第19話 攻略開始
第19話 攻略開始
「サリー、そっちに行ったぞ」
「わかりました!」
ガザルからの注意に返答するサリー。
巨大な斧を構えた彼女の方へ、角の生えたコウモリのような魔物が向かう。
角蝙蝠。
それがこの魔物の名前だ。
頭に2本の角が生えていて、人の顔くらいの大きさ。
いささか安直過ぎる名前だと思うが、それを気にしている暇はない。
俺の目の前にも3体のホーンバットがいるからだ。
早く倒してサリーの手助けに行かなくては。
3体のホーンバットが突進をしてくる。
まず1体目を右ステップで避け、2体目を左の手甲でカチ上げる。
まともに食らったコウモリはふらふらと少し進んだあと、地面に落ちた。
それを尻目に、3体目にかかる。
こいつもまた、右ステップで避けるが、通りすぎるときに振り向きながら袈裟懸けに切るおまけ付きだ。
しっかり魔装で強化しているので一撃で真っ二つになる。
放置していた最初の1体目が反転してこちらに向かってくるが、デニスの援護射撃で射抜かれ壁に張り付く。
落ちた2体目に〈氷刃〉を飛ばし、とどめを刺す
。
サリーの方に目を向けると、2体のホーンバットが地面に落ちるところだった。
今生きているのは3体だ。
さっき飛んでいったのは2体なので増えた分は倒したんだな。
そうこうしているうちにサリーがまた、1体を斧で叩き落とした。
背後から1体が迫るもデニスがしっかりと射落とす。
残りも、俺が駆け寄りながら〈氷刃〉を飛ばし倒した。
戦闘終了だ。
……あまりにも余裕そうだったから手助けが要らなかったような気もするが。
「良いぞ。やるじゃないか。今日、初めて組んだパーティーには思えんな」
離れた所で傍観していたガザルが、褒めながら近づいてくる。
「そうか?普通じゃないか?」
「いや、最低でもDランク位はあると思うぞ。それに、初戦闘だしな」
Dランクか。
比べる相手がいないからよくわからない言うのが正直な所だ。
ギルドから支給された袋に、魔石とホーンバットの角を仕舞っていく。
それにしてもほんとに解体する必要なく素材になるんだな。
実はこれ、原理はこの世界の人達でも解明出来ていないらしい。
一説には、死んだ魔物をダンジョンが吸収して再利用しようとするが、吸収しきれなかった内包魔力の強い部位が残るんだと。
ダンジョンはエコ思考なのだろうか?
そうそう、俺たちの今のステータスだ。
ついでに二人のも鑑定でのぞいてみた。
ステータス
七星 紫苑 17歳 男 人族
レベル:2(1up)
HP :1203/1203(89up)
MP :1376/1376(114up)
筋力 :1239(68up)
耐久 :1182(58up)
魔力 :1337(73up)
魔耐 :1112(65up)
敏捷 :1277(81up)
運 :150
スキル:ユニーク―王の器・勇者の卵・魔王の卵・言語理解
戦闘術―剣術Lv3(2up)・格闘術Lv3(1up)・魔装術Lv3(new!)
身体術―気配察知Lv1(new!)・魔力察知Lv4(3up)・危険察知Lv1(new!)・魔力操作Lv5(4up)・回避Lv1・身体強化Lv2(1up)・分割思考Lv3(2up)・天駆(new)・瞬歩(new)・限界突破
耐性―火耐性Lv1・水耐性Lv1・風耐性Lv1・土耐性Lv1・光耐性Lv1・闇耐性Lv1
エクストラ―上級鑑定Lv2(1up)・上級隠蔽Lv2(1up)・上級偽装Lv2(1up)・振動操作Lv1・アイテムボックス
魔法:火魔法Lv4(3up)・水魔法Lv5(4up)・風魔法Lv4(3up)・土魔法Lv4(3up)・光魔法Lv3(2up)・闇魔法Lv5(4up)
称号 :王の器・未熟な勇者・未熟な魔王・異世界人
ステータス
デニス・アゲイル 17歳 男 エルフ
レベル:42
HP :835/835
MP :892/892
筋力 :732
耐久 :615
魔力 :683
魔耐 :594
敏捷 :735
運 :30
スキル:ユニーク―森力
戦闘術―剣術Lv2・弓術Lv4・魔装術Lv1
身体術―気配察知Lv1・魔力察知Lv3・危険察知Lv1・隠密Lv3・天駆・瞬歩
能力強化―視覚強化Lv3・望遠Lv4
耐性―毒耐性Lv2
エクストラ―鑑定Lv2・隠蔽Lv1
魔法:風魔法Lv1・土魔法Lv1
称号 :森の友
ステータス
サクリア・バラン 16歳 獣人族
レベル:40
HP :965/965
MP :532/532
筋力 :834
耐久 :825
魔力 :582
魔耐 :577
敏捷 :967
運 :40
スキル:ユニーク―獣化
戦闘術―剣術Lv3・格闘術Lv3・戦斧術Lv4
身体術―気配察知Lv1・魔力察知Lv3・危険察知Lv1・身体強化Lv2・天駆・瞬歩
能力強化―嗅覚強化Lv5
耐性―毒耐性Lv2・悪臭耐性Lv3
エクストラ―鑑定Lv2
魔法:火魔法Lv1
称号:狩人
二人ともしっかり強かった。
ギルドに入りたてでこのステータスはかなり強い方だと思う。
俺?置いといていいの。
二人ともユニークスキルを持っている。
気になるので鑑定してみた。
『森力』……森の中にいるとき、木々から力を授かり全ステータスが2倍になる。更に、森から手助けを受ける。
『獣化』……己の内に住まう獣の力を解放し、その身に纏う。獣の力は個人によって異なる。長時間の使用は危険。
二人とも種族にあったユニークスキルを持っているようだ。
エルフは森の力を、獣人は獣の力を使う。
ただ、それぞれにリスクはあるようだ。
森力は場所の指定だ。
その分効果も高い。
全ステータスだから、運も上昇する。
うらやましい能力だ。
獣化は時間の制限。
これは限界突破と同じだが、こちらには時間の増加がない。
更に、具体的でない危険との記載だ。
正直、こちらの方が危ない気がする。
まあ上昇率は限界突破より多いだろうが。
獣の力と同じで、恐らく上昇率も個人で異なるのだろう。
ついでに称号も鑑定する。
『森の友』……木々と寄り添い、絆を育んだ証。「森力」を獲得する。
『狩人』……生態系の上に立つ者の証。高い能力で多くの獲物を狩ってきた。
本などでもある通り、エルフは森との繋がりが深いようだ。
サリーは恐らく狩猟で生計を立ててきたのだろう。
苦労人だな。
「よし、それでは出発するぞ」
俺達を見て問題なさそうだと判断したガザルが攻略を再開を宣言する。
ガザルは今回の攻略で手を出さないそうだ。
無論、危険になれば助けるそうだが、恐らくそうはならないと言っていた。
確かに、そこまでキツくはないので油断さえしなければ大丈夫だろう。




