ランナーズ・プルガトリィ
作者さま:草場 影守
キーワード:SF ロボ ポストアポカリプス?
あらすじ
西暦2128年。人型兵器「グランドウォーカー」の普及によって 戦争と日常の境はあいまいとなり、各地でテロ・内乱が発生。世界は疲弊していた。主人公「アレックス」も混乱の中で肉体の大部分を失い全身を機械化されている。そんなの中で出会ったのが五感を再現できる特殊な機体と、それを狙う謎の組織。新たなる生活と闘いの日々!
感想
荒廃した世界とロボット兵器! 誘導装置のジャンミング技術によって行われる、剣を使った近接バトルが熱い!
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槍は逸れた。それがどうした。イノシシは、その程度では止まらない。
逸らされた槍は流れるまま、右手を放し、左手一本でささえる。
その流れを殺さず、身をひねり、右の肩装甲を大盾に突き出す。
渾身の体当たりだ。
衝撃が互いの機体を揺らす。
《ブラックナイト》は倒れることこそなかったが、一〇メートル以上後ろに弾かれる。
大地に一対の轍が刻まれた。
あれほどの衝撃を受けてなお、バランスを崩さない。
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ロボSFの世界で、あえて近距離武器を持ってのインファイト。これまたロマンですよ。大型機械がバチバチにやりあうのは燃えますね!
設定的にも収縮性と瞬発力にすぐれた人工筋肉が普及していて、ロボ系の中でも格闘戦に適した構造。
また操作方法などにも詳しい設定があり作者さまの機械・ロボ愛を感じます。
主人公も生い立ちだけでなく性格にも個性があって良い。ちょっと間が抜けてて、難しいことはよく分からず、素直。いわゆる「田舎の少年っぽい」と言いますか。意外とweb小説の主人公としては見ないタイプでは。
そして敵キャラたちは騎士道精神があり貴族っぽい雰囲気。ちょっと珍しい設定で存在感あり。
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基地施設はあらかた制圧してしまったようだ。
航空輸送機があったが中は空だった。当然すべて破壊した。
目標を運び出されては困る。
こんなものは戦いではない。我々は誇りある騎士となる身だ。
殺戮を楽しむようなやからでは断じてない。
先ほど倒した機体を含め全員、無事脱出まで確認した。
他の同志たちがどうかは知らないが、自分はこのやりかたを曲げるつもりはない。
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ロボSFなのに騎士! 私欲ではなく崇高なる目的のために戦う同志! いいですね~。
やはりバトル系作品では「どれだけ魅力的な敵キャラを作れるか?」
「悪役に個性が出せるか?」というのが面白さのキーポイントになってきますが、この作品はグッと来ます。
ロボ・キャラ設定の両方ともに良い個性がある物語です。
状態:連載中
文字数: 152,038文字
個人的高評価ポイント
◇ アイディアが良い!
作品URL
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