きつねよめ (完)
作者さま:二宮酒匂
キーワード:異類婚姻譚 狐 室町時代
あらすじ
乞食山伏として流れながら、過去を引きずる暮らしをしていた若い男「新右衛門」。彼は、しゃべる狐の仔を捕まえて日銭を稼ごうとたくらんでいた。しかし、狐たちを悲劇が襲う。唯一残った子狐は人に化けるようになってしまい……室町時代の社会を背景とした異種婚姻譚。
感想
文章が完全に時代小説のそれであり、良い意味で小説家になろうのクオリティじゃない本格中編。
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にもかかわらず、新右衛門はついに逃げ去ることを選ばなかった。
ためらった末に、行李を下ろしてあるものを取り出す。
咒札ではなく、風車。
それは野風に、からから、きい……と軋みつつ回った。
――妖物ではなく、親兄弟を失った子供が相手と思えばよい。
――あの仔狐はわしと同じじゃ。
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時代物の雰囲気を高める言葉遣い、見事な心理描写……めちゃめちゃに筆力が高いです。どっぷりと物語の中に引き込まれ、すごく満足感がある作品。
私ごときの文章では説明しきれませんね。ぜひ、みなさま自身で味わってください。
状態:完結
文字数:47,360文字
個人的高評価ポイント
◎ 高い完成度!
作品URL
https://ncode.syosetu.com/n7565bp/




