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夏祭りの孤独

今日、実際に夏祭りがあって、これを書きました。

ちょっと、実体験が織り交ざった話なので、共感してくれたらうれしいです。

今日、夏祭りがあった。私は好きな先輩とたくさん話ができて本当にいい日だなと思った。

そう、思って帰ればよかったと今とても後悔している。


「先輩、今日、一緒に帰りませんか?」


私は、勇気を出してそう、質問した。答えは・・・「NO」

仕方はなかったが、ちょっと悲しかった。でも、またチャンスは来ると思った。

断られてから数分後、私は最悪なものをみてしまった。


「せ、先輩。その人、誰ですか?」


先輩の隣に女の人が立っている。先輩に兄弟はいないから姉や妹ではない。

そして、何より手を繋いでる。きっと、女の人は先輩の・・・


「あーコイツ?俺の彼女。俺と同じクラスなんだけど見たことない?」


「!」


分かってはいたが、核心を言われるとやはりキツイ。

こんなとこで泣いてはいけないのに、振られたという気持ちで心が沈む。


「ホントはさ、さっき一緒に帰っても良かったけど

 今日はコイツと帰るんだ。今度なんかで埋め合わせしてやるよ。」


「彼女の目の前でそんなこと言っちゃダメですよ、先輩。 

 彼女大事にしないと、どっか逃げちゃいますよ。」


ちょっとした皮肉。今出せる最大の言葉。

本当はいなくなってしまってくれたらどんなにうれしいかと思う。


「大丈夫だって。俺はコイツが大好きだから一生逃がす気ねえよ。」


追い討ち。もう、だめだ私。もう、泣く。


「そう、ですか。じゃあ、末永くお幸せに。」


いえた。顔を正面に。先輩の顔を向いて。

泣きながらでも、私は最後には祝福できるのかもしれない。

確かに、私は・・・先輩の恋人にはなりたい。

あの女の人がいるのが嫌だ。あの場所に私がいたい。

でも、先輩の女の人を見る、いとおしいものを見る顔を見たら私はないもいえない。

そこにつけいる隙はどこにもない。


夏祭り。私はこの日を人生で幸福と不幸を神が運んでくるものだと思ってしまった。

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― 新着の感想 ―
[一言] 心に滲みる短編です。 夏祭り、楽しいにぎやかや空間の中の残酷な真実、祭りとは神を祀る神事であり、神様もはめをはずしていたずらしちゃったりします。 だから最後の文章に肝銘してしまいました。 …
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