SS クランの運営
(=ↀωↀ=)<18巻SS四本で良いのに五本書いてあぶれた一本
(=ↀωↀ=)<SSとしては文字数多めだけど
(=ↀωↀ=)<文字数制限緩いBook Walker様の特典SSは他のSSにしたため
(=ↀωↀ=)<ここで公開
□【聖騎士】レイ・スターリング
「あの、クランの運営費って集めないんですか?」
「運営費?」
本拠地を得た後、メンバーのみんなが集まった際に霞からそんなことを言われた。
彼女の言葉を捕捉するように、マリーが説明する。
「メンバーから運営費を徴収するクランも多いですねー。それを本拠地の購入やリース、クランで使うアイテムの備蓄や設備投資に回すのが基本で、特に優れた設備を持つクランでは運営費が高い傾向にありますよ」
それで言えばうちの本拠地である闘技場はトップクラスの設備だろう。
「皇国の<LotJ>みたいに設備や福利厚生でクランを選ぶ人もいますね。まぁあそこは国営なので運営費の徴収はないですけど」
前もそんな話は聞いたことあるな。
戦争用に<マスター>を受け入れる目的で作ったランカークランだっけ。
「デスピリにも設備目当てで加入を希望する人も出てくるでしょうね」
「……うーん。身内や友人の集まったクランだし闘技場目当てで来られてもな」
基本は俺がパーティを組んだ面々で、あとは兄が誘ったフィガロさんとレイレイさん、それにフィガロさんにくっついてきたハンニャさんだ。
ジュリエット達には声を掛けたが、今後も友人以外が加入することはないだろう。
……よっぽど変わった事情のある人ならまた別かもしれないが。
「話を戻しますけど、運営費は個人に対して月々のノルマを課しているクランもあれば、クランで受けたクエストの報酬と倒した賞金首の賞金の一部を運営費に収めるケースもあるみたいですね。戦闘系クランに多いです」
「ああ。フォル……今はライザーが運営している<バビロニア戦闘団>はそのスタイルだよ」
マリーの説明にフィガロさんが頷いていた。
ライザーさんも決闘ランカーをやりながらクラン運営をしているとは、以前ライザーさんにお世話になったイオから聞いたな。
「私の<凶城>では売り捌きやすい戦利品を売って、その金額の一部を運営に回していました。捌きづらいものや装備として優秀なものは各々が入手。それまでの戦利品の市場価値の合計が低いメンバーから優先して戦利品を選べるシステムでやっていました」
「なるほど……」
PKクランの手法はうちだと真似しづらいが、流石に詳しい。
もう壊れてしまったが、俺の使っていた旧【VDA】もそうして誰かが獲得した装備の一つだったのだろうか。
「あと<ウェルキン・アライアンス>や<叡智の三角>みたいな商業クランは、クランの商業活動の利益から運営費やメンバーへのお給料を捻出していますよ。まぁ、それも黒字になるまではメンバーの持ち出しで運営して、結構揉めたそうですけど」
「揉めた?」
「<叡智の三角>を例に挙げると、戦闘メンバーが稼いだお金を開発部が開発に使っていました。けれど最初の製品が完成しない内は収支なんてずっとマイナスですからね。稼いでくるメンバーからすれば自分達の投入した資金をドブに捨ててるようにも見える訳で。【マーシャルⅡ】完成まではクランの舵取りが大変だったとか」
……あいつにもそういう苦労あったんだな。
「あー、それと宗教系クランの<月世の会>はかなり稼いでますね。超級職のスキルをティアンの資産家の治療で大金をふんだくることや信者を増やすことに使ってますから。聖職者<マスター>の治療も【グローリア】で聖職者が減った王国では引く手数多で、信者からの寄進も多いですね」
女化生先輩らしすぎて困る。
「ていうか宗教系クランなんて括り、他にもあるのか?」
「ありますよ? まぁ神様や仏様を信じる宗教とは違いますけど、個人崇拝で成り立ってる黄河の<輝麗愚民軍>やレジェンダリアの<ティターニア・プロダクション>ですね。前者は納金額や貢献度合いでランク付けされますし、後者は【妖精女王】のアイドル業が主な収入です。そっちは半商業ですね」
……【妖精女王】ってレジェンダリアの象徴的なトップだったような。
「それに収入形態こそ違いますが、特定個人への信奉で活動するなら<AETL連合>もそれでしょう?」
「まぁ、たしかに。そうかファンクラブも広義では宗教系に含まれるのか……」
じゃあ結構あるのかもな……。
「……カシミヤのクランも個人崇拝の宗教系なのでは? オーナー本人に自覚はないとしても」
ビースリー先輩が『気づいてしまった』みたいな顔でそんなことを呟いていた。
それだと王国の上位三位中二つが宗教系になってしまう。
というか俺達が二位に入るまで三つとも宗教系だった……。
「いや、うん。<K&R>はPKクランって括りでいいんじゃないかな」
「……宗教系とPKではどちらがまともなのでしょうか」
「…………」
ルークの疑問への答えを俺は持っていなかった。
「あ、あの、それで、運営費はどうなるんでしょう……?」
霞の声でハッと我に返る。
色んなクランの運営話はためになったが、最初の話題からは話が脱線していた。
「あー、そうだな。クランの運営費は……クエストや賞金首の報酬からちょっとずつ回して、足りない分は余裕ある人が出す形になるかな」
今はまだそのくらい大雑把にしか決められないか。
まぁ、報酬から集める運営費だけだと賃料には足りないかもしれないが、まだ俺の貯蓄もあるし兄達<超級>は使う金額も稼ぐ金額も桁が違うので何とかなるだろう。
「闘技場の賃料や購入費以外にどこでお金使うかもまだよく分かってないしな」
「食費だ! 闘技場の食堂に人を雇おうではないか!」
「ネメシス、お前の食費をクランの経費にするのは気が引けるんだが……?」
99%はお前の胃袋に消えるじゃん。
それで共通経費とか口が裂けても言えないぞ。
「初年度の賃料を全額支払われたのはレイさんですし食費くらい……」
「ルーク。ネメシスの食費がここの賃料より安く済むとは限らないだろ?」
「…………たしかに」
冗談だったのに真剣な顔で納得されてしまった。
……でも『集めた運営費は超えるかもしれない』とは俺も思ってしまったのだった。
Episode End
(=ↀωↀ=)<SS投稿でした
(=ↀωↀ=)<本編は予告通り春頃までお待ちください
( ꒪|勅|꒪)<ちなみに採用された方のBW特典ってどんな内容ダ?
(=ↀωↀ=)<<IF>創設秘話(ゼクスとラスカル達のファーストコンタクトダイジェスト)
〇近況
(=ↀωↀ=)<原稿チェック(一回目)とSSの作業が完了
(=ↀωↀ=)<その横で本編原稿等を書きつつ
(=ↀωↀ=)<マスターデュエルとアルセウスやってました
(=ↀωↀ=)<マスターデュエルは超融合アルバスメイドでやってます
(=ↀωↀ=)<相手のモンスターを素材に融合モンスター出すの好き……
(=ↀωↀ=)<あとアルセウスは『新クマポケモンだ!』とテンション上がったものの
(=ↀωↀ=)<進化させたオヤブン個体がメスだったことに気づき
(=ↀωↀ=)<「これじゃクマニーサンじゃなくてクマネーサンじゃん!」とかなってた
( ̄(エ) ̄)<うっふーんクマ
(=ↀωↀ=)<こんなことやってるけど18巻の表紙ですよこの人




