#1儷山家 隼人(27歳)と雪霞(60歳)
「親父殿、じゃない、ヅォラシャイス大隊長殿、意見具申であります」
地球軍機動部隊所属、ヅォラシャイス人傭兵部隊第二中隊の第二小隊小隊長儷山隼人は、同じくヅォラシャイス人傭兵部隊大隊長ヴァイッシャに言った。
「なんだ」
それに大隊長ヴァイッシャ――白兵戦用の重装備の鎧に身を包んだ、地球人には身長230センチの巨大なトカゲ人、としか思えない姿のヅォラシャイス人は、血はつながらないが我が子同様に育てた隼人に短く応えた。
身長191センチの隼人は地球人としては大柄なほうであるが、巨大なヅォラシャイス人の養父の前では、いつも養父を見上げて話すしかない。
「かーちゃんたち……じゃない、地球軍の儷山雪霞中隊が苦戦していると聞きます。こちらは綺麗に片付きましたから、雪霞隊の加勢に出るのはいかがでしょうか」
「……」
「我等ヅォラシャイス人傭兵部隊として地球軍に貸しを作っておくのもよいかと。とはいっても、傭兵部隊総出で行く事もないでしょう?俺と、ゼドロの兄ぃと、親父殿と、ズァイッシャ叔父上とグァイッシャ叔母上だけでちゃちゃっと片付けられる……」
「……」
自分の前で生意気な様子で話す養い子に、ヴァイッシャは分厚い金属の小手を装備したままの巨大な手で、無言で隼人の脳天にゴツン、と鉄拳を落とした。
それに隼人は痛がりながらも、敬愛する養父からのゲンコツを待っていたとばかりの半笑いの表情を浮かべて、嬉しそうに笑った。
(子供の頃から大好きなこの養父にかまってほしいばかりの隼人は、実際、ヴァイッシャに鉄拳を落とされて「来たっ」と小声で呟いて喜んでいた。が、隼人ではなく他の地球人であれば、それは脳震盪を起こしてしばらく気絶してしまうような衝撃であった)
「お前はまた、そのような事を軽々しく言う」
地球人より表情の変化が乏しいヅォラシャイス人のヴァイッシャは、無表情で言った。
「ヅォラシャイス大隊長の我と中隊長ズァイッシャとグァイッシャが抜けられるわけなかろう。これは部族同士のもめごとなどではないのだぞ」
「留守居はグロウのオヤジ……いやいや、第一中隊長のグロウクグルト殿でよいではありませんか。こっちはアル公(アルトイ軍)の奴らはまとめてぶっ飛ばしたんだし」
「……」
「ほっといてもかーちゃんたちだけでなんとかしちまうだろうけど、かーちゃんたち以外は全滅、なんて事になったら、かーちゃんたちもカッコつかないでしょ?ここは俺たちの援軍で死守!って事にして貸しを作ろうぜ?!」
「……」
「ねえっ、みんなで行こうぜ!親父殿!みんなでさぁ!!」
「こちらの負傷者は?」
在惑星イーリア地球軍旗艦<オデュッセイア>所属の機動部隊第一中隊中隊長、儷山雪霞は言った。
「我が中隊200名中軽傷者67名、重傷者48名、死者43名です」
報告した副官は自らも左腕と額を包帯で覆い、負傷者のうちの一人だった。
「……了解した」
雪霞は死者の数に思わず歯ぎしりをした。重軽傷者を合わせ、酷い状態だ。
この最前線に自分と、自分のクローン体のユウカがいると知って、アルトイ軍は“ジャール”を投入してきた。
“ジャール”とはアルトイの言葉で「軍用短剣」の意味だが、戦場で対人用に使用されるこの兵器はただの短剣などではなく、アルトイ軍が対ヅォラシャイス人用に開発した、巨大なカッターナイフの替刃の様なブレードが連続して射出される殺傷能力の高い兵器で、この戦線ではアルトイ軍は“ジャール”用に改造した爆撃機に“ジャール”を搭載し、ブレードを雪霞たちの上へと矢衾のごとくに降らせてきた。
狂戦士である雪霞と雪霞のクローン体であるユウカは“ジャール”のブレードを回避できるが、機動部隊員とはいえ“普通の”人類である他の隊員たちは空から突如降ってくるとんでもない刃を避ける事は無理であった。
“ジャール”での援護後、地上のアルトイ軍は勢いを増して進軍し、距離をぐんと縮めてきている。
こちらも応戦しているが、重傷者と死者が全体の半数になってしまった状態ではもはや「壊滅」状態であり、撤退、退却するか、援軍を待つしかない。
待つにしても、援軍が到着するまでもてば、の話だが。
もうこうなったら、自分とユウカの二人で……
雪霞はアルトイ軍が迫って来ている最前線の方角を眺めながら思った。その雪霞に、やはり同じ事を考えたらしいユウカが雪霞に口を開いた。
「私たちだけで行くか?」
地球人である雪霞と惑星サザラハの人類の遺伝子から作成された、サザラハの人類の姿の、雪霞のクローン体ユウカは金色の瞳で雪霞を見つめて言った。
「……」
「残りの兵たちを前線に出せば、またジャールを振らせてくるだろう。そうなれば、我が隊は私たち以外は殲滅状態になってしまう」
「……そうだな。しかし、私たち二人で先行というのは、もう“戦争”とはいえない状態になるが」
雪霞は険しい表情のまま言った。
「これだけの犠牲者を出してしまった。そんな事はもう気にするな。私たちが出ている間に、みなを退却させよう」
「……」
と、その時、彼女等の前線のすぐ近くで、
ドン、と
対戦車砲でも陣内に着弾したかのような地響きと爆音が轟いた。
「新手かっ?!」
見れば、雪霞たちが陣を立て直している前線のすぐそばの、小高い丘陵になっている上で炎と煙が上がっていた。
その有様に、アルトイ軍の攻撃かと、雪霞とユウカは今にも飛び出さんとばかりとなった。
が、その彼女等に、もうもうたる黒煙の中から誰かが笑いながら声をあげた。
「新手だってぇ?」
声の主は炎と煙の中からのっそりと姿を現し、上機嫌な様子でわめいた。
「だったら後ろを取った俺たちの勝ちなのに。惜しいなぁ」
声の主、雪霞の息子である隼人は、雪霞たちの前線のすぐ背後に迫っていたものの、隼人たちの奇襲で気絶してしまったアルトイ軍兵士の一人の腕を掴み、
獲物に狙いをつけた肉食獣の様な表情で、玩具の人形の様に脱力しているアルトイ軍兵士をブンとばかりに雪霞たちの足元へと投げつけた。
「こんなとこまでアル公たちが来てたぜえ。すでに見張りにも事欠いちまって。絶体絶命ってかぁ?」
隼人は雪霞たちを眺め、口元を更に楽し気に歪めた。
「かーちゃんたち苦戦してるじゃん。助けに来てやったぜぇ」
そして自慢げに声をあげる隼人の後ろから、ヴァイッシャ、グァイッシャ、ズァイッシャ、隼人の遺伝子上の兄ゼドログラッシャが姿を現した。
「これ、貸しだぜぇ?」
巨大なヅォラシャイス人の最強兵士たちを後ろに従えるようにして、隼人は上機嫌の様子でにぃっとばかりに満面の笑みを浮かべた。
【登場人物・その他】
●儷山細雪
在惑星イーリア地球軍旗艦<オデュッセイア>総参謀長、儷山晃司と守谷(儷山)深雪(バーサーク能力保持者)の第一子。
儷山雪霞の母親。
成人後は<オデュッセイア>機動部隊に所属し、<オデュッセイア>のシステム管理、及び儷山氏の警備警護もになっている。
47歳時、惑星ヒオーネにて雪霧(雪霞の弟)と共に遭難、事故死。
死後は<オデュッセイア>の人工知能システムに人格と記憶を移植していたが、儷山氏、深雪と共に人工知能としてギンヌンガ・ガップに赴き、儷山氏と深雪の身体が消失したおりに、細雪の人工知能としての人格と情報消滅を防ぐために儷山氏が自分の魂魄に細雪の人格記憶情報を取り込み、後にユウェインターナ、ユージュニー、レダの精神感応力により儷山氏の魂魄から細雪の人格と記憶を取り出し、再び一人の人間として深雪に再出産された。
※バーサーク能力:狂戦士。ただ戦闘能力が高い、のではなく、
常人を超えた戦闘能力保持者。
バーサーク状態中は戦闘で片腕が吹き飛ばされても平然として動き回り、
しばらくすると失血のために動けなくなる。
バーサーク状態は戦闘後しばらくで解除されるが、
解除されなかった場合は、
バーサーク能力保持者に近づいてバーサーク状態を解除できるのは
シューシャイ(精神感応力による身体治療者)、家族、親しい友人のみ。
●儷山雪霞
儷山細雪の第一子。儷山晃司と深雪の孫。儷山隼人の母親。
細雪の卵子に、細雪のX染色体を埋め込んだ自己受精により誕生。
遺伝疾患等を防ぐために、受精させたX染色体の遺伝子は、一部他の遺伝子に置き換えられている。
成人後は<オデュッセイア>機動部隊に所属し、儷山晃司、他、儷山家の雪霧、雪司、雪月の警備警護役に就任。
※深雪のバーサーク能力は孫の雪霞に隔世遺伝して出現。実力は深雪を凌ぎ、
“「鬼の雪鬼(雪絆。深雪の母親)」と「皆殺しの深雪」の再来”と呼ばれる。
※深雪と雪霞は敵方にもたらす被害の甚大さから“人喰い牝虎”と呼ばれていました。
●儷山隼人
儷山雪霞の第一子。儷山氏と深雪のひい孫。
遺伝子上の父親は岩永翔也。
岩永翔也がアルトイのテロにより死亡後、雪霞が保存していた翔也の血液中の遺伝子を元に人工授精、胎児育成水槽による人工育成にて誕生。
幼少時からほぼヅォラシャイス人の元で暮らし、ヅォラシャイス人ケラハ族族長のヴァイッシャを「親父殿」、遺伝子上の異父兄のゼドログラッシャを「兄ぃ(あにぃ)」と呼び、
ヅォラシャイス人ケラハ族戦士の傭兵として地球軍機動部隊に所属していた。
※雪霞は翔也死亡時に自分が浴びた翔也の血液を保存しており、その血液で隼人を誕生させました。
●ヴァイッシャ
惑星サザラハのヅォラシャイス人ケラハ族、族長。
グァイッシャ、ズァイッシャとは三つ子で、三つ子の長兄。ヅォラシャイス人最強の戦士。
巨大戦斧二刀流。通称ヴァイ。
ギンヌンガ・ガップの悪影響により、ヴァイッシャを含めたヅォラシャイス人の大半を乗せた移民船が惑星サザラハより脱出し、各植民星へと向かっていた途中、システムトラブルを起こして漂流していたところを地球軍旗艦<オデュッセイア>に救助される。
後に<オデュッセイア>総参謀長儷山晃司と<オデュッセイア>機動部隊最凶兵士儷山雪霞に高い戦闘能力を買われて、ヴァイッシャをリーダーとするヅォラシャイス人の戦士部隊は<オデュッセイア>装甲機動部隊に編入される。
特徴:目の周りの鱗が金色に光る、光沢のある濃い茶色。(モデルはヨロイトカゲ)
配偶者は儷山雪霞のクローン体ユウカ・ナラヤマ。遺伝子上のゼドログラッシャの父親。
●グァイッシャ
ヴァイッシャの妹。三つ子の二番目。巨大大鎌二刀流。通称グァイ。
※ヅォラシャイス人の女性は男性より大柄になる事が多い。
三兄弟のうち、体格が一番大きく、身体能力が一番高いのはグァイッシャ。
特徴:目の周りの鱗がヴァイッシャ、ズァイッシャよりも小さく、目が切れ長。
頭部は男性よりも細面で、全身の鱗も小さい。
配偶者はヅォラシャイス人ケラハ族戦士のカイドラッシャ
●ズァイッシャ
ヴァイッシャの弟。三つ子の三番目。巨大大剣二刀流。通称ズァイ。
ヅォラシャイス人編成部隊の先発攻撃部隊隊長(斬り込み部隊隊長!)。
ズァイッシャたちが取りこぼした相手は、後続部隊のグァイッシャがいつもまとめてなぎ倒している。
配偶者はヅォラシャイス人スドラハ族、族長グロウクグルトの第二子ラヒラシャンガ。
※ヴァイッシャ、グァイッシャ、ズァイッシャ三兄弟の影響で、雪霞は高祖父雪長秘伝の日本刀で日本刀二刀流使いとなり、敵対者を斬りまくり(!)「雪鬼の四代で最凶」と呼ばれるようになる……
●トリスシューシスス
雪霞のクローン体ユウカのために、惑星サザラハの女性の遺伝子を提供した一人。
体色(鱗の色)はクリーム色。
惑星サザラハのシャジャスタ人の医師、学者、精神感応力者。通称トリス。
儷山細雪の娘、雪霞の、ヴァイッシャの配偶者になりたい、という思いをかなえるために、地球人の遺伝子にサザラハの人類の遺伝子を取り込んだクローン体を作成できるだろうか、と個人的な事情を細雪から相談され、人口が激減してしまったサザラハの民のためにも、とサザラハの人類と他の人類との遺伝子融合の研究を移住先の惑星シャヤダラ政府に奨めた。
雪霞がヅォラシャイス人の元を去ったあと、残していったクローン体ユウカをハイバネーション(人工冬眠)状態にして封印、その後の保守もになっていた。
また、ユウカとヴァイッシャの遺伝子を使用した人工胎児育成によるゼドログラッシャの誕生と、誕生後の新生児育成管理にも携わっていた。
トリス等の行った遺伝子融合研究、実験、実行成果は後に
「サザラハの新しい人類の創世」と賞賛もされたが「天に背く大罪」とも忌避され、
賛否両論の収束はつかないままとなっている。
配偶者はシャジャスタ人のサウロシャスターク。
●ユウカ・ナラヤマ
地球人儷山雪霞の卵子にサザラハ人(ヅォラシャイス人、シャジャスタ人、両者の原型であるザワーハ・ユシエシャ人)の女性の遺伝子を組み込んで作成したクローン体。
雪霞のアルトイ人の遺伝子の影響か、頭髪はアルトイ人のごとくの燃えるような紅髪、目は薄い金色の瞳、身体は高祖父・雪長と同じくリューシスティック(白化)状態の白い皮膚と鱗の姿。
雪霞と同等のバーサーク能力保持者であるが、身体能力はユウカのほうがはるかに高いため、地球人・アルトイ人程度の体格の人類にはおよそかなわない狂戦士となる。
ユウカははじめは雪霞の人格と記憶とコピーした雪霞の別体として使用され、雪霞がヅォラシャイス人の元を去った後はハイバネーション(人工冬眠)状態で保存されていたが、後にヅォラシャイス人たちにハイバネーション状態を解かれ、“個人”として存在するようになった。
ユウカはヴァイッシャと共にヅォラシャイス人の指導者となり、ヴァイッシャとの間にゼドログラッシャ、キューク、キュークゲック、キュークゼック、の子供をもうけた。
※雪霞はヴァイッシャに惹かれていましたが、外見も遺伝子も違いすぎるため、ヴァイッシャには自分を“女性”とは認めてもらえないだろう、とあきらめていました。
が、同じく“外見も遺伝子も違いすぎる”ヒグダイド人のイアスの“およめさんになりたい”と思っていた細雪(雪霞の母親)が雪霞を哀れに思い、自身が自分の卵子を使用した自己受精で雪霞と雪霧を誕生させたように、ヴァイッシャと“同族”のクローンを作成しては、と雪霞に提案し、雪霞の遺伝子を使った別体“ユウカ”の作成をサザラハに依頼しました。
(ユウカは人工羊水タンクの中で生成され、タンクの中でヅォラシャイス人の年齢80/300歳くらいの姿に成長した頃にタンクから取り出され“誕生”しました)
※ヅォラシャイス人の年齢80歳:地球人の20歳前後の体格)
※ヴァイッシャとの第一子ゼドログラッシャはユウカの卵子とヴァイッシャの血中細胞遺伝子の人工授精卵から誕生、
ゼドログラッシャ誕生後、ヅォラシャイス人ユウカとしての自分には馴染めなかった雪霞は、誕生したばかりのゼドログラッシャと、ハイバネーション状態で“封印”した別体のユウカをヴァイッシャたちの元に残し、ヅォラシャイス人の元を去りました。
が、後年、ある事態からケラハ族の指導者であるヴァイッシャとグァイッシャの存在を長期に渡って欠く事態となり、ヴァイッシャとグァイッシャに代わる者を懇願されたズァイッシャは、養母ゲイルナグークの助言により、地球軍と雪霞には無断でユウカのハイバネーション状態を解き、ヅォラシャイス人全体の指導者としました。自分はもはや地球人ではなく、他に居るところも無い、と考えたユウカはヅォラシャイス人として生きてゆく事を選び、雪霞がユウカと再会したのはユウカがヴァイッシャとの間にキューク、キュークゲック、キュークゼックを“普通に授かった”後の事で、
雪霞は雪霞で高祖母の誄(るい。深雪の母方の祖母、雪長の配偶者。深雪と雪霞のバーサーク能力は誄からの遺伝)と因縁のあったバーサーク能力保持者の男性を高祖父とする岩永翔也との間に、人工受精で隼人をもうけました。
●ゼドログラッシャ
儷山雪霞の卵子にサザラハ人女性の遺伝子を組み込んで作成した雪霞のクローン別体ユウカと、ヴァイッシャの第一子。バーサーク能力保持者。
ユウカの卵子にヴァイッシャの血液内遺伝子を組み込んだ人工受精卵を元に、胎児育成水槽による人工育成により誕生。
成人後はヴァイッシャの次代のヅォラシャイス人指導者。
●シャッハシシャース連盟
星間連合、連盟のうちのひとつ。
爬虫類型人類の連盟。
●惑星ザワーハ・ユシエシャ
シャッハシシャース連盟に属していたザワーシャ恒星系第二惑星。恒星はザワーヒ。
ザワーシャ恒星系は恒星系としては終焉を迎えており、恒星ザワーヒは赤色巨星化し始めている。
1500年ほど前に惑星ザワーハ・ユシエシャの爬虫類型の人類は、ザワーヒの赤色巨星化により、環境が悪化したザワーハ・ユシエシャより脱出し、植民星の惑星シトリ、サザラハ、その他に移住していた。
●惑星シトリ
惑星ザワーハ・ユシエシャの人類が植民化し、移住した惑星。
シトラヒェ恒星系第二惑星。恒星はヒイード。
同じく植民星の惑星サザラハの人類は、ザワーハ・ユシエシャより厳しい自然環境だったサザラハの環境に適合進化したが、シトリの自然環境はザワーハ・ユシエシャとあまり変わらなかったため、
シトリの人類はザワーハ・ユシエシャの人類とほぼ変わらない姿のままとなっている。
●惑星サザラハ
惑星ザワーハ・ユシエシャの人類が植民化し、移住した惑星。
ゾツォラ恒星系第三惑星。恒星はゾツォラハ。
惑星サザラハには、惑星ザワーハ・ユシエシャより移住してきた当初からあまり姿の変わらないシャジャスタ人と、サザラハの砂漠地帯の環境に適合進化したヅォラシャイス人、湖沼地帯の環境に適合進化したソソヅォライ人、等が存在した。
※ギンヌンガ・ガップの出現により、惑星サザラハは恒星系ごとギンヌンガ・ガップに呑み込まれ、以降不明。
惑星サザラハの住人は複数の植民星に分かれて移住し、民族としてはちりぢりの状態となっている。
また、サザラハはギンヌンガ・ガップ出現直後から“クドゥラ”と呼ばれる生命体の襲撃に遭い、壊滅的な被害を受けていた。
●惑星シャヤダラ
惑星サザラハがギンヌンガ・ガップに飲み込まれたあと、ヴァイッシャたちが移住した植民星(惑星サザラハの爬虫類型人類の祖先、惑星ザワーハ・ユシエシャの人類が植民星として開発)。
キュールク恒星系第五惑星。恒星はシャヤジーダとフレシャ。衛星はシャヤ、シャッハ、シャヤッジャ。
●シャジャスタ人
惑星ザワーハ・ユシエシャより植民星の惑星サザラハに移住した当初から、あまり姿の変わっていない惑星サザラハの人類。サザラハ人の原型的人類。
長身、痩身で、身体の鱗は退化してあまり目立たない。
頭部にトサカ状の特徴的な大きなヒレがある者が多い。
惑星ザワーハ・ユシエシャでの高度な文明文化を維持しており、サザラハの他の人類に科学技術を提供していたため、他の人類からは崇拝に近い尊敬の念を持たれている。
●ヅォラシャイス人
惑星サザラハの砂漠、荒地地帯の環境に適合進化したサザラハの人類。
ヅォラシャイス人の中でも更に多種の部族に分かれるが、厳しい自然環境の中で適合進化したため、どの部族もたくましい体格をしている。
●ケラハ族
ヅォラシャイス人のうち、他の部族より頭骨が丸く分厚く、骨太のガッシリした体格をしている。
白兵戦戦士を多く輩出。
●ノストロイ連合
星間連合、連盟のうちのひとつ。
ヒフルト、ル・ウァ等が所属。
アルケセーイス連盟と長年に渡り交戦状態。
●アルケセーイス連盟
星間連合、連盟のうちのひとつ。
ノストロイ連合と長年に渡り交戦状態。
アルトイ、ファギーギン等が所属。
アルトイの悪名高い人種狩りと、ファギーギンの支配下にない、一部のキギィ(ファギーギンの人工生命体)はアルケセーイス連盟内でも問題視されている。
●地球連邦
「アルゴ・ノォト」の時代よりあと、汎星間国家・団体には属さないまま、地球は“地球連邦”として汎星間世界(社会)に登録。
地球はノストロイ連合の勢力範疇内に存在するため、たびたびノストロイが接触してくる。
※「アルゴ・ノォト」は「オデュッセイア」より300年ほど前の時代
※「オデュッセイア」の時代より150年程前に、地球はノストロイより技術提供を受けた恒星破壊兵器で
アルトイ人の母星アルトイとアルトイが巡っていた恒星“クラー”を消滅させ、報復としてアルトイは同じく恒星破壊兵器を太陽と地球に使用、太陽と地球は消滅は免れたものの、地球人は激減、地球連邦は壊滅状態となる。
「アルゴ・ノォト(AROGO・NAUT)」
外宇宙探索艦<アルゴー>の人々の話。
<アルゴー>:外宇宙の探索、宇宙図作成を目的として航行している大型艦。
が、その実は、光速航行の弊害により、地球、家族との経年(時間、年齢)が大きくずれてしまい、
社会問題となっている宇宙船乗組員を家族等希望者と共に地球外に送り出す事を目的としていた。
地球への帰還は永年未定。
同時期に製造された、同任務の姉妹船が何隻かあり。
※<アルゴー>の姉妹船
<イリアッド>、<トロイア>、<オデュッセイア>、<セイレン>、<エンケラドス>。
<アルゴー>は最後は航行不能の状態となり、<アルゴー>の乗員は姉妹船の
<オデュッセイア>に移乗する。
「オデュッセイア(ODYSSEIA)」
「アルゴ・ノォト」より300年ほど後の時代。
アルトイとの長年の交戦により、地球連邦はほぼ壊滅状態、地球人も激減。
(残存地球連邦の旗艦<オデュッセイア>は「アルゴ・ノォト」の<アルゴー>の姉妹船<オデュッセイア>とはまた別の船)
地球とアルトイ、ノストロイ連合とアルケセーイス連盟、といった間で延々と変わらず争い、宙域紛争、戦争が続いているが、ノストロイとアルケセーイスの版図のど真ん中に巨大な裂け目“ギンヌンガ・ガップ”が出現、裂け目からは我々の宇宙ではない宇宙からの銀河や空間が出現、反対に我々の宇宙での銀河、空間が“裂け目”の向こうへと消失、甚大な被害が頻発する。
それはどうやら“ギンヌンガ・ガップ”の向こうの、意思疎通が出来ない“何か”が起こしているらしい、とだけ判明。
“裂け目の向こうの何か”を<オデュッセイア>初代艦長就任予定だった霧山氏は“マガツカミ(禍津神)”、ル・ウァは“エレヴォス・ドラゴール(暗黒の大渦)”、アルトイは“ヨルムンガンド(世界を取り囲む大蛇)”と呼び、ノストロイとアルケセーイスの間で争っている事態ではなくなってくる……
「テオゴニア(神統記)(THEOGONIA)」
「オデュッセイア」より数百年?後の時代。
儷山雪霞のクローン体ユウカはサザラハの人類の寿命300歳を超えてほぼ不老の状態で生存、
ユウカのひい孫にあたるシミュは、地球人、アルトイ人、ヅォラシャイス人の血統を受け継ぐ者として、惑星シャヤダラの統治者の一人となっている。
※1大山(守谷)雪絆:小仲氏と再婚後、苗字は守谷のままとした。
深雪が26才の頃にアルトイのテロにより小仲氏とともに死亡(53才)。
※2守谷聡:深雪の実父。深雪が10才の頃にアルトイのテロにより死亡(39才)。
※3儷山細雪:47才時に遭難事故死。人格と記憶は旗艦<オデュッセイア>のAIに組み込まれる。
※4
雪霞:細雪の卵子に細雪のX染色体を埋め込んだ自己受精により誕生。遺伝子の一部にはレィビィ・ワイトの遺伝子を使用。
雪霧:細雪の卵子にレィビィ・ワイトの染色体から作成した人工Y染色体を埋め込んだ自己受精により誕生。
※レィビィ・ワイト:「オデュッセイア」の時代より300年前の「アルゴ・ノォト」の時代のガイ・ウォールの異父姉。
レィビィは「アルゴ・ノォト」の時代のヒグダイド人イアスの配偶者。
寿命が500年ほどのヒグダイド人のイアスは「アルゴ・ノォト」の時代から「オデュッセイア」の時代になってガイとレダ、儷山氏と深雪が再誕生するのを待ち、儷山氏と深雪の子供の細雪にレィビィの遺伝子を託した。
※5岩永翔也:隼人誕生前にアルトイのテロにより死亡。
翔也死亡時に雪霞が保管していた翔也の血液から取り出した遺伝子により、隼人は胎児育成水槽にて育成、誕生。
岩永翔也の高祖父岩永翔(バーサーク能力保持者)は儷山深雪の高祖母大山誄(バーサーク能力保持者)と対戦して負けた因縁あり。
※6岩永雫:岩永翔也の遠縁者。岩永雫は雷誕生前に死亡。隼人と雫の受精卵により、雷は胎児育成水槽にて育成、誕生。
※7細雪が雪月(妹)と雪霧(第二子)を双子として胎内で育成、出産。
※8折原楓:雪斗幼少時に病没
※9戸籍上の母親は雪月であるが、その実は雪月が作成した儷山氏と深雪の復元体。
※10 ギンヌンガ・ガップにて破損したAIとしての細雪の人格・記憶情報を小雪(深雪)が胎内に取り込み、再出産
※11 ヒューバート・ミナト(湊):雪音誕生後に戦地にて行方不明
※12 未成年時に夭折。細雪と同じく旗艦<オデュッセイア>のAIに組み込まれる。
※13 サウロシャスタークの養女(トリスとも血縁ではない)。
シャジャスタ人の人口増加のために人工授精で誕生させられた。
精神感応力保持者であるが先天的な心疾患もあり、トリスがシセラシューシシスの担当医となった事からトリスとサウロが知り合いとなり、後に夫婦となった。
※サウロがシセラを養女にしたのは、サウロの婚約者のシジフォラシャスが同じく先天的な心疾患の影響で妊娠は命取り、と診断されていたため、当時誕生したばかりだったシセラを養女に、と決めていた……ものの
シジフォラが心疾患で急死、サウロはシジフォラが生前望んでいた通りに、シセラの先天的な心疾患も治すためにシセラを養女にした。
精神感応力保持者でもあるシセラは、やはり精神感応力保持者でないと養女にはできないが、サウロとシジフォラは共に精神感応力者だった)
ゼドロとの間に三姉妹をもうけるが、三姉妹の卵が孵化する前に心疾患により急死。
※14 父親ゼドロからはバーサーク能力を、母親シセラからは精神感応力を受け継いだとんでもない三戦士となる。
次女のイシャナは成人後に遺伝疾患により失明するが、失明に関係なく精神感応力で飛び回り、最凶戦士のままだった。
三姉妹の母親、シセラは三姉妹が卵から孵化する前に急死したため、ゲイル、サウロ、トリス、ヤトポ、キューク、キュークゲックたちに育てられた。
※15 シセラの死後、シセラの三姉妹が成人してからラナラとゼドロとの間に誕生。
※16 雪霞の遺伝子の影響により、外見が地球人に似た姿で誕生。
両性具有者。白髪紅眼のアルビノで、精神感応力者。
ゼドロの孫にあたるが、誕生はザンダより先。
ヅォラシャイスの人々の中においては地球人に近い姿は“異形”の姿でしかなく、後にユウカ、ザンダと共に地球軍に渡る。
シミュのX染色体から作成した女性体クローン“雪霞”は儷山雪人氏の子孫、儷山晃雪の配偶者となる。
※17 儷山晃司の記憶を自身の脳内にダウンロードし、晃司の記憶を保持。
容姿も晃司そっくりで、晃雪を一目見てユウカは晃司の子孫とわかり、ユウカ(=儷山雪霞の人格)は
「お父さん!」と号泣、最凶兵士の大泣きは周りの者を大いに驚かせた。
※父親のいない雪霞には祖父である晃司が父親代わりだった




