巨神装機トーヤ ~小人の世界に迷い込んだ僕が巨大人型兵器になった件~ (完)
作者さま:たまり
キーワード:SF ロボット アクション 異世界転移 ボーイ・ミーツ・ガール
あらすじ
「小人の世界」に転移してしまった少年「遠矢」。気付けば、強化外骨格装甲『巨神装機』を装着し巨大人型兵器として戦うことに!? 共に戦うのは小人の少女「珠希」。敵の巨大兵器も遠矢から見れば等身大! 異色ロボットアクション。
感想
主人公が巨大ロボに! 小人用のコックピット付き! なかなかに珍しい設定で新鮮(実際にはパワードスーツ状態だけど)。小人たちとのサイズ差も想像すると楽しい。
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動けないはずだった。遠矢は知らぬ間に全身に『甲冑』を装着させられていた。
それも、特撮のヒーローとアニメに出てくるパワードスーツ、あるいは装甲服のような、全身を包むものを 。
(中略)
表面は不思議な金属光沢を放っていて、全体的に淡いブルー。随所に濃紺と白のラインが配色されている。いわゆる『試作機』的な色合いだろうか。
胸の装甲は心臓の真上あたりで一段と高く突き出ていて、上部には半透明のガラス製コックピットがあるのが見えた。
それは、戦闘機のコックピットのような|風防<<グラスキャノピー>>そのものだった。
「僕の胸に……|操縦席<<コックピット>>!?」
遠矢は驚き、もはや言葉もない。
『――そう! ここよ、ここ! こっち』
珠希の声に導かれるように、遠矢は自分の胸に設えられたキャノピーの中に視線を向けた。
「た……|珠希<<たまき>>?」
中で小さな人影が、ひらひらと手を振っているのが見えた。
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目が覚めたら自分が巨大ロボあつかいで、小人が操縦しようとしている! これは驚きますよ(笑) 異世界転移ものとして考えても、相当にカオスな状況でしょう。
筆力がありアクションシーンは大迫力。しかし、これも小人目線だとトーヤ視点だと、かなり印象違うんでしょうね~。
そして、SFとしても良い感じに理論建てされてて雰囲気出てます。
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|転移門<<ゲート>>はね、不思議な事が起こるの。巨神世界のサイズで転移してくる物ばかりじゃないわ。|縮小<<・・>>……リダクション現象が起きている事例もあるのよ。例えば、トーヤくんが身につけている巨神装機の表面装甲は、|原子間縮小金属<<・・・・・・・>>……リダクション・メタル装甲なの。ブラックホールのような超重力環境下で原子間の素粒子間隔が超圧縮されて、特殊な結合状態となった物質の形態よ。
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超圧縮金属の特殊装甲……燃えますね! 巨人と小人、だけで終わってないのが設定を上手く使ってて好印象。その他の敵味方のロボ・装備もかっこいいのがたくさん登場!
ストーリーもロボットアニメ風な流れできれいにまとまってます。ダラダラせずテンポが良い。まぁ、実際にアニメしようと思ったらサイズ差のせいで絵にするのが難しそうだけど。同じ画面に入らない(笑)
珍しいアイディアをきっちりと仕上げており、作者さまの実力が感じられる作品。
状態:完結
文字数:172,452文字
個人的高評価ポイント
◇ アイディアが良い!
作品URL
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