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第15話 やせい の スライム が あらわれた!

第15話 やせい の スライム が あらわれた!


シオンの前にはスライムが佇んでいた。

そう、あのスライムである。

RPGではお馴染みの青いやつだ。

残念ながら頭は尖っていない。

シオンはというと、ちょうど良い所にやってきたとばかりに、魔装の試し切りにしようと意気揚々と構えていた。


そうしてスライムの頭に剣が降り下ろされる。

哀れなスライムを切り裂く……直前で刃が止まった。

スライムが何かをしたわけではない。

現れてから終始プルプル震えているだけだ。

剣を止めたのは他でもないシオン自身だった。

そのシオンも内心戸惑っていた。


何故だ……。何でこのスライムを切れないんだ……!


「キュルキュルキュ~。キュキュッ!」


そのとき、スライムがシオンに向かって鳴き声をあげた。

ピョンピョン飛び跳ねてもいる。

紫苑は思わずバッと顔を背けて思う。

やべぇ……かわいい……。


そう、なんの事はない。

シオンはこのスライムが可愛く思い、攻撃出来なくなったのだ。

スライムもスライムでシオンを攻撃していないので、シオンは自己防衛と割りきってスライムを攻撃出来ない。

このスライムが攻撃的だったら問題なく切り伏せていただろう。

いくら可愛かろうとここは異世界なのだ。自衛しなければ自分の身が危ない。

シオンもそれくらいの分別はある………はずだ。


これは倒せない……。

この状況をどうにかしようとしていると……。


《王の器に変化を確認しました。新能力が解放されました》


ん?このタイミングで能力解放か?

心を殺してこのスライムを切れる様になる能力とかだろうか?


などと考えながら能力を確認してみた。


王の器新解放能力

「魔なる者の使役」…魔物を使役(テイム)出来る様になる。使役には相手に自らの事を認めさせる必要がある。使役した魔物には『縮小』・『伝心』を与える。


「縮小」……体を小さくすることが出来る。これで大きな貴方も街にお出かけ可能に!


「伝心」……使役したものと心を通わせる事が出来る。使役者が同一ならば、同時に複数が話に参加できる。


こ、これは……。

このスライムと戦う必要が無い可能性があると言うことか!?

助かった……。


それにしてもこの能力便利だな……。

大きな魔物も街に連れていけるし、声に出さずに会話もできる。

やっぱチートなの?


考えていても仕方ない。

とりあえず今はスライムだ!

どうやったら使役テイム出来るのだろう。

使役テイム使役テイム~と念じながらスライムを見つめていると……。


《スライムが仲間になりたそうな目(?)であなたを見ている。使役(テイム)しますか? yes/no》


とシステムメッセージが流れた。

この声についてよくわからなかったので、俺はシステムメッセージと呼ぶことにした。

システムっぽいしな。

しかし危ない。仲間になるするかを聞いてくる文句がとても危ない。

とあるRPGにそっくりである。

この世界の神様が知っているのだろうか。

シェリーが知ってるのかな?

それとも他にも神がいるのか?


いや、それより今は、スライムだ!


というか、さっきまでの行動は仲間になりたいが為だったのか…。

いいぜ!仲間になってもらおうじゃないか!


勿論俺が選ぶのは《yes》だ!

すると、俺の体から光が目の前のスライムに向かって流れて行った。

光がスライムを包み込み……やがてスライムの体に吸い込まれて行った。


《スライムの使役(テイム)に成功しました。このまま王の器の能力『絆の干渉』を使用して絆の繋がりを創りますか?yes/no》


おぉ、やった!

使役テイムが成功した。

更に絆の干渉でスライムと繋がりを創れるらしい。

このスライムは俺が使役テイムしているから絆の干渉を使っても大丈夫だろう。

スライムを強化出来るし。


《Yes》!


《主の『絆の干渉』の使用の許可を確認しました。……対象からの了承を確認。『絆』の構築に移行します》


そうだった。絆の干渉は相手の許可を得られないと使えないんだったな。

どうやらスライムは承認してくれたらしい。

ここで、きゃーキモーいとばかりに断られていたら、心が折れていたかも……。

割と本気マジで。

そうこうしているとシステムメッセージさんが進行状況を伝えてきた。


《……………「絆」の構築を確認しました。これにて構築シークエンスを終了致します》


終わったか。

ん~、別に俺に変化は無いな……。


『ご主人!ご主人!私を仲間にしてくれてありがとう!』


いきなり透き通った水のような思念が頭のなかに流れた。

周囲を見渡しても、近くにいるのはライムだけだ。

つまり……


「今の……お前なのか?」




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