王様クラブ
『王様クラブ。』
王様クラブ?怪しい怪しすぎる名前だ。
そんな怪しい看板に誘われて店の中に入っていった、入ると中にはタキシードに身を包んだ男性が迎えてくれた。
タキシードの男
「当店では店にふさわしい服装に着替えていただきます、さあどうぞこちらへ。」
私は、ただのサラリーマン目立たない男だ、人生一度くらいは王様気分を味わうのも悪くないだろう。
タキシードの男
「こちらです、着替えましたら21番の部屋に行ってください。」
着替え室、カーテンで区切られているだけのよく、洋服店にあるような試着室のような所に案内された。
サラリーマンの男
「王冠やマント、そして杖なんとも王様らしいじゃないか。」
そうそうに着替えをすませ21番の部屋へ、部屋に入ると、王室を思わせるような豪華なイス、大理石の床、誰かは知らないがすばらしい絵画、台座の隣にはメイドらしき女性の姿があった。
メイド
「国王様、お待ちしておりました、台座にお座りください。」
サラリーマンの男
「では、失礼して。」
メイド
「なんなりと、お申し付けください。」
サラリーマンの男
「なんなりとって、豪華な食事とか?料金は大丈夫なのかな、心配だ…。」
メイド
「これが当店のメニューになっております」
メイドがメニューを見せてくれた。
サラリーマンの男
「ふむふむ、マッサージ、豪華な食事、メイドとゲーム、刺客?スパイ?」
よくわからないが、とりあえずマッサージを注文した。
白衣に着替えたメイドさんが、やさしくマッサージしてくれた。
サラリーマンの男
「気持ち良かったよ。」
メイド
「そう言ってくれるとうれしいです、マッサージの間、誰かに見られていたような気がするんです。」
サラリーマンの男
「誰かに?見られていた?」
メイド
「もしかすると、スパイかもしれません!王様、もしかして狙われているのでは?」
サラリーマンの男
「狙われているって、誰に?」
狙われるような覚えもないし、何者なんだ?
サラリーマンの男
「食事にしましょう、豪華な食事をお願いします。」
小さな小男が食事を運んできた、豚の丸焼きや、他では食べられないような豪勢な食事である、料金が心配だ。
小男
「どうぞ、召し上がりください。」
サラリーマンの男
「あの料金は…大丈夫なんでしょうか?」
小男
「国王様は、すばらしい人です。この国をすばらしい国にしようと一生懸命ではないですか、国王様が豪華な食事を食べるのは当たり前です。」
メイド
「平気です、毒など入ってませんよ。私が食べさせてあげますわ。」
サラリーマンの男
「いやあ、なんだか悪いですね、それでは遠慮なく。」
熱々で今にも、とろけてしまいそうな食事をメイドが口に運んでくれる。メイド
「おいしいですか?」
サラリーマンの男
「こんな豪華な食事を食べたのは初めてです。」
メイド
「そう言ってくれるとうれしいですわ。」
小男
「王様、食事の最中に誰かに見られていたような気がするんですが。まあ、お気になさらないでください。」
そんなことを言われて気にしない方がおかしい。
メイド
「ゲームなんていかがでしょう。」
サラリーマンの男
「ゲームか面白そうですね。」
メイドは2つのサイコロを取り出す。
メイド
「2つのサイコロの目の合計、2〜12の内6より上ならあなたの勝ちです!勝ったらサービスさせていただきますわ。」
サラリーマンの男
「サービスいいね、やりましょう。」
小男
「ゲームの途中ですが、食事を下げてもよろしいでしょうか?」
サラリーマンの男
「かまいませんよ、チップです取っといてください。」
小男に500円を渡した。小男は、食事をかたづけて出ていった、小男は部屋を出るさいに独り言をぶつぶつと言っていたがよく聞き取れなかった。小男
「21番の…。」
結局、なんだったのだろう。
メイド
「食事も下げましたし、ゲームを始めましょう。」
そう言うとメイドは、 紙コップの中にサイコロを入れて振り、紙コップを逆さに伏せて置いた。メイド
「さあ、開けますよ。」
サラリーマンの男(ごくっ!)
メイド
「8です!あなたの勝ちです!では、当店のサービスをおこないますので、目を閉じてください。」
そして、明かりが消された…。
その数分後、誰かが走ってくる、メイドのようだ。
メイド
「すいませーん!21番のお客さま、お待たせしました!今回、メイドを努めさせていただきます、カオリでーす!よろしくお願いしまーす。」
カオリは部屋に入り、客の姿を探す。
カオリ
「あれ?お客さまが居ませんわ。」
玉座の後ろで、胸にナイフを刺した男性を見つけた、すでに息をしていなかった。
カオリ
「キャッ!刺客に殺られたんですわ!今、誰かに見られていたような?」
壁を黒い物が走り去った…。
カオリ
「キャッ!ゴキブリ…嫌−!!!!」
カオリは走って部屋を出て行ってしまった。