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<Infinite Dendrogram>-インフィニット・デンドログラム- Another Episode  作者: 海道 左近


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SS 料理

(=ↀωↀ=)<23巻表紙公開ですー


挿絵(By みてみん)


(=ↀωↀ=)<23巻の表紙はシェフ&シルキー


(=ↀωↀ=)<増えるオトメ


(=ↀωↀ=)<そして今回シェフ登場の23巻に絡めて料理の話をしようと思ったSS

 □【聖騎士】レイ・スターリング


「皆さん、手料理を人に食べさせる上で大事なことが何か分かりますか?」


 ある日のこと。そこそこのメンバーが集まっていた本拠地の食堂にて、ルークがそんな言葉を発した。

 その表情はいつもとは違い、どこか重い。


「愛情!」

「食材の状態でしょうか?」

「えっと……技術……?」


 イオ達三人がクイズに回答するようにルークの問いに答えていく。

 しかし、ルークはそんな彼女達の答えに首を振り……。


「僕の考えは……それが『料理』であることです」


 おっと?

 さては何かあったなこれ。


「まず自分が食べて体調を崩さない。その最低限をクリアできなければ『料理』ではなくて『毒物』です。美味しい美味しくない以前の話です。味見すらしないのは論外です」

「世のメシマズヒロインってそこスルーしてフォーユーしますよねー」


 味覚の許容範囲広すぎてちゃんと味見しながら料理したのに不味く作るマリーが何か言ってる……。

 まぁ体調は崩さなかったから今の話的にマリーはセーフなんだろうけど。


「『作った人は食べられるけど作られた側は食べられない』という話なら別に良いんですよ。味覚とか体質とか文化のすれ違いなら仕方ないんです。けど、食べたら一発アウトなものを味見もせず人に食べさせるのはおかしいんですよ」


 何かを糾弾するようなルークの言葉。

 敵対した相手に長文でダメ出ししまくるところはあるが、日常でこうなるのは珍しい。


「ルーク、何かあったのか?」


 問いかけると、ルークは苦い顔で口とお腹を押さえながら答える。


「……タルラーが……」

『うむ。余が原因だな』


 そうして出現したのは半透明の少女。

 ルークの従魔の中でも新顔のタルラーだ。

 彼女の作った料理が何か問題だったのだろうか?

 しかし彼女は元人間だし、長生きしているし、良いところ(黄河皇族である古龍人)の生まれだから、そんなに変なことにはならない気がするが……。


『フフフ、すまぬのぅ。お近づきの印にと余の国の料理を作って供したのだが、まさか余が作っただけで呪物に成り果てるとは思わなんだ』


 そもそもアンデッドだったわ。

 長生き(故人)だし、種族も【ハイエンド・ドラゴニックレイス】だ。


『そしてこのようにすり抜けてしまうので味見も何もできぬのよ。ぽるたぁがいすとの要領で調理自体はできたのだがなぁ』

「その結果、僕の舌と胃が呪われました……」


 ルークは疲れた顔で「見た目と匂いと材料に何の異常もないので油断しました……」と呟く。


「咄嗟に【高位霊水】飲んでなかったら死んでいたと思います……」

「マジか」


 見た目と匂いと材料が問題ないのにそうなるならもう即死トラップだろ。


「ちなみにどんな料理なんだ?」

「……これです」


 そう言ってルークがアイテムボックスから取り出したのは蒸籠に入った肉まんだった。

 時間停止型のアイテムボックスに入れられていたからかまだ暖かそうで、見た目と匂いは食欲を唆る。

 しかし即死トラップである。


「じゅるり……」

「ネメシス話聞いてたか?」


 食ったら死ぬぞ。


「こんなに美味しそうなのに勿体無い……逆転を使いながら食べればレイならいけるのではないか?」

「味方からのデバフは対象外だし、そうでなくとも食った後も消化中にスキル切ったら多分死ぬぞ」

「むぅ……食べ物を無駄にしたくないのぅ……。ん?」


 食欲ともったいないオバケに取り憑かれたネメシスが悩んでいると、食堂にいたメンバーの一人がスッと肉まんに手を伸ばした。


「…………」


 肉まんを手に取ったのはクランの新規メンバーであり、他国から移籍したばかりの<超級>アルベルトさんだ。


「…………」


 彼は無言のまま肉まんを手に取り、サムズアップしてそれを咀嚼する。

 TYPE:ボディの、それも機械の自分なら大丈夫と言わんばかりに。

 そして彼は肉まんを飲み込み……。


『《α星(ドゥーベ)》』


 強化復活スキルを発動させた。


「死んだ!? <超級>が一回死ぬレベルなのかよこれ!?」


 何という特級呪物。

 呪いのアイテムを作ろうとしてもこんなレベルのものは作れないんじゃないだろうか?

 自然、全員の視線は調理したタルラーに向かう。

 流石の彼女も気まずそうに視線を逸らしている。


『…………しかしなるぅく。先の話で言うなら、余が味見したところで不死者の余ならば無傷であったろう。……体質の差だからせぇふにならぬか?』

「…………」


 ルークはとても苦い顔をしながら、ゆっくりと首を振った。

 そもそも『料理』と認められないレベルでアウトだった。


 その後、タルラーは許可なく料理を作ることを禁止され、本拠地の食堂の壁には『味見を欠かさない』という標語が付け加えられた。


 Episode End

○タルラー


(=ↀωↀ=)<実は料理自体は上手い


(=ↀωↀ=)<しかしアンデッドの中でもトップクラスな上に存在が厄なので


(=ↀωↀ=)<何か作ると【呪物職人】でもないのに呪物になる悲しい生き物(死んでる)


追記:


(=ↀωↀ=)<ちなみにタルラーは生物(新鮮な果実含む)なら食べられます


(=ↀωↀ=)<けれど調理済みの料理は生物ではないので食べられませんし味見できません


(=ↀωↀ=)<……活け作りならいけるか?

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― 新着の感想 ―
流石に想定外だろうし味見できないのも種族的な問題だし不可抗力では?? 悪意をもって振る舞ったわけでもないしそこまで言わなくても……
紫怨装甲あるから浄化されるのでは? と思ったけど、浄化に時間がかかると料理は冷めるし、ネメシスが料理を前に理性が保たないか アルベルトさん!耐性付いたんだから、全部いけるよね!(外道
タルラーさん植物とか育てたら特に見た目の変わらない化け物を作れたりするのだろうか
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