東京バトルフィールド <東京を奪還せよ。異世界の魔法使いの手から>
作者さま:相山たつや
キーワード:パニックホラー ガンアクション シリアス 異世界 グロ注意
あらすじ
日本が発明した、瞬間移動を可能とする新世代交通機関【テレポーター】。しかし、それを利用して異世界から残忍な侵略者たちがやってきた! 対峙するは、大量の現代火器で武装した対テロ特殊部隊の精鋭たち。はたして任務は成功させられるのか?
感想
中々に良質なガンアクション&パニックホラー。出てくる銃器の種類が多く、作者さまのガンオタっぷりというか銃好き魂が伝わってきます。
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永友の手に握られているショットガンは、イタリアのバルトロ社製、PM5。
銃身下のフォアエンドを手動で前後させて連発するポンプアクション式で、速射性能こそ劣るものの、堅牢な設計で悪条件下でも作動信頼性が高く、迅速な弾薬交換が可能な着脱式マガジンを持つ。
右太股に取り付けたサファリランド社製SLSレッグホルスターには、S&W社のM&P9オートマチックピストルが収納されており、後ろ腰のバックサイドホルスターにも護身用のグロック社製G26ピストルを差してある。
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細かい! こだわりを感じる! まぁ、ちょっと細かすぎる部分もありますが流して読んでも雰囲気は分かります。作者さまによる簡単なイラストも付いてますし。銃ごとにイラストがあって本当にこだわりを感じますねぇ。
戦闘シーンは非常に緊迫感があり人が死にまくりで、グロい。今まで読んできたなろう作品の中でトップクラスにグロいです。注意。
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急に、そのSAT隊員が悲鳴を上げた。
銃を握る両腕が、床に落ちる。
血を噴き続ける腕の赤黒い断面を見て、彼は目を剥いてより一層恐ろしい声で叫び、そのままガクリと倒れて動かなくなった。
仲間の異変を見て駆け寄ろうとした銃対隊員も、すぐに見えない何かによって両足、そして両腕を切り落とされた。
断末魔を上げながらイモムシのように床を這った後、間もなくその首も切られて床にごろり転がった。
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いやー、グロいグロい。文章力があり丁寧な描写なんですが、それゆえにグロさ倍増。
また、敵軍も文明と知能を持っていて「元の世界が荒廃してしまったので移住しないと自分たちが死ぬ」という侵略に明確で悲壮な理由があるのも良い。
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空気や水は汚染され、植物は充分に育つことが出来ず、食料が欠乏している。
隣国でありかつての敵国であった【ロエベッタ】王国では一昨年、食糧難に対応すべく『共食い』についての法が制定された。
昨日の家族が今日の食卓に並ぶその国と比較してみれば、この【グザエシル】帝国はいくらかマシな方であった。
だが、世界はもはや全てが手遅れで、救済の術など無かった。
これから始まる【異世界侵攻作戦】、それ以外には。
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意外と侵略者の内情・心理を書いてくれる作品は少ないもの。個人的には好印象です。「どんな存在が」「どんな理由で侵略してくるのか?」というのは気になるポイントですからね。
事前に地球の情報収集済み&人間の中に敵スパイがいる、という超絶ハードモードなのが本格的。先手撃たれまくり。この手の作品にしては敵軍がめちゃめちゃ有能。有能すぎる。絶望感がやばい。なんというか単なるパニックホラーではなく「戦争」な空気。
あと、ストーリーの書き方がすごく好み。主人公たちによる本筋の展開が始まるのは3章から。2章までは削ろうと思えばもっと削れるでしょう。
でも、この「事件発生前」を丁寧に書いているからこそ侵略の絶望感が倍増している。貯めてから爆発、上げてから落とす。
色々な面で作者さまのこだわりと熱意が伝わりまくってくる作品です。
状態:連載
文字数:240,351文字
個人的高評価ポイント
◇ アイディアが良い!
◎ 高い完成度!
☆ 私の特に好きな作品です!
作品URL
https://ncode.syosetu.com/n1512du/