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第65話 知らない事は人に聞きましょう

お久しぶりです!

受験生って忙しいですね

読書とかゲームとか睡眠とか……

やることがいっぱいあります

…………?

どうかしましたか?

それでは行ってみましょう!


第65話 知らない事は人に聞きましょう



「お疲れさま」


「いえ、私もお役に立てて嬉しいです」


先程までは周囲を――肌寒いというレベルだが――冷気が覆っていたのだが今ではそれもなりを潜めている。

サリーが自身の火魔法を使って氷を溶かし、空気を暖めたからだ。

火魔法を使う彼女は本当に楽しそうだった。


寒さが去り、障害が無くなった事で本題に移る。


「それでこの子はどうするんだ?」


「え?置いていくの?」


心底驚いたと言う表情をして、こちらに勢い良く振り向いたライム。

そこにデニスが補足を入れてくれた。


「多分違うよ。シオンはこの子を連れていっても大丈夫かって事が言いたいんだと思う。合ってるかい?」


「……まあな」


こんな言い方はしたくないが、奴隷ってのは所有物として扱われる。

例えば、勝手に連れていって相手に訴えられればそれは窃盗になる。

できれば波風は立てたく無いんだが……。

そこで俺は聞くことにした。

それが一番確実だからな。


「で、どうなんだ?」


「ここを見てください」


しかし、帰ってきたのは答えではなかった。

サリーの指示にしたがって視点を少女の首輪に移す。

しかし俺には何が言いたいのか良くわからなかった。


「えと……もしかして、わかりませんでしたか?」


当たり前であるかの様に言ったけれど、俺が理解できていないそぶりを見せた為か、目と耳を泳がせておろおろとさせている。

ああ、獣耳に癒される……じゃなくて。


「もちろんわかるさ」


「そうなのですか、安心しました。それで、私が言いたかったこととはなんでしょうか?」


にっこりと笑ってこちらに再び問いかけてくる。

俺はさも当たり前のように答える。


「この首輪が高級品だってことだろ?」


「違います」


にべもなくバッサリ切られた。


「……実はブランド品!」


「違いますし、さっきとほぼ同じです」


「わかった!この首輪をサリーにつけてほしい!」


「…………シオン?」


「はい、誠に申し訳ありませんでした!」


即座に謝罪へと移行する。

長生きしたいなら悪いと思った時にすぐ謝ること。

これだいじ、OK?


「もう……、わからなければちゃんと教えますので遠慮しないでください。わかりましたか?」


「うっ……悪い。わかったよ」


どこか悲しそうに叱ってくるサリーに反論は出来なかった。

こんな俺でも罪悪感はあるのだ。

おや、その驚いたような反応は何かな?


「それで何が言いたかったんだ?」


「普通この首輪の中心には奴隷商人を識別するための刻印が施されています。首輪は貸し与えられる物で、奴隷商の魔力と連動しているので偽装は不可能です。それでこの首輪に刻印が無いと言うことはこの子は恐らく違法奴隷ですね」


「違法……」


違法ということは、正規の手続きで奴隷にしたのでは無いという事か?

つまり俺たちが連れて行っても問題ないと?


「契約をしていない訳だからこの子の主人もいないしね」


「契約……?」


続けたデニスの言葉にまたしても知らない単語が混じる。

知らない事を告げるとデニスにも呆れられた様な表情をされた。


「これも知らないのかい?今まで一体どこに住んでいたんだか……」


「世間知らずで悪かったな。情報なんか入ってこない所だよ。最近王都に来たばっかりだって言っただろ?」


嘘は言ってない。

それどころか全部真実だ。

言ってないことはあるけれども。


「取り敢えずこの子をギルドに連れて行きましょう。休ませてあげないと」


「そうだな。連れていっても問題ないってわかったしな」


「問題は君が倒したオーガなんだよね。この子のためにも魔石を取り出すのは諦めて燃やすだけになるけど良いかな?」


そうだな。

オーガから必死で逃げていたんだろうし、ゆっくりと休める場所に早く連れて行くべきだろうな。


「燃やさないといけないのか?」


「放置するのはダメなんだ。死体を放置しているとアンデッドになる可能性があるし、他の魔物が食べて強くなる事もある。だから死体は放置してはいけないんだ」


「そうか……」


「燃やしますか!?」


いつに無く真剣な表情をして理由を説明するデニス。

こちらを見る力強い瞳が本気である事を伺わせる。

目を輝かせて話しを脱線させそうになった人物がいたがスルーで。


事情に頷いた俺はある事を思いついた。


「それなら俺のアイテムボックスに入れるのはどうだ?燃やす手間も省けるぞ」


「アイテムボックスが有るのかい?……それなら大丈夫だね。素材を無駄にすることも無いし万事オッケーだよ」


「燃やさないのですか……」


全て丸く収まったと言うのに何故かシュンと悲しそうな人がいるがスルーで。

なんなの?

ファイアハッピーなの?


「それじゃあ行こうか」


男手2人の内、デニスよりも力が強いという事でエルフの少女を運ぶことになった俺は少女を肩に担いで歩き出す。


……これだと俺、誘拐犯みたいだな……。


俺がザ・誘拐犯スタイルなのは理由がある。

肩に担いだのは、抱っこや所謂お姫様抱っこだと手が埋まってしまい、咄嗟に動けなくなるからだ。


……所でライムさんにフィラムさんや。

会話に参加できなかったからと言って気絶した女の子の頬っぺたをプニプニするのはどうかと思うんですがそれは。



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