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夜明けのムジカ  (完)

作者さま:道草家守

キーワード:ファンタジー エーテル 自律機械 古代文明 歌


あらすじ

300年前の戦争で文明は断絶し、人々は遺跡から資源と技術を発掘して暮らしていた。探掘屋の少女「ムジカ」は、暴走する大昔の自律兵器に襲われるさなか、謎の『人型』自律兵器と出会う。危機を脱するために主人登録したものの、人型兵器なんて存在しないはずであり……?


感想

エーテル! 自律機械! 古代文明! 歌! ロマンが詰め込まれた世界観がたまらない。こういうのすごい好き。


~~~


文字盤の発光度合いでエーテル濃度が分かる多機能時計は、黄緑色の燐光でとどまっていた。

 あたりが明るいのも、床や天井に生える水晶に似たエーテル結晶から発せられる光のおかげだ。


 エーテルは化石燃料や石炭よりも扱いやすいエネルギーとして普及している。

 だがエーテル濃度が高い場所で長期間活動すれば、吐き気や倦怠感をもよおし意識を失うため、結晶が生えている空間では特に注意が必要だった。

 とはいえ、現在は安全と言っていいだろう。


~~~


そしてムジカは息を吸い。眼前の奇械へ向けて、朗々と歌った。


『我は月 其方(そなた)は星 共に寄り添うことを願うもの』


 韻を踏み、高く低く通路に響き渡るのは、自律人形である奇械へと干渉するための指揮歌(リードフレーズ)だった。

 特殊な発声法で紡がれる指揮歌にエーテル結晶で作られた変換器が反応し、ムジカの手から淡い緑の光がこぼれる。


~~~


3対の翼に抱かれていたのは、美しい人間だった。

 年の功は16のムジカよりも2、3歳上くらいだろう。

 月の光をより集めたかのような銀の髪に彩られるのは、象牙色の滑らかな頬。

 無機質なまでに一切の瑕疵なく整った美貌は、ともすれば女性ともとれる艶を帯びているが、ゆったりと膝を抱える姿勢ながらも骨格は男性のものにみえる。


~~~


うおお~! くぅぅぅ~! 世界観と設定がめっちゃめちゃ好みです! 

1つ1つのシーンが美しい! 脳内で幻想的なイメージがわきあがる!


もちろん設定だけの小説ではありません。ストーリーは正統派で完成度が高い。最初は機械ならではの天然ボケを連発する相棒に困り、徐々に距離が縮まり、情報がもれることで陰謀の魔の手が迫る!

バトルシーンも迫力がありテンポが良い。

序盤から丁寧に書かれており最初から最後まで1本筋でしっかりつながっている。無駄の無い文量でハラハラドキドキさせてくれます。

世界観・ストーリーの両面で高品質な良作。



状態:完結

文字数:123,339文字


個人的高評価ポイント

◇ アイディアが良い!

◎ 高い完成度!

作品URL

小説家になろう https://ncode.syosetu.com/n1476et/

カクヨム https://kakuyomu.jp/works/1177354054885406146

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