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~クラスまるごと召喚されました~勇者で魔王なので旅に出ます!?  作者: ねむ鯛
第二章 王都 ダンジョン編 
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第42話 改めて

第42話 改めて



「さて」


泣き疲れて眠ってしまったフィラム。

いままで我慢していたのだろう。

それが、恐竜との戦いも終わり、いろいろ溢れてきて止まらなかった。

泣いている間はいつもより幼く感じられたのであれが素だと思われる。


ともあれ、ここに留まっているのは危険なので、素材をアイテムボックスにしまい、移動する事にする。


「行くぞ、ライム」


「わかった」


フィラムを所謂お姫様だっこで運ぶ。

今のステータスなら軽々と運べる。

異世界様々だな。


群れの仇をとった為か、フィラムの寝顔は安らかなものだ。


「なぁ、ライム」


「なぁに?ご主人」


「フィラム、これで良かったと思うか?」


それは今しがた浮かび上がってきた、とりとめの無い質問。

なぜだか聞かずにはいられなかった。


「なんでそんな事を聞くの?」


「さあ……。なんでだろうな」


自分でもなぜ聞いたのかわからない。

ただ気になった。

それだけだ。

それがライムにもわかったのだろうか。

俺の答えについては言及せずに考え始めた。


「う〜ん……ぼくには少し難しいけど、きっと良かったと思うよ。だってほら、フィラム、嬉しそうじゃない?」


そう言われて、再びフィラムに目を落とす。

確かに苦しそうなそぶりは見えない。

出会ってからから有った、どこか張り詰めた様な空気も無くなっている。


「そっか……そうだよな」


薄暗く、しかししっかりと先の見える通路を進みながら思う。

ライムに救われたな、と。

ライムの言葉を受け、胸が軽くなったのだ。


よく考えてみると、こんな風に他人の人生を左右する様な選択はした事が無かった。

原因はそれかな。

俺はただ、言って欲しかっただけなのだ。

お前の選択は間違ってなかったと。

そうでないと、人の人生は重すぎるから。


つくづく責任に弱いな、俺は。

自嘲げに思う。


「ありがとうな……」


「ん?」


「いや、なんでもない」


「え〜〜なんて言ったの?教えてよ〜」


「なんでもないって」


予想以上に食いついてくるライムをあしらいながら通路を進む。

3人で外に出られる事を願いながら。



−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


30分程離れた場所に部屋を作って、更に約1時間が経過した頃にフィラムが目を覚ました。


「申し訳ない。どうやら戦闘の疲れで眠ってしまったようだ」


「いや、問題ないさ。家族って言うか、それ以上の繋がりがあるしな」


謝るフィラムにそう返す。

王の器の解放スキルである絆の干渉に、物理的な繋がりがあるからこその返しだ。


取り敢えず、戦闘ではなく泣き疲れである事は指摘しない様だ。

2人共大人なのである。


「それに戦闘じゃなくて泣きつか……むおっ!?」


「違う!断じて違う!寝てしまったのは戦闘による疲れだ!!」


訂正。

若干1名子供が混じっていた様だ。

その子供な発言を取り押さえる為に10分程の時間が使われたのは、実にもったい無かったとだけ言っておこう。


「さて、話し合いも終わった。問題だった恐竜も倒した事だし、改めて挨拶をさせて貰う」


フィラムの言葉に、終わって無いんだけどな〜と思いつつも、自分は大人だから言わないんだぜ!と思っている子供の図がそこにはあった。

嘆かわしい。

自分がどうであるかは、自分ではなかなか気付かないものだ。

ともあれ話し合いは続いていく。


「元蜘蛛の群れを率いていたフィラムだ。至らぬ所もあると思うがこれからよろしく頼む」


「あぁ、これこそよろしくな」


「よろしくね、フィラム!」


そこでフィラムな向かって手を差し出す。


「む?これはどういう事だ?」


俺の差し出した手を不思議そうに見つめている。

やっぱ知らないのか。


「これは握手って言って、友好の証みたいなもんだ。2人で手を掴むんだよ。やってくれるか?」


「そうか。勿論だ」


そう言ってフィラムは俺の手を固く握りしめてくれた。

こうやって仲間が増えるのは感慨深い物があるな。


「あ〜〜ぼくした事無いよ!ご主人、ぼくとも!」


「おぉ、そうだったな」


確かに、ライムとは握手して無かったな。

シリアスは吹き飛ばされたけどそれでも良いか。

真面目な空気よりもこっちの方が気楽だしな。


「ふふふ〜」


それにどうやら喜んで貰えたようだしな。

こちらも悪い気はしない。


「それでは今からこのダンジョンを攻略していくのだな?」


「そうだ。今は86層での階段は見つけているから明日はそこまで進む」


現在の位置は恐竜と会った82層のままだが、訓練も兼ねて87層へ続く階段は見つけていたのだ。

ずっと同じ階層にいるのも味気ないし、下の魔物の方が強く、レベルも上がりやすい。

そんな訳で階層の攻略自体は進んでいた。


「そこからはどうするの?」


「まあ、魔物に見つかって時間がかかったら降りてすぐ休むし、時間がかからずに着いたのならもう少し進んでみようと思う」


「時間次第ってことだね」


「そういう事だ」


やっぱ、ライムは理解が早いな。

会って1ヶ月も経ってないのに凄いもんだ。


「もう質問はないか?……じゃ、ミーティングは終わりだな。明日に備えて、飯食って、風呂入って、寝るぞ」


そう言ってランチバックから、それぞれが自分の魔力で食事を作り出した。

なお、今日の紫苑のメニューは、白米の茶碗一杯だった。

一品物なのでこんな事もあるのだ。

なんと恐ろしい事か。



2人目のヒロインであるフィラムが正式に仲間になりました。

糸と鞭使いの蜘蛛さんです。

あれ?人間はどこ行った!?

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