<四海走破> ⑥
□■<南西境界海域>
大陸の<南海>と<西海>。
その狭間にあるのが<南西境界海域>とも<レジェンダリア海>とも呼ばれる海域だ。
異なる二つの海域の狭間にあるこの海域は、強力なモンスターが少ない安全な海域とされるが……実際には違う。
一年の内に【亡霊戦艦】が出現するほんの二、三ヶ月で……【亡霊戦艦】の目についたモンスターは全て殺傷されるのである。
【亡霊戦艦】こそは環境の圧政者であり、繁栄を許さぬ者。
モンスターとしての成長が難しい機械の身でなければ、あるいは古代伝説級という領域すらとうに超越していたかもしれないモンスターである。
そんな【亡霊戦艦】の出没する海域を……一艘の小型船が航行していた。
それは船団に積まれていた【連絡艇】の一つであり、船上には三人の人物の姿がある。
一人目は舵を握り操縦するマシュー。
二人目は後部座席で銛を片手に周囲を警戒するヴァナ。
そして三人目はマシューの隣に座るバロアであった。
「……なぁ、もうその海域には入ってるのか?」
マシューはポーション――【連絡艇】の操縦で消耗したMPを補充するためのモノ――を飲みながら、後部座席のヴァナに尋ねる。
「ああ。既に入っている。もうどこで出くわしても不思議はない」
「その割には静かなもんだな」
海上は僅かに風が吹く以外は静かなものだ。水棲モンスターが跳ねることすらない。
「【亡霊戦艦】も海域の全てを同時にカバーしてはいない。だが、<西海>に抜けようとすればどこかで対峙するだろう」
「そうかい。ならそういう予兆があったら教えてくれよ、二人とも」
「はい」
「…………」
バロアは頷き、ヴァナは少しだけ心配そうな表情を浮かべた。
その視線は前の席に座るバロアに向けられている。
「……今回の作戦、私とこの海賊だけで良かったのではないか? 何となれば私一人でも可能な作戦だ」
「あぁ? 俺が操縦しなかったらてめえこの海を泳ぐことになんぞ? それにこの【連絡艇】はその気になりゃ亜音速だって出せるんだぜ?」
「私も生身の泳法で音速の半分までは出せる」
「…………水棲亜人やべぇ」
人間離れしたヴァナの身体能力に、マシューはそう呟くしかなかった。
「もっとも、【神獣狩】の長時間行動能力があっても何百キロメテルも全速で泳ぎ続けるのは体力の消耗が激しい。作戦のためにも温存すべきだしな」
ヴァナはそう言って、【連絡船】に乗る必要があることは認めた。
「しかし、バロアを連れてくるのは危険だ。私や海賊ならばともかく、バロアは一度でも攻撃を受ければそれで死んでしまうぞ」
「ですが、【亡霊戦艦】の攻撃を察知するためには僕がいた方がいいですから」
この三人が【連絡艇】に乗っているのは、対【亡霊戦艦】の作戦のためだ。
船団で最も操船技術の高いマシューが【連絡艇】の操縦。
【神獣狩】であるヴァナが作戦の実行役。
そして、バロアは予感によって【亡霊戦艦】からの攻撃を警戒する役目だ。
だが、ヴァナはそのことにいくらかの疑問を抱いていた。
【連絡艇】を出すときにはバロアに押し切られて同乗させていたが、乗っている内に再び不安が膨らんできたのである。
「バロアの予感について、まだ納得のいっていないことがある」
「それは?」
「なぜ、私のシージャックを予感できなかった?」
バロアが迫る危険を感じ取る力があるのならば、どうしてヴァナの襲撃を無警戒に受けていたのか。
あの時に中央船の船員が抱いた疑問を、ヴァナもまた抱いていた。
その疑問に対してバロアは、少し言葉を探して回答する。
「……どう言えばいいのか悩みますが……僕の予感は二種類あります」
「二種類……」
バロアは右の人差し指を立てて、説明を始めた。
「まずは、“近い予感”。近づいた危険をどうすれば避けられるか、という回避の予感です。今、【亡霊戦艦】の作戦で期待しているのはこっちです」
次いで、左の人差し指を立てる。
「もう一つは、“遠い予感”。いつか直面する大きな危険に、どんな備えをしなければいけないかを伝える準備の予感です」
「近い予感と遠い予感……」
「どちらも僕の感覚だからあいまいなときもあって、特に二つ目の予感は感じることも珍しいです。でも、収容所でン・レフトさんに声をかけた時と……出航のタイミングをあの日に決めた時は、その予感が強く働いていました」
「……いや、それでどうして私のシージャックを予感できなかったことになる?」
「それはきっと……」
バロアは少し考えてから、返答する。
「シージャックの危険ではなく、いずれ遭遇するより大きな危険に立ち向かうために、ヴァナさん達が襲撃できるタイミングまで出航を遅らせなければいけなかったんです」
「……なるほど」
その言葉に、ヴァナが少し納得する。
もしも出航が三日以上早ければ、ヴァナは船団に関する情報を得られず、見逃していたかもしれない。
そうなれば、ヴァナが行ったような【亡霊戦艦】に関する情報提供を船団は得られず、戦力としてのラフロント部族も存在しなかった。
あの日まで出航を遅らせたことで、今があるのだ。
シージャックの際にバロアが言った『待っていました』という言葉の意味を、ヴァナは遅まきながらに理解する。
「……【亡霊戦艦】という回避不可能の危険への準備として、私が襲撃をかけてバロアと出会えるように予感が働いたということか。納得はしたが……」
「何でしょう?」
「……いや、何でもない」
ヴァナは半信半疑ではあれど、バロアの予感についてある程度の納得はした。
しかし、口に出して尋ねなかったがまだ疑問は一つ残る。
ヴァナが情報を得るまで待つ必要があったとしても、あと二日は早く出航できたはずだ。
予感が齎した出航日の二日ものズレは一体何のためにあったのかと……自身が情報を得た日を知るヴァナだけが疑問に思った。
「そうですか。…………」
不意に、バロアの様子が変わる。
空中に視線を向け、風の中で何かを読み取るかのようなその表情。
それが予感を得ているのだと、二人にも分かった。
同時に、二人の耳にもある音が届く。
「海賊」
「分かってるっての……!」
彼らは右方……東の方角から聞こえてくるものに気づいている。
波をかき分けて巨大な物体が進む音。
視線を向ければ、水平線上に何かがある。
それは遠目にも……船影に見えた。
彼らの船団のような帆を張る帆船ではなく、機械動力によって動く船の姿だ。
「……他の船ってケースはねえよな?」
「ないな」
「なら、発見の連絡を船団に出すぜ。こちらマシュー。【亡霊戦艦】を発け……」
マシューが【連絡艇】に備え付けられた通信魔法の機器で船団に連絡を入れたとき、
「……! 避けて!」
隣に座っていたバロアが、【連絡艇】の舵を掴んで強引に右へと切っていた。
【連絡艇】はひっくり返るのではないかというほど急激に進路変更する。
「おいバロア! 緊急時に何を……!」
マシューは抗議の声を上げて船の舵を戻そうとしたが、
その瞬間――彼らの直前までの進行方向から一隻の船が出現した。
「!?」
マシューは舵を戻すことを踏みとどまり、そのまま衝突コースを回避する軌道を維持する
「こいつぁ……!」
【連絡艇】がスレスレで回避したのは、朽ちた金属製の艦船。
彼らの母船である帆船と同程度の大きさをした、しかし人が乗っているようには見えない幽霊船。
寸前まで水平線に見えていたのと同じものが、彼らの間近に接近していた。
「おいっ!? いなかったよな! こんなもんッ!」
「ああ! ……そういうことか、話が違う!」
マシューの切羽詰まった声に応えながら、ヴァナは気づいたようにそう叫んだ。
「話が違うってのは何だ!?」
「海洋王国が遺した『見えない』という言葉の意味だ! 見えないどころではなかった!」
「あぁ?」
ヴァナは水平線の一点を指差しながら、声を張る。
「水平線の艦影はもうない! あれがこいつなんだ! 【亡霊戦艦】は自分の姿や音を誤魔化せる! 見えないんじゃない! 誤認させるんだ! 今のように自身から離れた場所に幻を見せることもできる! 単なる光学迷彩よりも余程に性質が悪い!」
「マジかよ……天地の忍者連中みてぇな真似を…………って、このサイズでか!?」
「そういうことだ!!」
焦燥を覚える二人に対し、バロアはやはり恐怖のない表情で宙を見ている。
そんな彼らの乗った【連絡艇】が【亡霊戦艦】の船体を過ぎ去ると……その姿は消えてなくなり、何百メテルと離れた場所に移動していた。
何百メテルと離れた場所に新たに出現した幻の【亡霊戦艦】は、砲塔を回転させている。
恐らくは、本物の【亡霊戦艦】も同様に。
「ッ!」
咄嗟にヴァナがアイテムボックスから聖属性魔法の【ジェム】を取り出し、本物の【亡霊戦艦】の消えた場所へと投擲する。
魔法は発動したが、しかしそれは何に当たることもなく海中へと沈んでいく。
「ダメか!?」
「……ああ! ズラされた!」
悔しげに叫ぶヴァナ。
彼女の言葉の意味は、単純だ。
ジェムを投擲する瞬間に……正しい攻撃の方角が分からなくなった。
新たな欺瞞映像ではなく、【亡霊戦艦】の消えたポイントに投げたはずが、投げる直前にそのポイントの正しい認識をズラされたのである。
――《ランブリング・ヴィジョン》。
それが【亡霊戦艦 アヴァン・ドーラ】がアンデッドとして保有するスキルである。
かつて“夢遊の化身”の現実を失って死に絶えた者達が、死してその魂を怨念に溶かした後も幻に囚われ、その歪みを外界へと発露したもの。
自分達の姿や音、匂いさえも誤った認識で世界に映し出し、《殺気感知》など直感に類するスキルも無効化する。
加えて、正しいと思う方向に攻撃を仕掛けようとしても、攻撃する際の短時間だけはその正しさを誤認させられる。
至近距離にまで接近しなければ、その誤認の効果は解けない。
それゆえに【亡霊戦艦】と相対した海洋王国の艦隊は、その正しい位置さえも知ることなく一方的に攻撃を受けて壊滅したのだ。
物理的に姿を消し去る類の隠蔽能力を除けば、無敵に近い座標隠蔽。
このスキルに対抗できるとすれば……。
「取舵!」
バロアの声が、【連絡艇】の上に響く。
その声に応じてマシューが左方向に一気に舵を切る。
直後、どこからか放たれた砲弾が彼らの後方で海面に水柱を立てた。
進行方向を右にすれば直撃し、そのままでも盛り上がる水面によって転覆していたかもしれない。
「バロア……!」
「あちらの砲撃や衝突は……僕が視ます。マシューさんは指示通りに舵を」
「応!」
「宜候」
空中を凝視しながら、バロアは指示を続ける。
バロアは感覚を欺瞞する【亡霊戦艦】を相手に、五感や直感のスキルを超えた異能の予感によって対抗せんとしているのだ。
そしてバロアの予感による回避を続けながら、
「ヴァナさん。作戦開始です」
――【亡霊戦艦】討伐戦、その第一の作戦の実行を指示した。
◇◇◇
話は【亡霊戦艦】について話し合った時にまで遡る。
「【亡霊戦艦】を倒す上でまず重要なのは、【亡霊戦艦】の行動原理です」
『動きながら動かなければいい』という謎かけのような言葉を述べた後、バロアはそう切り出した。
「行動原理? 無差別に襲ってくるんだろ?」
「無差別といっても、基準はあるはずです。それに、相手はアンデッドですから」
アンデッドの思考能力は二種類ある。
生前と同程度を維持するか、獣以下に落ちるかの二択だ。
前者は【大死霊】に代表される知性を持ったままアンデッドに成り代わった種類。
後者は怨念によって変質し尽くし、思考能力を失った種類。
後者の多くは生命や血肉に惹かれて生者を襲うか、【死霊術師】の手駒として動くだけのモノだ。
「【亡霊戦艦】は、間違いなく思考能力のないアンデッドです」
まともな思考能力が残っていれば、行き交う者を無差別に襲い回ることはしない。元は母国の人々を守っていた軍人達の船なのだから。
生前に辿った末路のためか、あるいは長い年月を怨念に晒されたためか、【亡霊戦艦】は完全に狂ったアンデッドとなっている。
「重要なのは、狂ったアンデッドである【亡霊戦艦】の無差別攻撃が、どの程度まで無差別か、です」
「どの程度? ……そうか」
バロアの発言にヴァナが納得し、マシュー以外の二人も理解したのか頷いている。
「……? どういうこった?」
「【亡霊戦艦】の攻撃は無差別であれど攻撃しないものがあるということです。例えば……」
第一に当然だが自分自身。生前のように自沈していない以上、自分は攻撃しない。
第二に海の波。もしも動く波まで攻撃対象にしているならば、【亡霊戦艦】は出現している間はずっと海に砲撃を撃ちこむことになるだろう。
そして第三に……波間を漂うだけのもの。
これも攻撃対象ではない。もしも攻撃対象ならば、自らが沈めた船の残骸でさえも延々と攻撃し続けるだろうから。
「つまるところ、波間を漂うだけのものであれば【亡霊戦艦】の攻撃対象からは外れる、ということです」
「じゃあ海流にでも乗って流されてくだけなら素通りになるってことか!」
「「「ならない」」馬鹿かお前」
「三人ハモった上に一人分余計な罵倒ついてる!?」
他の三船長の返答に、マシューはショックを受けた。
『さっきから俺だけ理解できてないのはなんでだ?』と思いながらも、疑問を解消するために質問していく。
「何で素通りにならないんだよ。帆船が大きいからか?」
「それもあるかもしれませんが、それ以前です。帆船には何が乗っていますか?」
「そりゃ武器と物資と……人間だな」
自分で口にして、マシューはようやく気づいた。
「はい。狂ったアンデッドとしての習性で、生物が近づけば襲ってくるでしょう。だから素通りはできません。隠れて身を潜めても、アンデッド特有の感覚で気づくかもしれません」
アンデッドには生きている人間に見えないものが見える。
それは怨念であったり、魂であったり、命の気配であったりだ。
そうである以上、身動き一つしなくとも【亡霊戦艦】は船舶を見逃さない。
しかし同時に、アンデッドゆえに見えていないものもある。
「重要なのは、生きてもいないし大きくもないし動いてもいないものは……【亡霊戦艦】にはきっと見えていない……ターゲット認識の埒外ということです」
「つまり?」
「機雷でも撒いておけば勝手に引っ掛かります。たしか【神獣狩】のスキルで作れましたよね、ヴァナさん」
◇◇◇
「開始する!」
ヴァナは予め作っていた聖属性の機雷をアイテムボックスから取り出し、海に投げ込む。
ドラム缶サイズの機雷が幾つも海上に浮かんでいく。
機雷はしばしそのまま海上に浮かんでいたが、
何もない場所で何かにぶつかって爆裂した。
それは《ランブリング・ヴィジョン》によって隠されていた【亡霊戦艦】の実体。
生命も意思もない機雷を【亡霊戦艦】は認識できず、誤認もさせられず、衝突し、爆裂によってダメージを負った。
聖属性魔法のジェムが詰まった機雷によって、【亡霊戦艦】の実体がダメージを負う。
怨念ごと浄化されたことで、《ランブリング・ヴィジョン》の誤認によって隠されていた船体が、まるでカーテンが破れるように露わになった。
「効いているな!」
「ヴァナさん、続けてください!」
「ああ!」
そうして、彼らはパターンとも言うべき状態に移行する。
危険を予感できるバロアの指示によって、マシューが回避機動の操船を続け、その間にヴァナが機雷をばら撒いていく。
移動する【連絡艇】を追って射程に収めんと【亡霊戦艦】も動いているが、【亡霊戦艦】には機雷が見えていない。
動けば動くほど聖属性の機雷が船体に直撃する。
動き回って【亡霊戦艦】を引き回しながら、動かない機雷によってダメージを重ねていく。
それがバロアの考えた作戦の第一段階だ。
「作戦の第一段階は順調だな!」
「ああ。……それにバロアの予感の精度も大したものだ」
アンデッドであるがゆえに聖属性の効果は覿面であり、幻の方を見ても船体下部にかなりのダメージを受けていることが確認できる。
さらに言えば、誤認のカーテンも既にボロボロで実体もほぼ露出しかけていた。
ここまで被弾はゼロ。対して、機雷の爆発音は連続し、【亡霊戦艦】の損傷は拡大する。
このまま作戦が進めば、第二段階に移行することなく【亡霊戦艦】を討伐できるかもしれない。
想定外に厄介だった【亡霊戦艦】のスキルを攻略したことに、二人が安堵していると……。
「……変です」
バロアの、少しだけ不安の混ざった声が二人の耳に届いた。
「バロア?」
「爆発音が、聞こえすぎます」
バロアの言葉に、二人も耳を澄ませる。
すると後方で機雷の爆発音が聞こえて間もなく、右後方と左前方からも同様の……しかし異なる反響の音が聞こえた。
「……視覚と聴覚の誤認って奴じゃねーか?」
「それにしても……数が多い。まるであちこちから響いているような……」
そんな言葉を交わしながら、背筋に不快な寒気を覚える。
そうして周囲への警戒を強めてから、気づく。
「……【亡霊戦艦】は、かなりのダメージを負っていたはずだが」
先刻まで幾多の機雷の直撃を受け、船体下部に大きな損傷を負い、誤認のカーテンすらも消えかけていた【亡霊戦艦】。
しかしその姿は……少しずつ復元し始めていた。
「自己修復……? アンデッドの回復能力か? だが、兵器である戦艦が……」
「…………なぁ、【神獣狩】」
「どうした、海賊」
「俺の見る限り、あいつ停まってるように見えるんだけどさ」
「そうだな。停戦して……自己修復に集中しているのか」
見れば、【亡霊戦艦】は機関を停止している。
そしてまるで生き物の傷が癒えるのを早回しにするように、少しずつ船体に空いた穴を塞いでいく。
「だったらよぉ……」
マシューはその事実を確認し、そして緊張で唾を飲み込みながら……、
「――何で今も爆発音が聞こえるんだよ‼」
事実と相反する、現実を口にする。
「!」
言われて、ヴァナは気づく。
停船しているならば、今も機雷にぶつかるはずはない。
ならば今機雷にぶつかっているのは、停船している【亡霊戦艦】ではなく……。
「……囲まれた」
静かに、バロアがそう口にする。
そして、彼らは見た。
彼らの【連絡艇】を遠巻きに囲むように――四隻の【亡霊戦艦】が洋上に浮かんでいる光景を。
◇◆
【亡霊戦艦】のアンデッドとしての能力は《ランブリング・ヴィジョン》である。
では兵器としての能力、【亡霊戦艦】の素体である新鋭艦【アヴァン・ドーラ】に搭載された名工フラグマンの手掛けた最新兵器は如何なるものであったか。
それは、一種の自律兵器。
本体である新鋭艦より分離し、海上を索敵し、攻撃対象を発見して殲滅するオプション艦。
本体のコアが無事である限り、搭載した資材によって自ら修復するメンテナンスフリー兵器。
自動索敵・自動攻撃・自動修復を兼ね備えた四隻の砲艦群。
その兵器、システムの名こそ――【アヴァン・ドーラ】。
後の決戦兵器三号【アクラ・ヴァスター】の前身となった超兵器である。
To be continued
(=ↀωↀ=)<帆船サイズのは【亡霊戦艦】本体ではなく
(=ↀωↀ=)<四隻いるオプション艦の一隻です
(=ↀωↀ=)<先々期文明基準の戦艦ってもっと大きいしね
(=ↀωↀ=)<なおこの【アヴァン・ドーラ】の仕様は
(=ↀωↀ=)<そろそろ新しい超兵器出したくなった作者の欲望によるものです