ロボータの冒険 超獣・竜王・ポメラニアン 地上最悪の決戦編 エピローグA
(=ↀωↀ=)<前話の投稿後に書けたから短いけど連続更新
(=ↀωↀ=)<まだの方は前話から
□<自然都市ニッサ>・伯爵邸
人外達の夜が終わり、ニッサは朝を迎えた。
そしてこの街を治める者もまた、朝と共に目を覚ました。
「……ひゅぇ……」
結局、夕食の時に気絶してそのまま朝まで眠ったままだったキュオン。
目が覚めて真っ先に目に入った<スリーブ山>だったもの……巨大な青い花の氷像を見て再び意識を飛ばしかけたが、ギリギリで耐えた。
家令はパニック寸前の彼女を何とか落ち着かせ、その後に彼女が気を失っている間の様々な出来事の報告を行った。
オーが<UBM>の迎撃に動いたこと。
巨竜が街に襲来したことと、既に討伐されたこと。
南の外壁と衛兵の被害。
そして<スリーブ山>の状況と……オーが未だに帰還しないことを告げた。
「オーさん……!」
キュオンはショックで口元を手で覆い、目を見開いた。
自分を護ってくれた、友でもあり、内心では想いもしている<マスター>。
その彼が、帰っていない。
「お、オーさんは<マスター>……、でも……」
彼はレジェンダリアの策謀で指名手配されており、デスペナルティは“監獄”に落ちることを意味する。
もう二度と彼に会えないのではないか、キュオンが不安と絶望で気を失いかけ……。
「――只今戻りました」
――オーがキュオンの部屋の扉を開いた。
「オーさぁん…………きゅぅ」
結局、キュオンは気絶した。
◇
侍女達に介抱されるキュオンを見ながら、オーは「元気そうで良かった」と安心する。
巨竜が街の中に踏み込む前に倒されたのは見ていたが、戦闘の激しさゆえにもしもということもありえたからだ。
「……山が凍った後に異常は?」
「ありません。陛下、よくご無事で……」
そんな彼に、吸血氏族である家令もまた、安堵したように声をかけた。
「無事でもない。死にかけた……というよりも死んだな、あれは」
【凍竜王】との最後の攻防、そして最後に使われた《竜神装》なる未知のスキルの発動で《無相三眼》は細胞の一つ一つが凍結し、永久静止状態にまで陥っていた。
ゆえに、オーの切り札たる《無相三眼》はあの瞬間に死んでいる。
「すまないが……俺の泊まる予定だった部屋はどこだ。流石に、疲れた」
「はっ! ただちにご案内いたします」
「ああ、すまないな。大変だろうに……」
「いえ! 陛下のご尽力とキュオン様の心労に比べれば私など……」
キュオンの代わりに街の各所への指示を行っている家令は、本心からそう言っていた。
「謙遜するな。よくやっているよ……。本当に、君達は頑張ってくれている」
そんな彼を、オーは彼らの王として労った。
僅かに涙ぐむ家令に気づかないふりをしながら、オーは案内された部屋に入る。
「それでは陛下。どうか、ご自愛を」
「ああ。少し……休む」
そうして客室に一人になった後……オーは床に仰向けに倒れ込んだ。
キュオンの前、配下の前、そうした意地を張るシーンが終わって限界に達したかのように。
(神話級……本当にバケモノだったな)
ここからでも窓の外に見える光景……ある意味では自分と【凍竜王】の合作である<スリーブ山>のなれの果てを見ながら、オーはため息を吐く。
そして自分の掌……さらに血の気が薄くなった皮膚を見ながら、頭を悩ませる。
(基本三色はしばらく使用不能。残りは《賽黄》と《創紫》。……遠距離戦シフトしかできない)
視界の端……黄と紫の二色だけ残ったバーを見ながら、そう呟く。
TYPE:ガーディアン・アームズ、【戦血臨理 ナイアルラトホテップ】が血液で形成する肉体は、オーのアバターとは別個体である。
クトゥルフ神話のトリックスターであるナイアルラトホテップは無数の顔と姿を持ち、同時に複数存在もする邪神。
そのモチーフの特性のためか、各形態はHPまでも個別に有している。
<マスター>であるオーが動かし、彼のスキルを使えはするが命の連動は完全ではない。
《疾蒼》が右足に負った傷が、他の形態になかったのはそのためだ。
各形態の傷も、吸血鬼系統のスキルと本体にして収納形態である《貴白》によって修復される。
そしていずれかの形態が致命傷を受けても……それはオー本人には届かない。
ナイアルラトホテップで戦う限り、彼の命が尽きることはない。
この性質はオーの生命線であり、秘密であり、ステータス以上に彼の立場には重要だ。
しかし今は、本人にも影響が出ている。
最大三形態を選んで融合させる《暗黒神話・無相三眼》を使用。
そして融合した三色のバー……各形態のHPバーを完全に失い、基本の三形態は再構成されるまで使用不能に陥っている(正確に言えば永久行動不能に陥った体を自壊消滅させて脱出、凍った山から生身で降りてきた)。
その結果、自身の血液でもある<エンブリオ>の五分の三を失った。
血を武器とする吸血鬼系統であっても相応にコンディションが悪い。
むしろ、吸血鬼でなければ死んでいる。
「……これは、本当にここで療養させてもらう必要があるかもしれない」
やれやれと首を振りながら、オーは自前の回復機能付き棺桶を取り出し、這いずって中に入る。
ともあれ、当座の危機から友を護ることはできただろうと……安堵もしていた。
(《無相三眼》を凍らせた後、奴もどこかに姿を消したようだ。山に帰ったのか、奴に追従していた<マスター>を追ったのか、それとも……)
ともあれ、今の今までニッサに異常がないのならば、既にこの地にはいないのだろう。
そうして、『頼むからこれ以上はニッサで面倒事など起きてくれるな』と……吸血鬼の王は祈りながら眠りにつく。
彼の護った街の中心で……。
To be continued
(=ↀωↀ=)<モンスターsideはまだ書けてないので次回更新日に
( ꒪|勅|꒪)<<編纂部>は?
(=ↀωↀ=)<彼らのその後は本編で
〇【戦血臨理 ナイアルラトホテップ】
(=ↀωↀ=)<本人含めて六種の形態を使い分けつつ
(=ↀωↀ=)<必殺で融合、状況に応じたステータスの《無相三眼》で戦う
(=ↀωↀ=)<……最終的に《ブラッディ・ジョーカー》でHP一割払えば
(=ↀωↀ=)<どの組み合わせでもステ振り自由だけどね
(=ↀωↀ=)<ちなみにHP上限は一回全損した後に再構成すると直る
〇【凍竜王】
(=ↀωↀ=)<自爆技(自分は対象外)
( ̄(エ) ̄)<自爆とは……
(=ↀωↀ=)<まぁノーリスクだけどノーコストではないのでまた作り直す必要がある
(=ↀωↀ=)<なので本当にヤバいときだけ使う




