異世界求法巡礼行記 (完)
作者さま:石川博品
キーワード:コメディ 禅 ファンタジー 下ネタあり
あらすじ
鎌倉時代の禅僧、「平梵扶通」は牛車に轢かれた拍子に異世界へと転移してしまう。戸惑う扶通だったが、持ち前のいいかげんな性格ですんなり溶けこみ修行の旅を続けていく……
感想
意外にがっつり書かれる深い禅の精神が逆に笑いを誘うコメディ中編。仏教用語を使った言葉遊びも多数。
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働くのも修行のうちだ。坐禅るばかりが大悟への道じゃない。「動静へだてなく定力を養う」ということばもある。つまり、体を動かし働くのも、静かに坐禅を組むのも、乱れぬ心を作るのに役立つというわけだ。
俺は衣を脱ぎすて、川に飛びこんだ。冷たい水が肌を撫でていく。身も心も洗われるようだ。自然のままの快楽――まさに禅味だ。
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「それより服着てよ!」
女童は俺の股間に目をやり、手で顔を覆う。
「全裸はすなわち禅裸に通ずる。これが俺の戦闘形態よ」
俺は拳を腰に当て、低く構えた。
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う~ん、このセンスはすごい(笑)。ギャグコメにして深い精神性。鎌倉時代の禅僧を異世界転移させるっていう発想がね……それこそ凡人は思付けませんよ! 印象に残る変わり種です、
状態:完結
文字数:55,348文字
個人的高評価
◇ アイディアが良い!
作品URL
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