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第11話 魔法とイメージ

第11話 魔法とイメージ


三日目


全員の集合を確認したあと、グループに別れた。

我らが技術グループのガザルは、


「お前は魔法の練習だ。あっちに耐魔の力を施した的がある。魔法での攻撃ならちょっとやそっとじゃ壊れないから、心置きなく力試しをしてくれ。こっちの二人の魔力操作のレベルが上がったら一緒にスキルを教えてやる。二度手間は御免だからな」


とそう言って二人の魔力操作の訓練を始めた。

……あれ?これってグループ活動だよな?

なのに俺、一人が多いな。

何か寂しい。

あれ、目からしょっぱい汁が……いや別に出ないけども。


◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇


魔法訓練の場所はアーチェリーの施設みたいだった。

自分のいる場所から的までは、なかなか距離がある。

更に横の練習スペースとは仕切られていて、個室として使えるようだ。

魔法を見られたくないとかそんな理由からか?

冒険者の技術はそれこそ生死を左右するって言われている。

秘匿したくなるのも解るかもな。


俺も目立ちたくないからちょうど良い。

闇魔法と光魔法って珍しそうなイメージじゃん?

二つの魔法に対する一般的な評価の情報を手に入れるまで、外で使わない方が良さそうだと思うんだよ。

取り合えずそれは後で調べるとしても、魔法を近接戦闘中にも使えるようになるのが理想だから頑張らないとな。

魔法剣士って何かわくわくするよな?

え、しない?……そんなこと言うなって。


まずは昨日のおさらいから。

集中して体の中を巡っている魔力を探し出す。

そのまま血流と共に体内を循環させる。

体が淡い光に包まれ、体が軽くなるのを実感。

とはいえ、ここは狭いので激しく動くことは出来ない。

魔法を打つ施設なのだから、ここは。


《熟練度が一定に達しました。『魔力察知Lv1』が『魔力察知Lv2』になりました。》


おっ、幸先が良いな。


身体強化を切って掌に炎を出す。


「〈ファイア〉」


よし!上手くいった。

他の属性でも試してみる。


「〈ウォータ〉・〈ウィンド〉・〈クレイ〉・〈ライト〉・〈ダーク〉」


属性に対応する全ての魔法を成功させることが出来た。

実はスキルってのは、出来るようになって始めて現れる物らしい。

逆に言えばスキルがあるなら使えて当たり前なんだとか。


唯一光ライトには少し手間取ったが他は概ね順調だ。

なぜ、ライトだけなのだろうか。

適性の問題なのだろうか。

それとも他に原因が……?

残念ながら情報が少なく、考えても解らないので放置する事にした。

今は力を着けることが一番の目標だ。

考えることなら後でも出来る。


ガザルが言っていたのだが、魔法を発動するとき名前を付けて発動すると、イメージの補完により使いやすくなるのは本当のようだ。


次は的に当ててみるか。


火球ファイアボール


掌の炎を圧縮して球体にするイメージ。

成功だ。

このまま発射して……。

的に向かって飛んでいくイメージ。


いけっ!


ふらふらと空中を進みながら地面に落ちた。

失敗だ。もう一度。


……何回も試して、なんとか的に当たるようにはなったが速度が遅すぎる。

これだと小学生でも避けられるんじゃないだろうか。


うーん、発射、発射、発射……。

そこで俺は閃いた。

飛ばすんじゃなく、打ち出すんだ。


火球ファイアボール


腕を大砲に見立ててイメージ。

そのまま砲弾のように打ち出す!

火球は段違いの速さで的に迫る、が横にそれて外れてしまった。

その後、何度も打つが半分は外れてしまう。

命中率半分だなんてギャンブルより酷い。

これでは実戦に使えない。


そこで俺はまたしても閃いた。

的を標的として捕捉。

戦闘機のロックオン装置をイメージ。

そのまま砲弾のように打ち出す!


火球は高速で飛来し、寸分違わず的に当たった。

やった!成功だ!


もう1つ、気配を使っての生き物の目標を捕捉する方法もある。

これは生き物じゃない的からできないが、実戦では気配察知と併用する事で更に命中率も上がるだろう。

我ながらロックオンと砲弾のイメージはすばらしいと思う。

え、そんなことない?誰でも出来るって?

……そんなこと言うなって。


そのまま俺は練習を続けた。

他の属性、他の形でも試した。

球体は、火・水・土は作り易かったが、風・光・闇は作りづらい。

属性によって、形の得て不得手が有るのだろうか。


槍と壁の形も作ってみた。

槍は、風以外の全属性。

先端に魔力を集中すると威力が上がる。

特に闇が強かった。

的を貫通してしまったのだ。

ヤバいと思って報告した時、ガザルは驚きを越えて呆れていた。

その時に闇属性のことがガザルにバレてしまった。

闇属性の魔法が使えることは極力ばらすなとも言われた。


闇は魔族がよく使う属性で、人も使えるがあまり好まれていないようだ。

やっぱ、隠しといた方が良いんだな。

ガザルにはホントに頭が下がる。

絶対、教えてやらないけど。


壁は風・土・光。

光は透明な結界の様になって現れた。

もう、壁っていうか障壁って感じだな。

あと、水は氷をイメージして、作ったら成功した。

要研究だな。


昼飯の時二人に、もうすぐ魔力操作を覚えることが出来そうだと言われた。

このペースなら明日には魔力を使ったスキルを教えて貰えそうだな。


少し雑談を挟んで、昼飯を食べ終えた俺達は再び訓練場に降りて行った。


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