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僕らの心理部  作者: プロトアクチニウム
1/1

[佐蔵田 隆介]の初日

今までの作品で一番力を込めました。

このシリーズで言いたいことは、人は千差万別であるということです。

特殊性癖者と呼ばれる人は、虐げられるべきではないと思います。

なにがどうあれ、楽しんでいって下さい。

「さぁて、この日がやって来た」

そう呟いたのは、自分の第一志望校の掲示板前。

目の前の大きな白い布で包まれた看板を見つめる。

辺りには人だかりが出来ているが気にならない、むしろ気にする余裕がないという方が正しい。

さぁ、運命の時がやって来た。

白い幕が開かれ、友達や親と抱き合いながら喜ぶ者、逆に肩を落としたり泣いたりする者もいた。

手元に目を落とす、[1471]···

もう4月だ、新しく何かが始まる月だ。


俺は今とある学校のある教室の席に着いている。

[1471]が貼られた机の上の学校資料に目を通していた。

その後、ほどほどに老けたご年配の教員の方から色々な説明を受けた。

校則であったり、学食であったり、授業方針であったりと、それは2時間に及んだ。

制服の購入日の説明を受け、解散となった。

今から新しい学園生活が待っている。またあのような思いはしたくないものだ。


学園生活1日目の朝だ。

時計に目をやると、もう8:30だ···ん?8:30?

「!!···まずい···遅刻する···」

昨日は入学式だったのだが、今日は授業だ。

ここから家まで約1時間はかかる。

「隆介-?起きたの-?」

母が俺を呼んでいる、何故起きているなら起こしてくれないのだ!

俺は制服を着ると、急いで玄関に向かう。

「隆介!もう行くの!?朝御飯は!?」

そう呼び止められるが、靴を履けばこちらのものだ。

「時間無いから今日は要らない!ラップしてて、夜食べるから!」

そう言って家を飛び出していった。

「時間!?まだ7:35だけど···」

そんな母の声は届かなかった。


全力疾走中の俺は、歩いて登校中の小さな幼馴染みを発見した。

「しょうた!」

その声に反応した少年は此方を振り返った。

「りゅうちゃん!?どうしたの?そんなに急いで・・・」

俺は事情を説明した。

「僕の腕時計みて、ほら」

俺が腕時計に目をやると時刻は7:50だった。

「えっ!」

俺は安心感とともに羞恥心にかられた。

「寝ぼけちゃったんだ?りゅうちゃんらしいね」

笑顔でのそれに、更に赤みが増す。

「うるさい!」

「ごめんごめん」

昇太郎が笑顔で返した、その時だった。

「いいわ!いいわ!」

何処からか聞こえたその声に、俺と昇太郎は振り向くと、そこには同じ学校の女子高生がいた。

綺麗な黒髪ロングの美少女が赤面していたのだ。

「どうしました?」

こう聞き返すと、こう述べる。

「こんな早朝から、《兄しょた》を見られるなんて・・・何てラッキーなのかしら!」

「は、はぁ・・・」

こんなこと言われてこれ以外に、何と返せばよいというのだ!?

「それによく見ると二人とも中性的な顔立ちね・・・!!、これは《男の娘プレイ》も行けるのでは!?、やはりそうなれば《兄弟プレイ》と合わせるのが最善!!あぁ~、想像が膨らみますわぁ~//」

「俺らで何妄想してんだーー!!」

「ほよっ!・・・私、あなた方を気に入りました。もうお会いすることはないでしょう。」

先ほどのとろけたような可愛い顔とは違い、真面目な表情で言っている。

「なので最後にお願いがあります。」

「俺にそっちの気は無いですよ。」

「いえいえ、そうではなく・・・」

カシャッ!

「よしっ!兄しょたゲットぉー!!」

そう言いながら走って行ってしまった。

「なっ・・・」

俺と昇太郎は唖然としていた。

「た、台風みたいな娘だったね・・・」

「確かに・・・俺らで無きゃ引いてたぞ・・・」

「この辺に住んでるのかな?」

「それなら、また会うかもな・・・」

ここでの俺らの心配事は、再会である。

再び会ってしまったら、何をされるか分かったもんじゃない。特に休日は。

「でも、しょうた?」

「なぁに?」

「お前って、中学のこr」

「ストップ、ストップ、ストップー!!」

昇太郎の顔は真っ赤だ。

「だってあれは罰ゲームで、りゅうちゃんだってしたじゃないか!」

「んぐっ!」

あれは中学の時だった・・・

友達との賭けに負けて、俺と昇太郎らが女装をさせられて町を歩かされたのだ。

お陰様で、俺と昇太郎は《異常性癖者》として扱われる様になった訳だが・・・

まぁそれもあって、さっきの娘を引かなかったのだ。

「しょうたぁー!その記憶を消せー!!」

「りゅうちゃん、ストップー」

俺は赤面で鞄を振って、昇太郎は笑いながら逃げている。

視界に学校が入ってきた。胸から込み上げてくる感情を感じながら学校の校門へ向かっていった。


よく考えれば早く来すぎたのだ。

今は8:10だ、思いの外早く来てしまった。

SHR開始まで40分はある。

クラスは[1-12]で、昇太郎も一緒だ。

何でも[1-11][1-12]は良成績のクラスだそうで、所謂特進的なものである。

今、教室には俺と昇太郎と三つ編み&メガネの女子だけだ。

「僕、トイレ行ってくる」

そう言い、昇太郎は去っていった。

アイツ、この気まずさから逃げやがったな!

そう思いつつ、メガネちゃんを見る。お勉強中の様だ。

手元を見ると、昨日配られた問題集をしている様だが、メガネちゃんの手は止まっている。

3分ほど止まっていたので、メガネちゃんの前の席に座り解き方のヒントを教えることにした。

「この問題は、絶対値を外す時の条件を考えるんだ。」

そう言うと、驚いた様な表情を見せたが、頷き、ペンを進めた。

しかし、どうやら答えが合わないようだ。

「そこは、X<2だから、絶対値を外すと-(マイナス)になるんだよ。」

そう言うと、納得した表情を見せた。

「ありがとう」

少し笑っていた。

その笑顔に何だか癒されていた。

「私、[寺本 紗香] 4月27日生まれ」

「おっ、俺は[佐蔵田 隆介] えっと、9月3日生まれ・・・?」

生年月日は要るのだろうか?

そう考えていたら、疑問系になってしまった。

「何で、疑問系なのよ」

意外なツッコミに苦笑いしか出来なかった。

「りゅうちゃ~ん、トイレの場所わかんな~い」

そう言いながら昇太郎が戻ってきた。

「うわっ!同じ机でお勉強!?彼女だったの!?」

「違っ!勉強教えてただけで!」

昇太郎に手を引っ張られた。

「そんな事はどーでもいーから、トイレまで連れてって・・・漏れちゃう・・・」

昇太郎は恥ずかしそうにもじもじしながら言った。

「分かった、分かった!漏らすなよ!こっちだ!」

俺は昇太郎を引っ張って教室を出ていった。

「・・・隆介、彼だって所詮は男・・・」

教室では寺本がそう呟いていた。


時刻は8:50

SHRは、今日は自己紹介がメインという事だけ言って終わった。

その通りに、1限目~3限目まで自己紹介、4限目は数学、5限目、6限目自己紹介、だった。

4限目が終わった後、俺は昇太郎の元へ向かった。

「自己紹介多くない!?」

「だねー、全部内容一緒だし・・・」

苦笑いをしながら話している。

「そうだ!食堂行こうよ!」

昇太郎が急に言い出した。こいつは食欲旺盛のちびっこだからな。

「いいけど、しょうたってそんなに食べるのに何で大きくならないんだろうな」

「っ!気にしてるのに~!」

昇太郎はそのルックスと身長から中学時のあだ名は《しょた》であった。

本人は気にしている様だ。

「何々?君たち、食堂行くの?私も着いていってもいいかな?いいよね?よしっ行こう!」

何、一人で会話して納得してんだこの人はーー!!

「貴方は?たしか・・・」

「よくぞ聞いてくれた・・・私の名は、[新島 姫乃]!以後お見知りおきを・・・」

絶対痛い人だよこの人ぉーー!!

「は、はぁ・・・新島さんね」

「ふっ・・・私のことは[姫]とお呼びなさい・・・確か君たちは、佐蔵田くんと北里くんだね。」

思ったより重症だぁーー!!

「・・・宜しくお願いします。姫さん」

「うむ、共に我々の惑星を守ろうぞ。佐蔵」

「俺、佐蔵田です」

「分かっとるわい、佐蔵の方がしっかりくるんだわい」

キャラが分かんねーー!!

するといつの間にか居なくなっていた昇太郎が帰って来ていた。

「どこいってたんだ、しょうた?」

「ん?りゅうちゃんが姫乃さんと楽しそうに話していたから、一人で食堂行ってきたんだ。」

時計を見ると12:30・・・残り10分しかない

飯抜き・・・だと・・・

「朝は食べて無い上、昼も抜くなんて・・・」

俺は地に膝を着き、絶望と過度の空腹間を味わっていた。

「あの・・・ごめん・・・うちのせいで・・・これ、お詫びに!」

そう言い、姫乃がおにぎりを差し出した。

俺は其を受け取らなかった。

「そう言う、姫乃さんだって、昼飯食ってないんだから、俺は要らないよ。」

そう言って席に着こうとすると

「あ!うち、弁当あんねんで!ほら!」

そう言い、弁当を見せてきた。

「ならお言葉に甘えて・・・」

俺はおにぎりを受けとるとある疑問が浮かんだ。

「・・・じゃあなんで、学食行こうとしたんだよーー!!」

俺がツッコミを入れると姫乃は笑いながらいった。

「へ?だって弁当は10分休みにちまちま食べてるんで~、お昼にもうちょいいただこうかとおもいましてねぇー♪」

「お前なぁー・・・・・・ありがとな・・・」

このキャラが分からん大食いへは、怒りより感謝の方が大きかったようだ。


放課後、俺は昇太郎と一緒に下校していた。

「今日は、スゲーキャラの奴しか会わなかったな。」

「だね、でも楽しかったなぁ」

昇太郎は少し微笑みながらそう言った。

兄ショタ美少女、大食い中二病少女

どちらも可愛くはあったのだが。

などと思いながら、家の付近の川沿いを歩いていると、前方にネズミのフードを被った女の子が立っていた。

「見たこと無いな・・・しょうたより小さいぞ」

「しょうたよりは余計だよ!う~ん・・・小学生くらいかな?」

その女の子の横を通ると急に抱きつかれた。

「へ!?」

女の子は見上げる様にして、その泣いている顔をさらけ出した。

「お人形さん・・・」

そう言い、指を指したのは川の中だ。

この川は深く、流れが速いので溺れる危険性がある。

「・・・仕方ないな・・・取ってきてやる。」

そう言って俺は上を脱いだ。

「りゅうちゃん!?」

「だって、放っておけないし、放っておいて自分で行ったら危ないだろ?」

そう言い俺は川に入っていった。

かなり深いが、顔を出せるくらいである。

どうやら人形は、橋の柱の元に生えている枝に引っかかっているようだ。

人形に引っかかっていた枝を折り、人形を掴んだ。

上からは女の子の喜びの声があがる。

しかしその時、足に何かが刺さり転んでしまった。

俺はそのまま流されたが、人形だけは離さないようにと懐にしまった。


どれくらい時間が経ったか分からないが誰かに引き上げられたようだ。

気がつくと、同じ学校の女子生徒の横で浮いていた。

・・・浮いている?・・・!!

なぜだか分からんが、俺はその女子高生が歩くのに合わせて宙を浮いているようだ。

混乱しきっていると、その子はこちらに気づいた。

「これはどういう・・・」

質問しようとしたら消えた。それと同時に俺は地面に落ちた。

一体、何だったのだろうか・・・

「りゅうちゃーーん!!大丈夫かーーい!」

「おにーちゃーーん!!」

昇太郎とネズミちゃんがやって来たのだ。

俺がお人形をネズミちゃんに渡すと小脇に抱えたまま抱きついてきた。

「ありがとう、ごめんなさい」

泣いていた。

小学生位なら仕方ないか。

「りゅうちゃん・・・怪我とかない?」

昇太郎も心配してくれている。

「ああ、足に・・・!、大丈夫、何処も怪我してないみたいだ。」

足に刺さったはずの物も傷も無かった。

「良かったー、もう!昔から無茶しすぎなんだから。」

微笑みながら、ネズミちゃんの頭を撫でる。

「お前も泣くな、お家に帰らないと親が心配するだろ?」

そう言うとネズミちゃんは俺から離れた。

「本当にありがとう、お兄ちゃん。またね、今度は遊ぼうね」

そう言うと無邪気な笑顔を見せて帰っていった。

俺は笑顔で手を振りながらも、未だに分からない、あの女子高生が恐怖であった。

俺の険しい顔をみて昇太郎が一言。

「りゅうちゃんってまさか、そっち派?」

「はぇ?」

「りゅうちゃん・・・小学生はまずいって・・・」

「違っ!俺はロリコンじゃねぇよ!!」

「あっはっは、じょーだんだってば」

やはり昇太郎は昇太郎だ。

長い付き合いなので分かるが、こいつは俺が険しい顔をしていると何時も冗談を言って笑わせてくれるのだ。

俺らは無駄話をしながら、余計な通学路を帰っていった。

こうして俺の長い一日は終了したのであった。

最初なので、ただ知り合いを増やしました。

次から学園生活を書いていきます!

ここでは主人公の多少の設定を書きますね。

[佐蔵田 隆介][男][9月3日生まれ][おとめ座][AB型]

詳しい設定は後程!

それではまた会いましょう。

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