北欧貴族と猛禽妻の雪国狩り暮らし (完)
作者さま:江本マシメサ
キーワード:恋愛 ベタ甘 ほのぼの 北欧っぽい 料理 狩り
あらすじ
陽気な名ばかり貴族「リツハルド」と元軍人の年上妻「ジークリンデ」の雪国暮らし。寒さの中での狩り、仕留めた獲物の解体作業、暖炉の火で料理、手作業の商品作り……毎日の生活は穏やかに過ぎていく。ほのぼの恋愛物語。
感想
2人の仲良しっぷりがたまらない。そして、出てくる料理もおいしそう。読んでてものすご~く癒されまくる作品。
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昼食もかなりの量が用意されている。
潰したジャガイモの上にあるのはウサギの香草煮込み。深型の木皿に装われているのは肉団子のベリーソース絡め。パンはいつもの黒麦パン。焼きたてだからか厚めに切り分けられていた。ふっくらこんがり焼きあがったキノコのスープパイは、サクサクな生地と濃厚なクリームと一緒に食べれば至福の時を迎えることが出来る。脂の乗った白身魚のチーズ焼きはふっくらとした身が口の中で蕩トロけている。
ジークはこの国の食事は自国のものより美味しいと絶賛してくれた。
我が家の食事は唯一の自慢だったので、認めてもらって思わず顔もにやけてしまう。
商人から買う食材は高い品ばかりではあるがなるべく良い物を購入し、美味しい食事を作って貰う為にお金を惜しまないようにしようと心に決めた瞬間である。
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食事シーンがいっぱい出てきて、どの場面もおいしそうなんですよねぇ。
一応は異世界らしいけど魔法は出てこず、かな~り現実的で堅実な生活が展開されます。狩猟と採集、トナカイは宝物。銃が出てくるので時代的には近代?
丁寧に描かれる村の暮らしは強いリアリティが感じられますね。しっかり調べ上げてから書いている印象。2人の行動と生活が脳内でちゃんとイメージできる。
恋愛ものとして見ると、始めはギクシャクだけど、すぐにラブラブ。ベタ甘まったり。ハラハラドキドキする展開はないので恋愛ものに緊張感を求める人には少し合わないかも。
個人的には文章中に時々出てくる「!」「!?」が地味に癖になる(笑) 読んでもらえば分かりますけど、その時のキャラの表情を想像するとニヤニヤしてしまいます
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ジークはペンと交換日記を掴んで手元に寄せ、何かを熱心に書き始める。それはすぐに自分の目の前に差し出された。
交換日記にはこう書かれてある。
――好きな色は今度探してみる。それと、ここでの生活は、とても刺激的で至極愉快だ、と。
書かれてあった文章を読み、こわばりかけていた表情も緩んでしまう。
「これって、悪くないってこと?」
「交換日記の内容を答えたら意味が無いのだろう?」
「!」
そんな風に言いながらジークは悪戯っぽい笑みを浮かべる。
いきなりの不意打ちで見せられた微笑みに、うっかり心を鷲掴みされてしまった。
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2人ともいい顔してそう……!
おいしそうなグルメものとしても、リアリティのある日常ものとしても、あま~い恋愛ものとしても高品質。
気軽に読めるラブラブ系の恋愛web小説なら、まずはこれをおすすめしたい作品です。
状態:完結
文字数:533,640文字
個人的高評価ポイント
◎ 高い完成度!
☆ 私の特に好きな作品です!
作品URL
https://ncode.syosetu.com/n7855ck/