9.スライム酒
ギルドにて噂を聞いた。
スライムは何にしても食べれる。と。
「セラフィーナさん!スライムって食べられるんですか?」
「食べられますね。1番よく食べられるのはスライムゼリーですかね?」
「スライムってすごいんですね...」
「そーなんですよ!他にはゴミ処理してくれたりする子も居るんだとか」
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聞く話によると、
大きく分けるとスライムは食べられる種類と。魔道具の一部になる種類に分けられる。
食用にする場合は特定の食べ物を与え続ける必要がある。
魔道具に使う場合は、弱らない程度に魔法を与える必要がある。
という事だった。
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「スライムって意外にも奥が深いんですね...」
「ケンイチさん、そこにもスライムが使われた道具がありますよ?」
そういうと台所を指差していた。
セラフィーナさんを魔法で動くコンロの中を見せてくれた。
中には、カプセルの中に入ったスライムがいた。
コンロをひねるとカプセルの中に魔力が供給されるようだ。
魔力を食べたスライムが魔力の量に応じて火が出ている。
「本当に不思議ですね…」
「不思議ですか?常識なのでは…。ケンイチさんの住む場所は何を使っていいたのですか?」
「住んでいた場所ではガスを使っていましたね」
「ガス?聞いたことがありませんね…私もケンイチさんの住む街に行ってみたいです」
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スライムを捕まえるために街の外に来ていた。
セラフィーナさんが街近くの草原にもいると教えてくれた。
注意事項も教えてくれた。
草原にいるスライムは酸が強く、触れただけで溶け、固体特有の状態異常になってしまうだとか…
しかし俺は大丈夫だ。
昨日ミードを呑んだ時ステータスが伸びていた。
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【酒井健一】 Lv.6 職業:なし
体力 :19 + 5
筋力 :15 +5
耐久力:18 +4
敏捷性:17 +1
魔力 :10 +5
【スキル】
なし
【バフ】
ミード(体力回復(小)・状態異常回復(中)・魔力回復(小))
エール(体力回復(小)・リラックス効果(小)・気力回復(小))
【特殊スキル】
『酒聖』『主従契約』
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色々と伸びてはいるが、ミードを飲んだ時の酒バフ、状態異常回復。
この効果があればスライムを触ることができるだろう。
樽を2個持ってきた。
あとは捕まえるだけだ…
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いない…どこにいるんだ?
そこらへんにぽんぽんいてもいいんだが…いるのは見たことのない動物や動く植物…
ギルド長から貰った武器があってよかった。
「主よ何をしておるのじゃ?」
「わ、びっくりした…俺はスライムを捕まえに来たんだ。ルセリアこそこんな所になんでいるんだ?」
「妾は主のいる場所にすぐに転移ができるぞ、従者だからな。 話を戻してスライムとな?草原に生えている木の根本か、森あたりを探さないと駄目だぞ?」
「そうなのか?教えてくれてありがとう」
「妾も暇じゃ手伝ってやろう」
手伝ってもらいすぐにスライムを捕まえることができた。
動物に何度か襲われることがあったが、ルセリアが強くて助かった。
「主よ、捕まえたスライムをどうする気じゃ?」
「酒にしてみようと思ってな」
「ほう、酒か妾も飲んでみたいのう。ついて行っても良いか?」
「ああ、よかったら飲んでいってくれ。スライム酒はできるがわからないが、ルセリア達から貰ったハチミツで作った酒があるから」
樽を持って修道院へ帰った。
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「ケ…ケンイチさん…その…方は…?」
「この人は」
「妾はケンイチの従者じゃ。従順な下僕じゃ」
「げ…ぼ…く」
「ルセリアは誤解を招くようなことは言わないでくれ…セラフィーナさんきちんと説明しますね…」
彼女は魔物だということ。
ハチミツを取りにいった時に出会い、利害の一致で契約を結んだこと。
「そうだったんですね…よかった…じゃ何もないんですね?」
「本当に何にもないですよ」
「ん…ということは…魔物って魔物ですか??」
理解をしてもらうのに時間がかかった。
「ケンイチさんがいいのであれば…もういいです…ルセリアさん、よろしくお願いします」
「ふむ、ケンイチの大切なものに手出しはせん。こちらこそよろしく頼む。」
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スライム酒の作成に取り掛かった。
セラフィーナさんにスライムの処理の仕方を教えてもらいながら行った。
スライムの核を傷つけないように取り除く。
核は魔力を供給させながら時間を置くと、スライムが復活するんだとか。
改良エールを作る過程の中で、ホップを入れる際にスライムも一緒に入れる。
『酒聖』を使用し発酵。
完成だ。
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皆んなで試飲。
「スライムもお酒になるんですね!度数がいつもより高く感じますがとても飲みやすいです!」
「妾はもう少しガツンとした味の方が良いのう」
スライム自体に味ないからかいつもの味だ。しかし、ビールでは難しい高い度数を作ることができた。アルコール臭さが無く飲みやすい。さらに改良が出来そうだ。
「そうだ、ルセリアこれがミードだ、飲んでみてくれ」
「これが妾達がとった蜜とな?…ほう、皆に飲ませたいのう。子供には飲ませられにが、働き蜂には意欲につながるかもしれん、貰っても良いか?」
「俺もハチミツをもらっているだ、ぜひ持って行っていくれ」
皆んな美味しそうに飲んでくれている。
ルセリアが言ってた「もう少しガツンとした方が良い」度数が高いお酒も需要があるんじゃないいか?
そうなると蒸留酒がいいな。