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52/103

光あふれて死ねばいいのに  (完)

作者さま:ポーン

キーワード:現代ドラマ 天才 シリアス バトル 厨二病?


あらすじ

異常な影響力をもつアイドル「織原七重」はひたすらに自分の好奇心を優先し、無自覚ながら周りの自殺に追い込んでいた。問題解決と人命救助を得意とする「黒野宇多」は彼女の暴走を止めるために戦いを挑む。


感想

独特な個性がありつつも読みやすい文章。そして、メイン2人のキャラ造形がすばらしい。天才というか奇人というか、強烈な存在感が伝わってきます。

まず、アイドル「織原七重」

~~~


パパとママには愛されてるけど、だから何って思う。

 愛のことを考える。愛は、あたたかい。やさしい。安心できるし、結構うれしい。たまに窮屈だけど、とても居心地がよい。愛はナナエを包んでくれる。それは素晴らしいものだ。

 だけど、すごいと思ったことは一度もなかった。

 あの二人は優しかった。愛してるって何度も言われた。ああそうですかそうですか。いつまで繰り返してるんだよ。どれだけ繰り返されてきたんだよ。病人のための言葉だと思う。だから違いますよ。それはナナエの欲しいものじゃありませんよ。


 安心して帰れる家があるのは、愛のなせるみわざだ。ナナエをここまで育てるのに、どれだけの慈しみがかけられてきたのだろう。

 ナナエを愛してくれてありがとう。本当にありがとう。

 でもナナエのことを思ってナナエの思いと違うことをされると、死ねばいいのになって思う。


~~~


ナナエさんも良いキャラしてるんですよねぇ。ブレーキの壊れた人間性、毒々しい天才性が見事に伝わってきます。

こういう文章を読みやすいラインで書ける人は貴重。一歩間違えるとポエミーすぎる怪文章になってしまう。

そして、主人公の黒野さんが有能でかっこよすぎる!


~~~


楽しかった弱虫ごっこもこれまでだ。


 最善のタイミングを見計らって起動する。

 まずは鳴瀬克美の鼻を蹴った。地面に押さえつけられたわたしは手下にのしかかられ、鳴瀬克美を目視することは出来ないが関係なかった。今の今まで体を預けていた偽装人格はセーフモードとは違う。ここに居合わせている人物の性能は走査済みで、現在の位置関係も完全に把握している。わたしの見えない位置から、薄笑いを浮かべてわたしの足を広げようとする鳴瀬克美の手をすり抜けて、その鼻をかかとで強打するのは簡単だった。何の苦労も無い。わたしは手持ちのカードを最適な順列とタイミングで切り続けるだけだ。いつものように。


~~~


有能! 強い! 賢い! 優しい! 人助けがライフワークで学校内のいじめなどをありとあらゆる手段(暴力を含みまくる)で防止解決するスーパー生徒会長。しかし、真面目というより自信家でブラックユーモアのセンスもたっぷり!

すばらしく魅力的なキャラクターです。商業まで含めても最高級に好みのキャラ。

それにしても有能すぎる。やばいぐらいスペック高い。相手が男4人でも圧勝できるぐらいの格闘能力と、後ろからの不意打ちにも対応できる驚異的な空間把握能力、相手のを心理簡単に把握する分析力、相手からの汚染を防ぐ精神防壁などなど……なんだこいつ!?

本作はナナエの暴走を黒野さんが止めようとする展開なんだけど……悪VS正義って印象は薄いですね。なんというか怪物VS怪物って感じ。むしろお前がこえーよ! というシーンの連発だし。

そしてナナエのほうは幼少期からの生い立ちなんかが書かれて人間性がある程度理解できるんだけど……黒野さんの人生はほぼ説明されないんですよ。謎のまま。そのおかげでどうやったらこんな超人が生まれるのかさっぱり想像できない。スペックが高すぎる。


戦闘場面もダイナミックで爽快。割と厨二病的なので読む人は選びそうだけど……すばらしく完成度の高い奇作。何というかめちゃめちゃに濃いです。


状態:完結

文字数:69,898文字


個人的高評価ポイント

◎ 高い完成度!

☆ 私の特に好きな作品です

作品URL

小説家になろう https://ncode.syosetu.com/n5723ed/

カクヨム https://kakuyomu.jp/works/1177354054883708434

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