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第14話 初めてのお外

第14話 初めてのお外



四日目


魔力を足の裏に集めて……地面を蹴る!


瞬歩!


《熟練度が一定に達しました。「瞬歩Lv-」を獲得しました。》


よし!成功。

俺の体は一瞬で数十メートルを移動する。


俺達は今、MPを使用するスキルの訓練をしていた。

ふう、以外と難しかったな。


訓練を開始してからもうすぐ、1時間ほどだ。


サリーとデニスも横で練習をしている。

二人ももうすぐできそうだな……。


拙いながらも二人に教えたりして、それから15分程で修得できた。


「お前ら早いな……普通だったら瞬歩だけに集中して、丸一日かかるってのに」


「そうか?普通じゃないのか?」


俺は、難し過ぎると言う事でも無かったので聞き返した。

こう言っては何だが、その人が下手だったのでは無いだろうか。

俺は王の器の補助が有るとしても、二人も出来ているからな。

いや、これは二人がすごいのか?


「いや、十分早い。……これは将来が楽しみだな」


ふ~ん。最後の方はボソボソ言ってて聞こえなかったけど褒められたのは素直にうれしい。ハッ!?これが噂の褒めて伸ばす戦法か!?

まあ、いいや。

次だ、次。

天駆と言って空を走ることのできるスキルだ。


天躯の訓練も程なくして終わり、昼食に移った。

空中での姿勢制御が、難しかったとだけ言っておこう。


「いや~順調だよね、僕たち」


ギルドの食堂で昼飯にしていたら、デニスが嬉しそうに言った。


「そうですね。心なしか普段より体が軽い気もしますし」


へー。そうなのか。

……これって別俺が関係してるわけじゃないよね?

そんなスキルは無かったし。

……害は無いし良いか。


「シオン。僕とサリーはこの訓練が終わったら、パーティーを組んでみようと思うんだけどどうかな?」


「シオンもいっしょに冒険者やりませんか?」


そうだな……。

非常に魅力的な提案だが、俺は少ししたらここを離れるつもりだ。

でも、それまでだったら臨時ということでパーティーを組んでも良いか?


「俺は少ししたら王都を離れて旅をするつもりだ。それまでで良いのなら是非ともパーティーを組みたい」


さすがにワガママすぎるな……。


「うん、それでも良いよ。出来ればずっとパーティーを組んでいたいけど、冒険者は自由だからね」


「そうですね。ずっとパーティーを組めないのは少し残念ですが、少しの間でも十分心強いです」


断られるだろうなと考えていたのだが反応は悪くなかった。

二人の優しさが心に染みる。

ありがとう!


「解った。そう言ってくれると嬉しい。よろしく頼むよ」


こうして、訓練後にパーティーを組むことに成った。

三人で冒険者するのが楽しみだな。




–––––––––––––––––––––––––––


うひょーう!


今俺はめちゃくちゃテンションが高い。

ふっふっふ、理由?理由か。

それはここが王都の外だからだ。

はじめての外。

それは、昼食後にガザルが言った言葉が原因だった。


「魔装ってスキルの訓練を行うんだが、これが危なくてな。初心者は訓練場でやらせられねぇんだ。だから王都から出た所の草原で訓練をする。なに、お前たちなら草原の魔物位なら楽勝だ。俺も着いていくしな。大丈夫だろう」


門はギルドカードで即パス。

と言うわけで俺たちは今王都から出て少しのところで訓練を始める。


「魔装は実際、簡単だ。瞬歩と天躯が出来たお前らならな。ギルドの訓練場が使えないのは、昔制御に失敗した奴がいて周りを巻き込んで怪我人が出たからだ。万全を期して、初心者は中で練習出来ない様になっている。全ギルド共通のルートだからな」


へー、まあ冒険者は体が資本の商売なのに動けなくなるのはイコール稼げないって事だしな。

しかも、怪我したのが外でじゃなく安全な街の中でということも同情を誘う。南無。


「とりあえず練習を始めるぞ。魔装はお前たちにとっては最早簡単だ。瞬歩や天躯の様に、剣に魔力を纏わせるだけだ。そうすればこんな剣でも……」


そう言うと、ガザルは刃を潰した練習様の剣を持って近くにあった岩に歩み寄った。

ゆったりとガザルは剣を構える。

すると剣の周囲の空間が揺らめく。

炎か……?いや、魔力か。

剣が魔力を纏っているのだ。


「凄い……」


横でサリーが息を呑んだ。

デニスは言葉も無いようだ。

確かにあれは凄い。

剣の周りの魔力は完璧に制御されているように見える。

魔力が揺れている様に見えるが実は空間が歪んで見えるだけで、周りへの魔力漏れも全く無い。

そのまま斜めに剣を振るう。

すると、ドスン!と岩が剣筋に沿って滑り落ち、砂埃を上げる。


「ふう……。とまあこんな風に岩もバターみたいに切れる」


額の汗を拭いながら言った。

恐らく集中していたのだろう。軽い疲労が見て取れた。


「じゃあやってみろ。周りは俺が見張ってる。魔物が出たら試し切りでもしたら良い」


よし、やりましょーか。

とりあえず剣に魔力を流してみる。

物に魔力を流すって出来るんだろうか。

うん、成功した。

やってみたらすんなり成功した。

俺も原理はよくわからん。

なんか吸い込まれる感じだった。


次は刃の部分から魔力を出してみる。

刃から大量の魔力が噴き出した。

うおっ!?

慌てて魔力の流れを止める。

危なかった。

あのままだったらまた、大量の魔力を一気に消費して魔力枯渇状態まっしぐらだったな。

もうガザルの説教は勘弁して欲しい。


今度は失敗しないように、魔力を留めることを意識してみる。

剣に纏わせる事は成功したのでそのまま岩を切りつけるがカンッと、こ気味良い音を出して剣が弾かれた。

失敗か。


《熟練度が一定に達しました。『魔装Lv1』を獲得しました》


ん?これで成功なのか?


「おお!スゲェじゃねえか。それで魔装は成功だ。ただし、それだとただ凄ぇ硬いだけの剣だ。俺のはちょっと魔力を弄ってあるんだよ」


そう言って自慢げにニヤニヤしてやがる。

なんか腹立つな……。いいぜ、絶対成功させてやる。

去って行くガザルの背中に凄惨な笑みを浮かべて決意した。


そらから一時間程試していたらピコンと閃いた。

ウォーターカッターとチェーンソーの合わせ技だ。

剣に流した魔力を圧縮して、刃の部分だけ、魔力を高速で循環回転させる。

柄の部分まで回したら俺の手が切れるからね。

流石俺。


よし、試し切りを……。

成功かどうかを確かめようとしたその時視界の端に何かが飛び出してきた。


視線を向けると、青くてプルプルした物体を発見。

こ、これは!?



スライム が とびだして きた!


シオン は どうする?


––––––––––––––––––––––––––

そろそろ冬休みが終わりなので、更新が遅れます。

すみません。

2日に1回更新ぐらいを目指しますが、某狩猟RPGのせいで遅れるかもしれません。

どうかこれからもお付き合い下さい。


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