恋をしたら死ぬとか、つらたんです (完)
作者さま:みかみ てれん
キーワード:ギャグ 恋愛? 乙女ゲー 死因 葬式 主人公最弱 主人公最強 書籍化作品
あらすじ
自称『普通の女の子』であるクレイジーサイコビッチ「藤井ヒナ」は、未来人「シュルツ」からVR乙女ゲーの試遊モニターに選ばれた。
ただし、恋すると死ぬ。死んで初めからやり直し。そしてクリアするまでログアウト不可。ヒナは恋しまくって死にまくる、はたして超恋愛体質な彼女はゴールにたどり着けるのか!?
感想
すさまじいギャグセンスで面白すぎる……! 最初から最後までキレッキレで爆笑しっぱなし。
話の中心になっている「恋すると死ぬ乙女ゲー」というアイディアが天才。色々な、そして普通なら大したことのないシーンでキュン死しまくり、そして残された男キャラが混乱しまくるのが笑えてしょうがない。
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「だめだろ、お前方向音痴なんだからさー。
転校初日なんだから、一緒に行こうぜって誘っただろ。
ったく、あんまり俺に世話かけんなよー?」
口では厳しいことを言いながら、彼は優しげな笑みを浮かべている。
だが、ヒナはその笑顔を見ることはなかった。
その場に崩れ落ち、死んでたからだ。
冷たくなった幼なじみはもうなにも語らない。ただの屍だ。
彼女との未来を夢見ていたはずなのに。それは全て壊れてしまった。
不用意に声をかけてしまったばかりに――
「え、おい、ヒナ? ヒナ、おい、どうしたんだヒナ、
嘘だろヒナ! ヒナ! ヒナーーーーー!!!」
三島優斗の悲痛な絶叫が、学門前にこだましたのであった。
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乙女ゲーのはずが壮絶すぎる(笑) 攻略対象というより被害者って感じで、読んでると男キャラに同情しちゃいますわ。
そして、主人公のヒナさんも作者からクレイジーサイコビッチと呼ばれるまであってすさまじいキャラの濃さ。
男性だけでなく女性も恋愛対象、というか意識を持ってるなら無生物でもOK! というか惚れやすいってレベルじゃねぇ!
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「中学三年間では、誰ともつき合わなかった、かな」
「ほらー、もー。
変な雑誌とかで聞きかじった知識はやめてよね。
あたし、そんなに軽くないし」
「うん、ごめんね。
でもわたし、小学生二年生までに、400人ぐらいとつき合ったよ」
「え?」
ぽかん、と。
凛子は口を開けていた。
「わたしもひとりひとり本気だったよ。
期間は短かった……かもしれないけど」
その彼女に気づかず、語るヒナ。
「みんなと真剣に結婚したかったけど、でも子供だったからダメだったんだ。
法律とか条例もあったし。
当時は押さえがきかなかったから、二股が悪いことだとわからなくて、
最高三十股ぐらいして、分単位でデートの約束とかしていたんだよね」
「……8才で?」
「バレンタインデーはすっごく大変だったなあ。
貯めてたお年玉も全部使って、チョコレート500個ぐらい作っちゃったんだ」
「……業者?」
「ううん、ただの小学生だったけど……」
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ええ……(ドン引き) こいつはタダのビッチじゃねぇ! クレイジーなサイコ野郎だぁ!
そして、恋愛に役立つかも! という動機でありとあらゆる技能を習得し、特殊部隊ネイビーシールズすらも余裕で撃退できる超絶の戦闘能力を持つ!
ハイテンションな怒涛のギャグ、濃すぎるヒナさんのキャラ。全編センスのかたまり! 読めば分かります!
状態:完結
文字数:370,900文字
個人的評価ポイント
◇ アイディアが良い!
◎ 高い完成度!
☆ 私の特に好きな作品です!
作品URL
https://ncode.syosetu.com/n6529bs/