【今だから中東②】小説の材料に使える中東編~イスラム圏に一括りできない設定のルツボ~
イランを中心に大きな動きが起こっています。
イスラム圏と一括りになりそうな中東を、現在の国々から逆引きして解像度を上げてみたくなりました。政治的な意味ではなく作品の設定として。
今だから不謹慎ではなく、知ることって大切だと思います。
前回は、各くにのルーツとアラビアンナイト黄金期までをまとめてみました。
こんな設定書きながら言うのもなんなんですが、アラビアンナイトの世界とピラミッドを組み合わせたりして世界観を作るのもおもしろそう。
そこにひとつまみこういった設定が入っていればむしろ評価がよくなるかもしれません。
ルネサンス期以降グローブ世界は世界中に広がります。中東もこれに漏れず強力な支配と被支配の関係ができる。そのあまりまでを一気にまとめます。Gemini、ChatGPT 君!
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【資料】東洋・砂漠ファンタジー構築のための中東史パラダイム(後半)
〜火器による殺戮から、列強の謀略と「黒い黄金」の時代へ〜
■ 第4期:火薬帝国と遊牧民の嵐(13世紀〜19世紀)
【テーマ:モンゴルの破壊と、銃を持つ「スルタン」】
・国家の経緯
東から来たモンゴル帝国によりバグダッドが徹底的に破壊され、イスラム黄金時代は終焉。その後、トルコ系の「オスマン帝国」とイラン系の「サファヴィー朝」が中東を二分し、西洋から取り入れた銃火器で凄惨な覇権争いを行います。
・武器・防具
【イェニチェリの火器】オスマン帝国の最強の奴隷歩兵軍団。彼らが装備した「マスケット銃(火縄銃)」と巨大な「大砲」が、旧時代の騎馬兵を一方的に粉砕します。
・魔法・オカルト設定
オカルトが「科学(火薬)」に駆逐され始める時代。イスラム神秘主義(スーフィズム:旋回舞踊でトランス状態になり神と一体化する儀式)が根付き、呪術的な祈りと銃弾が交錯する世界観。
■ 第5期:帝国の黄昏とヨーロッパの影(19世紀〜20世紀初頭)
【テーマ:瀕死の病人と、列強の草刈り場】
・国家の経緯
巨大なオスマン帝国が近代化に遅れ、「ヨーロッパの瀕死の病人」と呼ばれる状態に。イギリスやフランス、ロシアが中東を切り取り始めます。エジプトはスエズ運河建設の莫大な借金により、イギリスの事実上の植民地へと転落しました。
・武器・防具
ヨーロッパから型落ちのライフル銃を輸入しつつも、伝統的な曲刀や槍を手放せない現地の軍隊。圧倒的な射程を持つ西洋軍の前に散っていく悲哀。
・戦術・謀略設定
「軍事力」から「経済侵略」へのシフト。インフラ(運河や鉄道)を作らせて借金漬けにし、国ごと乗っ取るという、冷徹な資本主義の暴力。
■ 第6期:第一次〜第二次世界大戦(1910年代〜1940年代)
【テーマ:三枚舌外交、直線の国境線、そして「黒い黄金」】
・国家の経緯
イギリスの諜報員が砂漠の部族を扇動し、オスマン帝国に対しゲリラ戦を展開。しかしイギリスは「アラブ人の独立」「ユダヤ人の建国」「英仏での山分け」という矛盾した3つの密約(三枚舌外交)を同時に結びます。戦後、英仏は民族・宗教(アラブ人もクルド人も)を一切無視し、地図に「定規で直線を引いて」中東を分割。さらに砂漠の下から「石油」が発見され、大国の介入は泥沼化します。
・武器・防具
【西洋兵器】リー・エンフィールド小銃、機関銃、装甲車。
【砂漠のゲリラ装備】ラクダ騎兵、ジャンビーヤ(アラブの短剣)、ダイナマイト。
・戦術・謀略設定
会議室で葉巻を吸う列強の貴族たちによる「直線の国境線」の制定と、それに翻弄されて殺し合う砂漠の民。魔法の時代が完全に終わり、世界を動かす最強のエネルギー資源「黒い黄金(石油・魔力結晶など)」を巡るスパイと謀略の暗闘劇。
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日本でも大正時代に陰陽師を組み合わせた世界観あるように、近代的な武器とアラブの呪いを掛け合わせたり、それが大きな権力に対する反逆や、権力も被支配の友情など、壮大なテーマの源になりそうです。
改めて設定というテーマで中東をまとめてみたのですが、皆様のオリエント理解やインスピレーションにプラスになると幸いです。
ざっくりこの地域を知る事ってあまりないような気が。でも歴史年表はアレルギーがでます。
それに中東は魅力的なのに設定のブルーオーシャンの匂いが。この時代は、アラビアのロレンスとからは当時の西部劇とはちがったテイストの映画ですよね。
もし、追加・アドバイス、こうして欲しいなどあれば感想欄に是非お願いします。
ここは強化して欲しい時代などのアドバイスもお願いします。
皆様のご協力でアップデートしていきましょう。
ちなみに筆者は、史実に基づく作品をいくつか連載中です。
・現代中南米の歴史ヒューマンドラマ
『ゲバラとカストロ ~革命は二人で始まり、一人で終わる~』
・フランス革命のサイコスリラーヒューマンドラマ
『フランス革命の処刑人の『告白』――幾千の処刑を担ったムッシュ・ド・パリ』
よろしければそちらも作者ページからのぞいてあげてください。




