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~クラスまるごと召喚されました~勇者で魔王なので旅に出ます!?  作者: ねむ鯛
第二章 王都 ダンジョン編 
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第44話 100層到達

第44話 100層到達



倒れていた3本角が起き上がり、こちらに向き直る。

足元を踏みしめてお怒りのようだ。

さっきのが効いたのだろう。


「ライム、こいつは正面からの攻撃が効かないから横か後ろに回り込んでくれ。注意は俺が引きつける」


「わかった。さっきの攻撃は使わないの?」


「まあな。あれは距離が近いとあんまり効かないんだよ」


俺が使ったのは振動操作を用いた、魔力の斬撃を飛ばす技だ。

名前の通りソニックブームの原理を使ってある。


簡単に説明すると、震源が、前に進んでいる振動と同じ場所にあることで、一箇所にたくさんのエネルギーが集まる。

集まるエネルギーは集まる時間が長いほど多くなるから、近くだとただの切れ味の良い斬撃だ。


よく分からない?

なら詳しく説明しよう。

ここは飛ばしてくれても構わない。


まずは数直線を思い描いてくれ。


先に普通の波の説明をしよう。

距離0の場所に震源がある。

震源は動かない。これ大事。


0秒の時

波Aが距離0の場所にある。


1秒の時

波Aが距離5の場所にある。

ここで波Bが距離0の場所に発生する。


2秒の時

波Aが距離10の場所にある。

波Bが距離 5の場所にある。

ここで波Cが距離0の場所に発生する。


3秒の時

波Aが距離15の場所にある。

波Bが距離10の場所にある。

波Cが距離 5の場所にある。

ここで波Dが距離0の場合に発生する。


これが普通の波だ。

1秒毎に5の距離を進み、新しい波が発生する。

波を発生する装置は動かない。



そしてこれがソニックブームの原理。

波の速さと震源の速さが同じ時に起こる。重要。

距離0の場所に震源がある。


0秒の時

波Aが距離0の場所にある。


1秒の時

波Aが距離5の場所にある。

震源の速さが同じなので震源も距離5の場所にある。

だから波Bが距離5に発生する。


2秒の時

波A・Bが距離10の場所にある。

震源の速さが同じなので震源も距離10の場所にある。

だから波Cが距離10に発生する。


3秒の時

波A・B・Cが距離15の場所にある。

震源の速さが同じなので震源も距離15の場所にある。

だから波Dが距離15に発生する。



とまあこんな風に同じ場所に波が溜まっていって、大きなエネルギーになる。

これがソニックブームの原理。

さっきのはこの原理を使った攻撃だ。

更に言えば、波は1秒毎に発生する訳ではなく、常に発生し続けている。

威力はお察しだ。

とは言っても俺の魔力と集中力が持たないので、今はせいぜいが飛距離300メートルが限界かな。


震源の速度を調整するのがむずいんだ。

離れれば離れるほど操り難く、疲れやすくなる。

その代わり威力は上昇。

ピーキーな技ってわけだ。


……………俺は誰に言ってるんだろう?


まあいい。


「わかった。気をつけてね、ご主人」


「おう、まかせろ!」


離れていくライムを視界の端に捉えながら魔法を使う。


「〈氷槍アイスランス〉!」


俺は敢えて頭を狙うことで注意を引き、俺に攻撃をさせる。

突進をしてくるが、スピードの乗っていない攻撃を避けることは容易い。

3本角は途中で止まり、再びこちらに向き直って突進を再開する。

が、直後に


「〈氷結壁アイシクルウォール〉」


魔法で止める。

速度が乗っている場合は止められないが、走り始めたばかりの遅い時なら簡単に止められる。


「からの、〈凍結縛鎖フリーズバインド〉」


氷結壁アイスウォールに触れている角の部分から氷が這い上がり、逃げられないように捕獲する。

体のいたるところに氷が張り付き逃げることを許さない。


「ライム、今だ!」


「オッケー!〈水流穿通ウォーターペネレイト〉」


ライムが発射した高水圧の水流が、3本角の側面に当たり、そして貫く。

土手っ腹に大きな穴を残した三本角恐竜トライホーンは倒れ、やがてその命を散らした。


「よくやったな、ライム。お疲れ様」


「ありがとう、ご主人!お疲れ様!」


互いを労い、素材を集める。

最近はスペック任せのごり押しばっかりだったから、3本角は作戦を立てるいい練習台になる。

疲れていると面倒くさいだけだが。

とは言っても作戦も簡単な物で済むので、そこまでの練習にはならない。


「主〜、ライム〜」


「どうやら帰ってきたみたいだな」


フィラムが自分の糸を使って木に括り付け、ター○ンみたいにやってくる。

スパ○ダーマンじゃなくて、タ○ザンな。

理由は糸をまとめて蔦みたいに使っているから。

いや、似たようなもんか。

どっちにしろ野性味あふれる方たちだ。


「主、失礼なことを考えていなかったか?」


「いや、そんなことはないぞ」


「そうか……?」


「そうだ。じゃあ進もうか」


俺の周りの奴って勘が鋭いよな。

考えていることがよくバレる。

ガザルもそうだったしな。


……ガザルか。


帰ったら模擬戦でも挑もうかな。

最初のお礼もしなきゃいけないし。

今の俺のステータスだと圧勝だしな。

そう言えばあの日は帰ったら説教とか言ってたもんな。

もう忘れてるか。

覚えてても、それこそ力ずくで逃げれば……。

あれ……?俺の勘が無理って言ってるんだけどなんで……?


そんなはずはない!

勝てる筈だ。


……まあ、帰ってから考えるとしよう。


現在、第99層。

もう少しで100層だ。

このダンジョンが何層あるか知らないが、もう終わりで良いと思う。

長いし。


ん?90層ボス?

楽勝だった。

なんか勝手に死んだの。


90層のボスは超高速機動のハチ。

俺が目で追うのがやっとな速度。

普通に戦えば苦戦を強いられただろう。

普通に戦えば。


フィラムが限界まで硬化させた糸を、目に見えないくらい細くして周囲に張り巡らせたら、突っ込んできて、あっさり切り刻まれて終わった。

防御は紙ですってか?

それで良いのか階層ボス。

あっさりしすぎてビックリだよ。

手抜き過ぎだろ。

いや、普通に戦えば強いんだろうけどさ。


80層ボスも激硬の個体砲台だったし。

なんか能力偏りすぎじゃね?


「着いた……」


そんなことを考えている間に魔力振動波ソナーで見つけた目的地に着いた。

これまでにたくさんのスキルのレベルも上がっていて、分割思考の思考数も上がっている。

分割思考のおかげで、魔力振動波ソナーで得た情報も上手く扱えるようになって、周囲の探索も今ではだいぶ楽になった。


「降りるぞ」


目的地はもちろん階段。

100層に降りるためのものだ。


いままで通り100層ボスも楽勝………と思ってた時期もありました。


階段を降りた先には長大な回廊。

石造りで重々しい雰囲気を醸し出している。

分かれ道は無く、一直線に進む。

そして一際大きく重厚な扉。

両脇には美しい竜の石像が鎮座され、左右の扉にはそれぞれ天使(普通に大人)が刻まれている。

よく見ると天使の表情が慈愛では無く、悪戯っぽく見えるのは気のせいだろうか。

いままでに3度見た、どの扉よりも圧倒的な威圧感。


これを見て俺は思った。


あ、これガチじゃね?と。


「…………………」


「…………………」


隣の2人も押し黙ったまま何も言わない。


「………………よし、今日は休んで明日に備えよう!」


「「異議なし!!」」


こうして俺たちは土魔法で作った簡易な部屋で一夜を明かす事にした。

ほら、今日は恐竜の相手したし万全な状態で挑みたいじゃん?

ゲームとかでもボスはHPとMPがフルな状態で挑む派だから。

圧勝できても。

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