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霧の塔、白銀の杭  (完)

作者さま:山彦八里

キーワード:ファンタジー バトル 吸血鬼 ボーイ・ミーツ・ガール スチームパンク?


あらすじ

少年「エミス」が街の防壁を修理していると、空から少女が落ちてきた。どうやら彼女は人類の敵、吸血鬼らしい。しかし、他の吸血鬼に追われているようで?


感想

総合的な完成度がすばらしく高い良作。まずプロローグから個性があり引き込まれる。引用すると


~~~


 暗く深い地の底に、その城はあった。

 幾歳を経てなお朽ちることを知らぬ、最古の王の住まう城。

 不滅の異形たちが住まう城。


 その城の一室に、ひとりの少女がいた。


~~~


物語は地下から始まる! 珍しい始まりで続きが気になりません?。やはり物語の冒頭は重要。

そして世界観が色々とこっている。吸血鬼も含めて「フリークス(化け物)は金属を嫌う」という設定は良いですねぇ。

やはり、何かしら「その作品ならではのルール」があると個性が出る。キャラやストーリー展開だけで独自性を出すのは中々に難しいものです。世界観に工夫のある作品は良い作品。


~~~


途端に、街を囲む防壁が次々に甲高い音を立てて蒸気を噴き出し、傘のように装甲板を展開させる。

 露出したその内部では歯車が勢いよく回転し、次の瞬間、胞子のように金属粉を撒き散らした。

 陽光を受けてきらきらと乱反射する金属粉が歯車の起こす気流に乗って舞い上がり、街の外周を覆っていく。


~~~


金属の粉をまき散らす防壁! 想像するとかっこいい~! 絵になりますねぇ。

吸血鬼の設定もいい。老いが無いから、精神的な変化もない。成長できないし忘れられない。不老不死という性質を掘り下げてある、こういうタイプ大好きです。


設定にひねりが効いているのに対して、展開としては王道のボーイ・ミーツー・ガール。少年「エミス」と少女「クラウ」の出会いと成長、そして敵との闘い。

正統派のストーリーこそ作者さまの力量がダイレクトに出るもの。そして、この作品は上手い。触れ合いを通して2人の気持ちが変化していき、テンポよく違和感がない。そして終盤は熱く盛り上がます。

あとは敵キャラもちゃんとしてるのも良い。この作品の悪役は2人ですが、両方とも強く誇りがある。ダサくない、かっこいい! 敵キャラに魅力がある作品は良い作品。

物語に求められていることをきっちり押さえている、という印象。世界観で引き込みストーリーで魅せる。ちょっとキャラの個性は薄い気もしますが、とても完成度が高いと思います。



状態:完結

文字数:109,757文字


個人的評価

◇ アイディアが良い!

◎ 高い完成度!

作品URL

https://ncode.syosetu.com/n9829dq/

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