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第98話 投げ捨てて

おひさです。メッチャ短い冬休みに入りました。

毎日更新頑張ります(予定は未定)。


後ろから迫る岩の手のひらから、叩き潰されないように逃げ続ける。

ドゴン!ドゴン!と叩きつけられる手は、虫のように俺を潰せるだろう。

俺はハエじゃねえんだぞ!


「どうした、楽しくなさそうだなシオン」


「馬鹿野郎!これをどう楽しめって言うんだよ!明日出てくんだぞ!?怪我して出られませんでした、なんてことになったら恥ずかしくて死ねるわ!!」


「はっはっは」


「聞けよ!?」


……クッソォこいつマジでやめる気ねえな。

こうなったらホントに加減なしで行く。


「〈黒威の波動(ダークブラスト)〉!!」


魔法で作り出された闇の奔流が巨大な岩の手を削り取り、石くずへと変えていく。

喜んだのもつかの間、すぐさま別の手が作り上げられる。


「本体をたたかないと無意味か」


「よそ見してて大丈夫か?」


「ッ!!チィ」


本体を叩く?それができれば苦労しない。

襲いかかる岩の手は地面から生えているため、ガザル自体はフリーだ。そのフリーの本体が嬉々として突撃してくる上に、一筋縄じゃあ行かない強さ。

しかもガザルに集中しようとすれば岩の手が、岩の手を壊そうとすればガザルがその隙を突こうとしてくる。やっとの思いで手を壊せても、大して時間を置かずに復活してくる。

これでまだガザルには余裕があるのだからこちらとしてはたまったものじゃない。


「〈水衝弾ウォータースプラッシュ〉!!」


なぎ払われた大剣を受け流しつつ、バックステップで距離を取る。

そこからガザルに向けてやたらめったらに水をまき散らしていく。


「どうした!自棄になったか!」


「さあな!」


どれ一つとして当たらない。この程度じゃ足止めにもならないか。

横から迫ってきていた手を避けると、目の前にガザルが居た。


「そらっ!」


――ガキィィィィン


バットのように振り上げられた巨剣を咄嗟に自らの剣で防ぐが勢いを殺すことはできずに吹き飛ばされた。

――チャンス!!


吹っ飛びながらニヤリと笑って魔法を使う。


「〈放電ブリッツクリーク〉!!」


幾筋にも別れた雷が泥となった地面を嘗める。


「ぐおッ!!?」


そして泥の中に立っていたガザルも然り。電撃の餌食となった。

電気を喰らえば体は硬直する。


――たたみかける!!


「〈蒼炎の竜巻(ブレイズトルネード)〉!!おまけの〈蒼炎の槍(ブレイズランス)〉×8!!」


魔力マシマシ、振動エネルギーマシマシの全力の魔法だ。

流石のガザルも避けることはかなわず炎に飲み込まれた。

周囲の水が一瞬で乾ききり、こちらにまで熱が伝わってくるほど。

これで無傷だったら人間じゃないが……。

流石にそんなことはないだろう。逆に死んでないか心配なくらいだ。


炎が収まると巨大な岩の腕が二本絡みつくように佇んでいた。

絡まっていた腕がほどけていくと……


「うそん」


――無傷のガザルがいた。頭から角を生やして。


なるほど、事実人間じゃなかった訳か……。ふざけんな!!

角を生やしたガザルはまるで鎧のようなオーラをその身にまとっていた。

しかもとてつもなく硬そう。


「今のはかなり危なかった」


そう言って首をならしたガザルは言外に余裕だと俺に言っているようだった。


――このままだと俺は負ける。


そう思った。そう思うと凄く腹が立った。腹が立って仕方がなかった。


――もういい。


明日がどうとかそんなの――ドブにでも捨ててやる!!


――限界突破


「第2ラウンドと行こうか、ガザル……!!」


後先の考えなんて投げ捨てた。


作者が思ってたよりガザルが強かった件。

別に迷宮探索中に「あっ、ガザルに罠探知付けてない。どないしよ。……よし、実は隠していた体にしよ」なんて理由じゃありませんからね。ホントですよ。

嘘じゃないよ。

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