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第99話 開き直ったけど……


限界突破を使った俺は瞬歩も使い全力でガザルの後ろに回り込んだ。


「〈寒波フリージオ〉!!」


剣に魔力を流しなぎ払い前方が扇状に凍り付けにする。

ガザルはと言えば剣自体は避けたものの氷は予想できていなかったのか、片足が凍り付いている。


「次から次へと別の技を……!!」


「当たり前だろ、対処されるとわかってて同じ技使うかよ!」


唸るように言ったガザルにそう返す。

格上相手にはわからん殺しか初見殺しに限る。


「まだまだ!〈氷壁アイスウォール〉からの〈ボックス〉!!」


足にまとわりついた氷を崩す一瞬を突く!

〈氷壁〉を作り、〈匣〉にして捕まえる。


「ぬ、これは!!」


「〈凍結の処女(フリーズメイデン)〉!!」


捕らえられた氷の中で数多の氷槍が咲き乱れる。逃げられない密閉空間の中、全方位からの串刺しだ。

これで……!!


「ぬうん……!!」


ガザルが入っていた氷が突如四方に爆散した。

流石に今回は無傷とは行かなかったのか、腕や足など肌の見えるところは赤みがかっている。

だが血ではなくあくまで打撲痕のようなものだ。被害はそれだけ。


「はは、嘘だろ」


今のは完璧なタイミングだった。完全に決まった。それでこの程度のダメージ。

剣虎スパーダ・タイガーと初めて会った時もここまでの差は感じなかったぞ。

どんだけ強いんだよこいつ……!!


「どうした、接近戦はしないのか」


「うっせ、剣でお前にダメージが通りそうにないんだよ」


「魔装はどうした」


「だから使えないんだって」


「なに……?ああ、なるほど。強制変換型か」


「そうだよちくしょう」


俺が今使っている剣、夜断頭・氷華(やだんとう・ひょうか)

迷宮内で拾ったこいつは上層階で拾ったおかげかとんでもない性能だった。

こいつは名前から予想できように闇系と水系、特に氷の魔法を無償で強化してくれる効果が付いていた。

更に切れ味は抜群。そこら辺の岩ならバターのように切り裂ける。

そして魔力を剣に流すと氷として顕現するのだ。

フィラムに教えた属性魔装は、魔装の上から魔法をまとわせるという二段構えの構造になっている。なぜそんな二度手間な事をしているかと言えば武器が持たないからだ。

だがこいつはそんな制約なく氷の魔法を宿すことができる。

ところがメリットだけでなくデメリットも付いてきた。剣に魔力を流すと問答無用で氷に変換するのだ。


氷の属性魔装は強い。切りつければ凍り付いて動きを阻害する上に、冷気で体力も奪う。

だが単純な切断力で言えば、ただの魔装の方が高いのだ。


詰まるところ、こいつでは今のガザルには有効打にならない。

一応予備の剣はアイテムボックス入れてあるが、今全力で使えば数回振るえば砕けるだろう。

別に俺が買った剣がなまくらなわけではない。こいつが強いだけだ。


後は素手で殴るくらいか?拳は届かないだろうが振動ならあるいは……。

……いや待てよ、あれなら……!!


「どうした。なんか考えついたか?」


俺の表情が変わったことに気がついたのか、ガザルが片方の眉を上げた。

それに対して紫苑はニヤリと笑うことで返した。


「ああ、お前を剣で切り裂く方法を思いついた」




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