3章:暴れる炎
強い日差しが照りつく真夏日。
シェルは15歳になった中学3年生。
今日は、シェルにとって中学校最後の総体。シェルはサッカー部の代表として緑のフィールドに足を運んだ。
そして、いくつか秒読みが刻まれ、試合開始のホイッスルが鳴った。
試合は白熱した展開を迎え、同点のまま前半、後半が終了し、試合はPK戦で勝敗を決めることに。
そして、シェルがシュートをする順番が来た。
このシュートが決まるかどうかで、勝敗が決まる。つまり、シェルがシュートを決めれば二回戦進出。外せば、シェル達3年生は引退。
シェルには、物凄いプレッシャーがかかっていた。 シェルは深呼吸して、ボールを蹴った。
シェルが蹴ったボールは、相手キーパーの読んだ方向と逆方向に蹴った。
しかし、ボールはゴールには入らず、外してしまった。
この瞬間、シェル達の引退が決まった。
シェルは、その場で倒れこみ、泣き崩れた。
こうして、シェルの中学校でのサッカー人生は幕を閉じた。
数週間後、シェルは自分の部屋で受験勉強をしている真っ最中だった。
身の回りにあるものを、変えたい物に変えれる力を手に入れてから、シェルは変えたい放題変えていた。 例えば、ボロボロのサッカーボールを新品のサッカーボールに変えたり、古くなった椅子を座り心地の良い椅子に変えたりしていた。
月日は流れ、9ヵ月後。
進路も決まり、無事卒業することが出来たシェルは使える魔法を使いながら、遊んでいた。
ある時、日が暮れてきたのでシェルはジュースを買って家に帰ろうとした。
帰る途中、シェルの前方から人が悪そうな大人が5、6人ぐらいが固まってシェルとすれ違った。
すると、運が悪いことに、大人たちに声を掛けられてしまった。
「ちょっと来い」
そう言われるとシェルは人の気配がない路地裏に連れ出されてしまった。
「金出せっ!」
シェルは大人たちに恐喝されてしまった。
シェルは
「イヤだ!」
と勇ましく断った。
次の瞬間、大人たちは一斉にシェルに殴り掛かった。
しかし、今のシェルには絶対に勝てるわけがなかった。
まずシェルは、襲ってくる大人たちに対して、指で銃の形を作り、
「バン」
と口ずさんだ。
次の瞬間、シェルの指から勢い良く出た火の粉が数発大人たちに放たれた。 乱射された火の粉が大人たちの服を徐々に燃やしはじめた。
大人たちは、自力で火を消し、恐い顔をしながら逃げていった。
シェルは、ポケットに手を入れながら路地裏を後にして、こう呟いた。
「愚かな連中だぜ。」
こうして、シェルは何もなかったかの様にして家に帰った。
家に帰ったシェルは自分にこう言った。
「この魔法の力があれば恐れることなんか何もない。」
そういってシェルは家に帰り、まだ自分に隠された力が存在するのではないかと思い、あらゆる動作を行なった。
一週間後、新しく魔珂不思議な力を発見した。
それは、写真や絵本に写っている様々な物を現実に出現させるという力だった。
しかも、生き物には、生命やキャラクターとしての魂までもが、自動的に宿ってるとのこと。
これは、いわばまさに、『召喚魔法』と名付けるべき力だった。
さらに一週間後、シェルはまた新しい力を手に入れた。
物や人。さらには人以外の生き物を他の送りたい場所へ瞬間移動させる力だった。
シェルは、もはや人間ではなく、魔法使いとして生きていくだろう。