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第9話 訓練開始

第9話 訓練開始


2日目



「訓練を受けに来たんだけど……どうしたら良いのかな?」


「はい、冒険者の初心者講習ですね?後、一時間後に講習が始まるので訓練場に降りて下さい」


「解った。ありがとう」


「いえ、どういたしまして。頑張ってくださいね」


敬語は完全に止めた。

あんなこと言われたし、絶対に使わん。


「時間あるし……朝飯でも食いながら、ステータスの確認でもするか」


昨日の戦闘中にシステムメッセージっぽいのが聞こえていた気がしたんだが、帰ってすぐ寝たので確認してなかった。

限界突破が予想以上にきつかったせいだ。

城に帰るまで体が重くてしょうがなかった。

時間いっぱいまで使って無いのに、あの疲労度とはどういうことだろう。反動を軽く見ていたようだ。

使い切ったときが恐ろしい。


飯が運ばれて来たので食事とステータスの確認に移る。

今日の朝飯はパン・ベーコン・スクランブルエッグ・何かのスープだ。

素材は気にしないことにした。

ここは異世界だし変なものが入っているかもしれない。

こういう場合は気にしない方が楽だ。


ステータス

七星 紫苑 17歳 男 人族

レベル:1

HP :1114/1114

MP :1262/1262

筋力 :1171

耐久 :1124

魔力 :1264

魔耐 :1057

敏捷 :1196

 運 :150

スキル:ユニークー王の器(新能力解放!)・勇者の卵・魔王の卵・言語理解


     戦闘術ー剣術Lv2(1up)・格闘術Lv2


     身体術ー魔力察知Lv1・危険察知Lv1(new!)・魔力操作Lv1


・限界突破Lv-


      耐性ー火耐性Lv1・水耐性Lv1・風耐性Lv1・土耐性Lv1・光耐性Lv1・闇耐性Lv1


   エクストラー上級鑑定Lv1・上級隠蔽Lv1・上級偽装Lv1・アイテムボックスLv-・振動操作Lv1・回避Lv1


称号 :王の器・未熟な勇者・未熟な魔王・異世界人


スキルが2つ増え、1つのレベルが上がった。

更に王の器の能力が解放されたな。


「危険察知」…直感的に危険を感じることができる。


「回避」…攻撃を避けるときに成功する確率を上げる。


王の器解放能力

「勝利への渇望」…スキルの熟練度蓄積率が上昇する。特に戦闘中に効果が高まり、勝利するための力を得ることがある。


こんな感じだ。

王の器の新機能・勝利への渇望が嬉しい。

これでスキルの獲得速度と強化速度が上がるな。

危険察知と回避を戦闘中に覚えたのは、この機能の影響だと思う。

危険察知は身を守るために重宝するな。

あと、回避が地味にチート。

このスキルは回避時の確率を操作するようだ。

効果の程は知らないがこれも使えると思いたい。


「ん……そろそろか」


もう1時間経つ頃なので、訓練場に降りる。

さて、どんな訓練なのやら。


――――――――――――――――――――


訓練場には十七人の冒険者と、ガザルに二人のギルド職員らしき人がいた。

俺の後に二人来て、計二十人か。


「さて、諸君は昨日俺と手合わせしてもらった。それは諸君らの実力を計るためだ。その結果によって3つのグループに分けた。1つ目が体を鍛える訓練。基礎だな。2つ目が精神を鍛える訓練。心が折れたらそこで終わりだ。3つ目が技術の訓練だ。生き残る術を覚えて貰う。んじゃ、グループを発表するぞ」


基礎グループに十三人、精神グループに四人、技術グループに三人だ。

基礎と精神にはギルド職員が付き、技術にはガザルが付いた。

ギルド職員って言っても、元冒険者って感じの人達だ。

俺は技術グループだった。


「まずお前らは能力が一定に以上で、俺との戦闘で諦めなかった。よって技術の訓練を受ける資格を持っていると判断した」


ガザルが真面目な表情で宣っている。

何か調子狂うな……。


「そこ!何か失礼なこと考えてるだろう」


鋭い!流石だな。


「そんなこと無いぜ?光栄だなーって考えてた所だ」


「……まあいい、取り敢えずお前らには察知系のスキルを覚えてもらう。これが有るだけで生存率が段違いだ。覚えてたら、今教えろ」


俺は魔力察知と危険察知を覚えていると伝えたが、他の二人は覚えていなかった。


「すごいですね!2つも覚えているなんて。あっ、私の名前はサクリア・バランって言います。サリーって呼んでください」


「僕はデニス・アゲイルって言うんだ。デニスって呼んでほしいな」


「解った。俺はシオン・ナナホシだ。シオンとでも呼んでくれ」


最初のサリーはサファイアのように透き通る青い髪に、これまたサファイアのようなスカイブルーの瞳の美少女だ。

スッと通った鼻梁にふっくらとした唇。

開かれた大きな目。

快活な印象を訴えてくる。

歳は16歳ほどだが小ぶりながらも出るところは出て、引っ込む所は引っ込んでる。

成長の余地を伺わせるな。


デニスはエメラルド色をした髪の好青年だ。

瞳はエメラルドよりも濃い深い緑色で高い知性を称えている。

顔は寸番違わずイケメンだ。

チクショウ!

高い鼻に、おっとりとした目付き。

優男って感じか?

これで嫌みな奴だったらぶん殴ってやるのに。


そして驚くことに二人は人族では無かった。


サリーは狼の獣人族だそうだ。

頭の上から可愛らしい耳が見える。

……撫でてみたいな。

勿論尻尾もある。

ふさふさである。


デニスはエルフだ。

耳が尖っているのがわかる。

体もほっそりとしてまさにエルフって感じだな。

体つき的には接近戦には向いていない。


この世界には、人・獣人・ドワーフ・エルフ・精霊・魔族がいるらしい。

それぞれ固有の領土を持っているが、精霊だけは別。

精霊は自由気ままでそれぞれ移動し続けているんだと。


種族間の交流も少なからず有り、他の種族の領土に渡る者も多いそうだ。

ただ、魔族領は魔物の力が強く、基本的には少ないらしいが交流もある。

それも少し前までで、今は行くものはほとんどいない。

全種族と戦争中らしいからな。

魔族が攻撃しているのは精霊を除いた全種族だ。これは精霊が特定の領土などを持たないためまとまった攻撃を仕掛けにくいかららしい。

しかも攻撃を受けている全種族が反撃をできていないそうだ。

反撃出来ないのは魔族領のさっき言ったように魔物が強すぎるため。

軍隊を編成して魔族領に入ると、魔族と戦う以前に魔物に兵士が瞬殺されるため、攻め込めない。

少数精鋭で攻めても、その少数を上回る程度の精鋭が存在しているので返り討ち。

まさに天然の防御というやつだ。……割と詰んでね?

魔族強い。



自己紹介が終わったところで、グループでそれぞれの場所に別れて訓練を開始する。

俺達の最初は気配察知の訓練になった。


「よし!それでは訓練を始める」

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