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殺人鬼探偵  (完)

作者さま:狂気太郎

キーワード:殺人鬼 バトル スプラッター グロ注意 コメディ 連作中編


あらすじ

不条理スプラッター・ハードボイルドアクション。謎の無法地帯「八津崎市」に暮らす最強の殺人鬼、「黒贄礼太郎」。今日も彼は人と化け物を殺しまくる。


感想

探偵と書かれてますが推理小説じゃないです。独特なノリで猛烈に人が死んで死にまくる物語。全5部作

かなりグロいし人が山ほど人が死ぬ。だけど、癖になる世界観で固定ファンがいます。主人公「黒贄礼太郎」はユーモアたっぷりで天然、自分に誇りを持つステキな殺人鬼。悪党も一般市民も皆殺し。


~~~


黒贄が持っているのは、長い柄の大鎌だった。二メートルほどもある柄は緩く湾曲し、直角についた鎌の刃渡りもまた五十センチを超えていた。

「あの、それは……」

 依頼人が小声で尋ねると、黒贄は待ってましたとばかりに説明した。

「昔から西洋の農民が使っていた大鎌です。サイズと呼ばれる戦闘鎌の原形でもありますな。本来は穀物の収穫に使いますが、死神も持ってます。いやあ、いいですなあ。これでシャコンシャコンと首を刈り取るんですよ」

 黒贄は柄を両手で握り、宙で何度も振ってみせた。ヒュルンヒュルンと不気味な風切り音がして、依頼人は反射的に自分の首を押さえた。

「いや、でも……あの……それ、必要なんですか。僕の部屋に盗聴器が仕掛けられてるかどうか、調べるだけなのに」

 口ごもりながら依頼人が突っ込むが、黒贄はにこやかに頷いた。

「それはもう、間違いなく必要です。これらを使わないことには仕事が進みませんからね。さて、あなたのお部屋まで案内して下さい。ああ今日は何人殺すのかなあ……」


~~~


いや~、このユーモアとカオス。すばらしい。

死体と殺人鬼と化け物だらけの物語だけど、基本的にギャグ風味。ほんと良いセンス。めちゃめちゃに面白いですよ。

あと、黒贄さんが奇声を上げ始めた時の「よ! 待ってました!」感は異常。


~~~


「これで死ねる、でも怖い、死にたくない、本当は死にたくない、いや死ぬ、痛い、いや心地良い、これが死か、かたじけない、死がやってくるうぎょばぎぎぎぎぎぎ」

「ウガンダラバビョー」

 黒贄がゆっくりと、不渡の痩せた額に刀の切っ先をめり込ませていった。不渡の体が弱く痙攣する。

「ぎぎぎべべべべ……ぎっ」

 深々と突き刺さったのを更に引き下ろして、顔面から喉、胸へと刃が裂いていく。

 血は殆ど出なかった。カスカスに乾いた内臓が垂れ下がっただけだった。

「ウガンダラバビョー」

 漸く黒贄は不渡の両腕を解放した。脳天から下腹部までを切り開かれた不渡の死体が、力なくその場に崩れる。

 日本の剣客・不渡静磨は敗北した。午前三時四十七分、死亡時の得点は二十一万六千六百二十六点であった。

「ウガンダラバビョー」


~~~


スーパー黒贄さんタイム! 被り物をして、目に虚無を宿し、奇声を上げながら、ひたすらに殺しまくる。これが主人公なんだから(笑)

私の特に好きなエピソードは分かりやすく派手な「世界殺人鬼王決定戦」とカオスっぷりがすごい「殺人鬼探偵III~哲学入門~」でしょうか。みんな大好き、まさまさ。

「殺人鬼探偵V ~ちょっと世界滅ぼします~」のエピローグも好き。あれが最後の締めとは(笑) なんとも黒贄さんらしい、死体とユーモアたっぷり。

シリーズ全体を通してキャラもみんな良い味してますし。殺人鬼と狂人と化け物しか出てこないけど。そして、主人公の黒贄さんが1番謎で訳が分からない。


本作があるのは「狂気太郎.net」という、今でも運営が継続してる貴重な個人小説サイト。

大手の投稿サービス以外にも良作はある! そういう意味でも、1度は訪ねてみて欲しい作品です。


状態:完結

文字数:大長編


個人的高評価ポイント

◇ アイディアが良い!

◎ 高い完成度!

☆ 私の特に好きな作品です!

作品URL

狂気太郎.net(個人サイト) http://madtaro.net/stories.htm

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