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~クラスまるごと召喚されました~勇者で魔王なので旅に出ます!?  作者: ねむ鯛
第二章 王都 ダンジョン編 
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第34話 撤退

睡魔に負けて更新遅れました。

申し訳ありません。

第34話 撤退



「それじゃあ撤退するぞ」


『え……?』


蜘蛛が思わずといった風に聞き返してくる。


「どうしたんだ?早く逃げるぞ」


『え……?あいつを倒してくれるんじゃ……?』


再び疑念の声を上げる蜘蛛。


「ん?なに言ってんだ?」


その蜘蛛に対して、ニヤニヤと人の悪い顔で笑っている紫苑。


「さっき言ってたじゃないか、『あいつを倒して人生を楽しみたい』って」


『そうだが……』


「つまり、自分で倒したいって事だろ?」


『なっ!?』


どうやら気付いていなかったようだな。

半分くらいは狙ったんだが……。


「まあ、俺も言わせた以上しっかり手伝うかもな」


『なぜそこで断定しないんだ!?』


「この世に絶対は無いからだ」


どや顔できっぱりと言いきる紫苑。


『そうかもしれないがお前の気持ちだろう!?責任感を持ってくれ!』


「責任は嫌いだ。面倒くさい」


『おい!!』


「冗談だよ、じょ~だん。そう、カリカリすんなって」


『くっ!何だか釈然としない!』


蜘蛛の抗議の視線を無視して、撤退を急かす。


「そう言う訳だから、早く撤退するぞ。撤退の理由も後で説明する」


『はぁ、わかった……』


ため息を吐くと幸せが逃げるって言うぞ?


蜘蛛に睨み付けられてしまった。

怖い、怖い。


「ご主人、危ないよ~」


その時、蜘蛛と一緒に後ろで待機していたライムから声が届く。

危機感の欠片もない声で注意換気をするライム。

うん、声がマイペース過ぎて、やっぱり危なく無さそうに感じるな。


「ガアアアァァァッ!!」


既に恐竜が起き上がっており、咆哮を上げる。

撤退には少し間に合わなかったようだ。


「ちっ、誰かさんがうるさかったせいで間に合わなかったな」


『私か!?私のせいなのか!?』


後ろでぎゃーぎゃー言ってる蜘蛛を無視して指示を出す。


「お前とライムは通路まで下がっていろ。こいつを足止めしていく」


「わかった、気を付けてね」


『切り替えが早すぎる……!』


「必ず追い付く。俺の事は気にするな」


『……?頑張れよ』


くっ!わかるやつがいないのはこんなにも苦しいのか。

まあいい。

フラグブレイクをしてみたかったからちょうどいいか。


恐竜に向き直った俺は早速魔法を使う。


「〈凍結する床(フローズンフィールド)〉」


部屋の中の床が一瞬で凍りつき、周囲の温度が下がる。

慣れない氷の床で上手く動けない様子の恐竜。

そのまま動くなよ?


「〈風圧砲ブラストカノン〉」


圧縮した空気に指向性を持たせ、思い切り恐竜にぶつけた。

発生した風圧に吹き飛ばされ、転倒して氷の床を滑る。

くるくると駒のように回っている姿はさぞ滑稽だろう。


「〈落槌の天井(フォールン・スタンプ)〉」


部屋の反対らへんまで行ったところで次の魔法を発動。

天井の一部が柱形に落ちて、恐竜の体を床と柱で挟み込む。


「ガアアアァァァ!」


剣虎の時の罠を参考にしたこの魔法は、洞窟などの特定条件下でしか使えないが、その分強い。

恐竜はもがいているが抜け出せないようだ。


「〈氷薔薇の棘蔓ブロッサム・アイスヴァイン〉」


氷の床から棘の生えた蔓が伸び、恐竜の体に巻き付くと、美しい薔薇の花を咲かせる。

これで大分時間を稼げるだろう。

押さえつけた恐竜を放置して振り返る。


「よし、逃げるか」


通路の方に戻ると蜘蛛が糸を使って巣のようなものを張っていた。

下にだけ、通れるスペースが空いている。


『これで更に足止めが出来る。3つ程張ったから大丈夫だろう』


「へぇ、やるじゃないか」


蜘蛛の糸は、同じ太さだと世界中で一番強いとの評価を聞いたことがある。

足止めには有効だろう。

くぐり抜けて蜘蛛に言うと


『これぐらい普通だ』


と言って進み始めてしまった。

照れているのだろうか?

それは良いのだがもっと重要なことがある。


「進むのはそっちじゃなくてこっちだ」


『早く言ってくれ!!』


まったく、からかいがいのあるやつだな。



――――――――――――――――――


30分程の時間を掛けて離れた場所に、新しい拠点を造った。

1人増えたから、部屋のサイズも拡張した。


3人はランチバックから出した食べ物を食べていた。

勿論、蜘蛛に渡す前に俺達が食べ物を出すことでバリエーションを増えさせた。

食べ始めて少したった頃……


「それじゃあ、そろそろ情報交換と行こうか」


『ああ、そうだな』


皿の上の乗っているステーキにかぶり付きながら蜘蛛が答える。

蜘蛛だから仕方ないとは言え、行儀が悪いな……。


「まずはあいつの事からだ。あんな恐竜がこの層には現れるのか?」


まず最初に一番の疑問をぶつけてみた。

一体で50ものモンスターを葬れる者が同一層にいるのはおかしい。


『いや、私がこの迷宮に生まれてから始めての事だ。元々この層には蟲型の魔物しかいないはずだ。いままでそれ以外の魔物を見たことがない』


そこで、はたと気付く。

70層では獣、80層では蟲。

10層毎に出現する魔物の種類が変わっているのだ。

そう考えると、あれは何かのイレギュラーだとわかる。


「そうか、わかった」


『じゃあ私の番だな。これは勿論、撤退の理由だ』


まあ、そう来るだろうな。

当たり前か。


「簡単だ。今のお前では攻撃が通らないからだ」


断言する。

これは重要だ。

攻撃さえ通らなければ、数の暴力でさえ役に立たない。

極論を言えば、疲れたら休むことが出来る。

それも敵の目の前で。

これが蜘蛛達が勝てなかった理由だろう。

蜘蛛達にとって、あいつは硬すぎるのだ。


『だが、お前が倒してくれても良かったのではないか?』


その疑問にも理由はある。

全てを言う訳ではないが。


「お前は、自分で『倒す』って言ってたじゃないか。それに、仲間の敵は自分で討ちたいだろ?」


実は少し違う。

こいつがこのまま自分で恐竜を倒さなければ、どこかで心に残り、解決することの出来ないしこりとなる。

なにせ、倒そうとしても、相手がこの世にいないのだから解決は不可能だ。


『そうなのだが……』


「心配すんな。絶対お前に勝たせるから」


『……わかった』


「勿論、私も手伝うよ」


聞きに徹していたライムが笑顔で声を掛ける。

彼女も、仲間の事で苦悩する蜘蛛を放っては置けないのだろう。

……ライムには虎の事で心配をかけてしまったからな。

状況は大きく異なるが、仲間への気持ちは自体はそう大きく異ならないはずだ。


ライムの為にも頑張ろうと思うのであった。

……蜘蛛の事もちゃんと考えてるよ?

ほんとだよ?









遂に総合PVが10万、ユニークが2万を越えました。

ありがとうございます。

もっと楽しんでいただけるようにがんばります。

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