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第71話 とりあえず奴隷になりたい



なんか変な言葉が聞こえてきた気がしたけどそこはスルーしてと。


「じゃあ仲間になってくれるって事で良いんだな?」


フクシアに握られていた手から目を上げて彼女に確認をする。


「もちろんです!シオン様!」


「そうか、良かった」


「よろしくねフクシア」


「私からもよろしくお願いする」


「……ん?」


さっきの会話に違和感を覚えた俺は思わずフクシアを見つめてしまう。


「どうしたのです?シオン様」


どうして頬を赤らめてもじもじしているのか気になるがそれよりも――。


「……俺の名前に様づけ?」


「はい。シオン様です」


「確かにさっき言ってましたね。なんででしょうか?」


「私のご主人様だからです」


おっと話が変な方へ。

思わず頭痛を押さえるようにこめかみに手をやる俺氏。


「……その考えに至った理由は?」


とりあえず不思議そうな顔をしているフクシアに聞くことにした。


「私は違法奴隷として捕まっていました」


「……うん」


「途中でオーガに襲われ、間一髪でシオン様に救われました」


「……うん」


「あのままでは私は死んでいたはずです……」


そのときの恐怖を思い出したのかフクシアは俯いている。


「死んでいたに等しい私の命はシオン様の物なのです。だから私はシオン様の奴隷なのです」


ガバッと顔を上げ、フンスと鼻息荒く、拳を胸の前で握ったフクシアがなぜか自信満々に力説してくる。


「ちげーよ!?」


「……え?」


突拍子もない考えだったので思わず否定したら、訳がわからないという顔をされた。

いや、百歩譲って命がうんぬんかんぬんは認めるとしよう。

でもな?そこでなんで奴隷になるんだよ。俺にはわからないよ。


「ほら、他にも部下とか手下とかあるじゃん?もっとよく考えた方が良いって」


「そこで手下か……。子悪党さが伺えるねシオン?」


「ナチュラルに罵倒挟むのやめようか!?」


援護射撃かと思ったらフレンドリーファイアでした!

ありがとうございますこのやろう。


「嫌です!私は何があってもシオン様の奴隷なのです!ダメって言われても常に後ろについて回る所存なのです!」


「それは奴隷じゃなくてもはやストーカー」


「もう決めたのです!」


「考え直してください」


更に話が変な方へ行ってるよ。最早意地張ってるだけな気がする。

ほら、そこの魔物2人、常に後ろについて回るのところで頷いてないでとめてください。怖いから。


「自分を大切にしよう?せっかく奴隷の首輪からも解放されたのに……」


「はっ、首輪!首輪がないと奴隷とは言えません!今すぐ取ってくるのです!」


「やめて!?墓穴掘っちゃったよ!!」


そのあと何とか、首輪を取りに行かせることを阻止。

本人は、首輪がなくても奴隷だと言い張っているが、奴隷扱いは俺が許さないので却下。

結果として様づけだけが残ることに成った。

なぜだ。



◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆


昼飯も食べ終わり、金を払って宵闇亭から出てきた。

おっちゃんにまた行くと言ったら二度と来んなといわれてしまった。

絶対こんど寄っててやる。


「ごちそうさまです、シオン」


「ありがとうございました、シオン様」


「おいしかったよ、シオン。いや、悪かったねご馳走になっちゃって」


「良いってパーティーメンバーなんだから。それに金はあるし」


そう、俺は現在金持ちなのだ。

まあ、1ヶ月ものダンジョン生活で貯めた素材を粗方売り払えばそうなるわな。


ギルドのカウンターで素材を売ろうとしたら、フェイさんに「……ちょっと待って待って!!心臓に悪いのでもうちょっと考えてください!」と涙ながらに止められてしまった。

あれは俺も迂闊だった。

冒険者に成りたてで、しかも迷宮の素材を1ヶ月泊まり込みの量で出せば、勿論周りに怪しまれる。

俺の事情を知っている唯一の受付嬢なので、まずいと思ったらしく止めてくれたそうだ。


まったく頭が上がらない。


ダンジョンから戻ってきた時にも迷惑をかけたので、何かお詫びをしないとな。

あのときは俺も冷静じゃ無かったしな。

戻れた喜びとかもろもろで。


まあそう言うわけでちょっとお高い6人分の食費位は訳ないってことだ。


「じゃあ、一旦ギルドに戻るか」


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