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~クラスまるごと召喚されました~勇者で魔王なので旅に出ます!?  作者: ねむ鯛
第二章 王都 ダンジョン編 
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第27話 ライムの気持ち

第27話 ライムの気持ち



目が覚める直前の微睡み。

この瞬間は筆舌に尽くしがたいと思う。

覚醒と睡眠の波に乗り、夢とも現ともわからない世界をさまよう。

この時だけは多幸感に浸れる訳で。


そのタイミングに。


「ご主人。起きて~」


「……うぅん」


ゆっくりと目を開く。

そして……いきなり目の前に美少女の顔が覗き込んでいるというシチュエーションに驚いて、飛び起きた俺は悪くないと思う。


「うおっ!」


ゴチンと、何かがぶつかる鈍い音が周囲に響く。


「っっっ!いった~い!ひどいよ、ご主人」


「つつつ……わ、悪い」


目の前に、栗毛色の髪をポニーテールにまとめた、愛らしい顔つきの美少女が座り込んでいた。

俺のせいでぶつけたおでこを押さえて、頬を膨らませた姿に人懐こさを感じさせる。

一瞬誰だろうかと思い、先程の言葉を思い出す。


さっきご主人って言ってたけどまさかな……。

だが、俺の勘がその通りだと告げている。


「もしかして……ライムか?」


「そうだよ!気付くのが遅い!」


そんな理不尽な。


「僕って言ってたから、男だと思っていたんだけど……」


「それは、えと…産まれた時からの癖でして……」


えへへ、と照れたように小首を傾げ、頬をそのしなやかな人差し指でかく姿にドキリとしたことを誰に責められようか。

少し冷静になると重要な事に思い至る。


「お前……どうやって人の姿に成ったんだ?前から出来たのか?」


「ううん。さっき出来るようになったばっかりだよ。ぼく、進化したからね」


どう、すごいでしょ、とばかりに胸を張る彼女を微笑ましく思い、思わず頭を撫でる。

とっさに、許可も取らずに撫でても良かったのだろうかと思ったが、目を細めて嬉しそうにしているので、結果オーライだ。


「ライム、ステータスを見ても良いか?」


ライムは待ってましたとばかりに


「もちろん!ご主人だったら、ぼくのステータスはいつでも見て良いよ」


ふふふ、嬉しいこと言ってくれるじゃないか。




ステータス

ライム 暴食粘液生物グラトニースライム【人型】

レベル:1

HP :4582/4582(4470up)

MP :4211/4211(4089up)

筋力 :4375(4244up)

耐久 :4762(4559up)

魔力 :4362(4357up)

魔耐 :5002(4788up)

敏捷 :4671(4450up)

運  :80(20up)

スキル:ユニーク―暴食(new!)


     戦闘術―粘液術Lv5(1up)・酸撃Lv1(new!)


     身体術―気配察知Lv1(new!)・魔力察知Lv3(1up)・魔力操作Lv3(2up)


      耐性―衝撃耐性Lv3(2up)・酸耐性Lv1(new!)


   エクストラ―縮小・伝心・人化(new!)・擬態(new!)


 魔法:水魔法Lv3・光魔法Lv1(new!)・酸魔法Lv1(new!)


 称号:従者・堅き絆・全てを喰らうもの



え?最初のステータスは平均150らへんだったはずなのに……。

ステータスが信じられないくらい伸びている。

進化したことでステータスが大幅に上昇したのだろうか……?

運も伸びている。

進化で伸びるのなら羨ましい。

他に伸ばし方がなさそうだしな。


種族も巨大粘液生物ヒュージスライムから、暴食粘液生物グラトニースライムになっている。

スキルに『暴食』、称号に『全てを喰らうもの』、なんて言う危なそうものが増えていた。


『暴食』……あらゆる物を自身に取り入れ、己の力にする。吸収したものを放出することも出来る。一度の吸収量には限界がある。また、吸収したものを体内に留めておくことができる。


『全てを喰らうもの』……力を望むことにより、あらゆる物から力を得ることが出来るようになった者。全てを喰らい、上昇する力は際限を知らない。スキル「暴食」を得る。


どうやら暴食は吸収することで、自分を強くするスキルのようだ。

一回で吸収する量は限度が有るようだが、実質、分割して吸収すれば、能力は上昇し続ける。


大罪の名を冠するにふさわしいスキルだ。

とでも言うと思ったか!

危険じゃないか?大丈夫なのか?

ライムに悪影響は無いのだろうか。

このスキルを持っているのがライムだから安心出来るけど、他にまだ六種類あるんじゃないだろうか?

……会って見たいような、会いたく無いような。

まあ、もっと強くなってからだな。



さらに、酸に関係するスキルが増えているが、スライムだからだろうか。

スライムは敵を吸収するために溶かすって聞いたことがあるからな。


『酸撃』……生身の攻撃に酸の効果が追加される。


『酸魔法』……酸を操る魔法を行使できる。酸の効果を変化させることもできる。


……酸の効果を操れるのか。

硬い敵にも効果がありそうだな。


そして一番の目玉はこれだ。

『人化』

このスキルを覚えたから、人の姿になれるようになったのだろう。

擬態もあったが、違いが人以外の姿に化けられる事とかじゃないだろうか。


『人化』……人の姿になることができる。姿は固定される。


『擬態』……自身の姿を変える事が出来る。変化する対象について詳しく知っていないと失敗する。


つまり、ライムの今の人の姿はデフォルトなんだな。

人の姿でもかわいいなんて、さすがライムだ。


擬態は使いがってが悪そうだな。

変化したい相手の事を詳しく知って事ってなかなか無いもんな。

ほら、変化したい時って大体、忍び込んだりするときだろ。

相手の事を詳しく知っている事って少ないんじゃないか?


これで、全部か?

ライムの能力の確認は終わりだな。

確かに自慢するだけのことはあるよな。

ライムが強くなって俺も嬉しいよ。


「進化おめでとう、ライム。凄く強くなってるぞ」


「ありがとう、ご主人!これで一緒に戦えるね!」


「ん?いや、ライムは戦闘中、ポーチのなかに入っててもらう予定だ」


「え……何で……?」


「何でって、危ないじゃないか」


ライムは進化したことによって、全4000オーバーの能力を手に入れたが、ここには6000オーバーの魔物が存在しているのだ。

4000以上の差のある敵を相手にした俺が言えた義理では無いが、2000の差は大きい。

まあ、俺には身体強化と限界突破があったから、差は大きく縮められたんだけどな。

それに、ライムの傷つく姿を見たくないと思うのは、当たり前じゃないか。


「嫌だよ……!!」


そこで、ライムの押し殺したような悲痛な声が聞こえた。


「え……?」


驚いた俺はとっさにライムの方を見る。

…悲しみに彼女の顔は歪められていた。

目が、合った。

そこで俺は、またしても驚くことになる。

さっきまで笑っていたはずのライムの目の中には、悲しみ、後悔、無力感、怒り(……これは自分にだろうか?)が渦巻いていた。


「ご主人があの強い魔物と戦っているときに、ずっとポーチの中にいた。指示されたってのもあったけど、本心は怖かったから。でも、ご主人が殴られたとき、思ったんだ。ご主人を失っちゃうんじゃないかって」


ライムは言葉を切り、俺のことじっと見てきた。


「そうしたら、別のことが怖くなった。自分が襲われる事よりも、ご主人が傷ついて、居なくなることの方が怖くなった。だけど、ぼくには力が無かった」


そこで、悲しげにライムは俯いた。

その拳は固く握られている。


「助けたかった、力になりたかった。でも、今ぼくが出ていったら、ご主人の邪魔になる。足枷になる。足手まといになる。そう思って納得しようとした。でも、できなかった!いくら理由をつけてもダメだった!力の無い自分が恨めしくて、悔しくて、情けなくて。自分に怒りが沸いた。そして、全部終わった後、ご主人が倒れたときに思ったんだ」


顔を上げ俺の方を見たライム。


「力が欲しいって。ご主人を守れるだけの力でなくても良いから、せめて、側で一緒に戦えるだけの力が欲しいって。そしたらぼくは進化した。側で戦えるだけの力を得た。だから……」


ライムが決意を滲ませた瞳で俺を睨む。


「絶対に一緒に戦うんだ!!」


「………」


「………」


目を逸らそうとしない二人。

静寂がその場を支配する。

そして、


「……わかったよ。一緒に戦おう」


「……え?良いの?」


「ああ、お前の決意は伝わったからな。背中は頼んだぞ、ライム」


「やったー!ご主人大好き!」


ライムが眩しいくらいの笑顔で俺に抱きついてきた。

それはヤバイデス。

俺は煩悩を捨て去るため他の事を考える事にした。


ライムが言っていた事は最もだ。

俺が言っていた事は全て、自己中心的な独り善がりだったわけだ。

俺だって大切なやつから、「お前は弱いから守られてろ」なんて言われたら、悔しいし、悲しい。

力になりたいと思うのは当たり前だ。

そんなことに気づかなかった自分が、ひどく情けない。


感情は押し付ける物ではなく、贈る物だ。

だから、相手の為の最善を選ぶ。

自分が渡したいものだけを押し付けても、迷惑なだけ。

それを忘れてはいけない。


それに、一緒に戦っていても守ることは出来る。

俺だって強くなったのだから。




ステータス

七星 紫苑 17歳  人族

レベル:48(46up)

HP :6614/6614(5411up)

MP :7353/7353(5977up)

筋力 :6471(5232up)

耐久 :6290(5108up)

魔力 :6982(5645up)

魔耐 :5957(4845up)

敏捷 :6782(5505up)

運  :150

スキル:ユニーク-王の器・勇者の卵・魔王の卵・言語理解


     戦闘術―剣術Lv3・格闘術Lv3・魔装術Lv5(2up)


     身体術―気配察知Lv3(2up)・魔力察知Lv4・魔力操作Lv6(1up)・危機察知Lv2(1up)・罠察知Lv3(new!)・身体強化Lv3(1up)・分割思考Lv4(1up)・回避Lv1・天駆・瞬歩・限界突破


      耐性―火耐性Lv1・水耐性Lv1・風耐性Lv1・土耐性Lv1・光耐性Lv1・闇耐性Lv1


   エクストラ―上級鑑定Lv3(1up)・上級隠蔽Lv3(1up)・上級擬装Lv3(1up)・振動操作Lv3(2up)

・アイテムボックス


 魔法:火魔法Lv5(1up)・水魔法Lv6(1up)・風魔法Lv4・土魔法Lv4・光魔法Lv3・闇魔法Lv5


 称号:王の器・未熟な勇者・未熟な魔王・異世界人


レベルが大きく上がり、それ以上に能力値が上がった。

今なら虎にも楽に勝てる。

勿論、一体だけなら。

これなら、一緒にライムと戦えるし、危ないときは守れる。


……ところでここはどこなんだ?

とても小さな部屋みたいななんだけど……。

横の壁に小さな穴が空いてるだけで出口無いし、上には光〈(ライト)〉の魔法が浮かんでいる。





――――――――――――――


初のメインヒロイン登場です。

ぼくっ子スライムです。

……どうしてこうなった!?



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