!」


久しぶりに合う二人は会うなり抱き合い喜ぶ


「これからはずっと一緒ですか?」


「ああ、ずっとだよ」


「興、護衛ありがとう」


「いえいえ、いつも誾千代様達といるのです。このくらいなんともありませんよ」


史実では舅のほうが大事にされていた。などと言われる得月院だがこの世界では半兵衛と仲がよいようだ

父や一族が本能寺後のドタバタに紛れて反乱を起こすも敗北して亡くなっているがそれを感じさせない



「申し訳ありません母上。義のため仕方がないとはいえ父を裏切りました」


嫡男春門は前述の通り義を大事にする人だった

裏切ったとの報を受けもともと持っていた父への不信感が仲良くしていた半兵衛、妹とその妹が愛してやまない婚約者から揃って裏切りを進められた結果爆発したのだ


ちなみに加弥姫は千若丸への愛情が大きすぎて…だけではなく父が裏切りばかりしていることに嫌気がさしていたのだ

生き残りのためなのは理解していたがそのために過去の恩人を裏切れなかった

そんな中大好きな婚約者から頼まれたため兄を動かして筑紫家がきちんと恩を返せるように

そして千若丸の元へ嫁げるようにしたのだ


そしてまた春門の妻、広門の妻もそういう人間だった


「謝ることなど何もありません。あの薄情者がしっかりしないから仕方ないのです。妹もいますし私はそなたとともに大友の元でやっていきますよ」


結果春門の元へ残ったのは若手武将が多くそれ以外は秋月城へと送られた

春門派は改革に積極的な若手ときちんと先を見ている優秀な老将2人という内訳

広門派へは男系一門(春門以外)と頑固な譜代家臣や時勢の読めない家臣が集まっていた


筑紫は分裂し以後春門らが立花家中の有力者となっていく

逆に広門らは衰退の一途を辿っていく


またこの戦いは千若丸の優秀さと加弥姫との夫婦仲の良さを表す戦いとして後世では五ヶ山の戦いと呼ばれるが実際は半兵衛の軍師としての優秀さ、すなわち調略の巧さを表し、千若丸の後の調略の仕方にも影響を与えている

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