4.グルート(ハーブ)エール
改良版レシピを作成し始め、いろいろな事に驚かれた。
水の濾過装置をみると…
「その筒を通すとこんなにも綺麗な水ができるのですか!?魔道具ですか?」
小学生のような初々しい反応だ。きっと娘がいたらこんな感じの感情なのだろう。めちゃくちゃ尊い。
そして、畑にあったが使っていなかったホップについて。
「それ使えたんですね…全く知りませんでした…」
だいぶショックを受けているようだった。
特殊スキルの酒聖についても驚かれた。
「このようなスキルは聞いたことがないです…お酒に特化したスキル…発酵促進効果…なかなかに興味深いですね」
他の酒聖の他の効果、ステータスアップに対してはまで伝えないことにした。混乱しそうだから。
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作り始めて二日たった今日、改良レシピを納品する。
話によると美味しく人気があるエールは価値が上がる為納品時の給料が上がるとか。
セラフィーナさんがニコニコで納品から戻ってきた。
「聞いてくださいケンイチさん!ギルドの方から高評価をいただきました!いつもは銅貨5枚だったのが、今日は銀貨5枚になりました!人気が出たらもっと出してもいいかもとも言われましたよ!」
この世界でもお酒で皆んなを喜ばせることができてとても嬉しいことだ。
「喜んでもらえたのならよかったです」
「あの、よろしければなのですが…この間話されていた、私の作るエールの改良も教えて欲しいのですが…」
「そうですね。修道院に戻ったら早速作ってみましょうか」
ギルドからの帰り道、城から声が聞こえた。
「我が国民よ。聞くが良い。」
騒がしい方を見るとあれはあの時の王様だ。
「ここに伝説の勇者が降臨なさったことを報告する!そして、勇者様がこれから魔王を討伐してくださる!」
後ろからあの時の若者が出てきた。
「僕は勇者、皆様お生活を脅かす敵は僕が打ち倒しましょう!」
皆歓声をあげている。
俺は気にせず買い物をして帰った。
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修道院に戻り、いつものルーティーンをこなす。
改良エールを飲んだお陰なのか、いつも以上に早く終えれた。
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【酒井健一】 Lv.2 職業:なし
体力 :9 + 3
筋力 :7 +2
耐久力:8 +2
敏捷性:6 +1
魔力 :1
【スキル】
なし
【バフ】
エール(体力回復(小)・リラックス効果(小)・気力回復(小)
【特殊スキル】
『酒聖』
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ステータスを見てみるとバフは変わらないものの、レベルが増えていたり、プラス効果も少し伸びている。
魔力以外のステータスが全部少しずつ増えている。
お酒を作ったり飲んだりしてもレベルは上がるのだろうか?
「セラフィーナさん、それでは改良に取り掛かりましょうか」
「お願いします!」
セラフィーナさんの作り方はホップがメジャーになる前の中世ヨーロッパ式の作り方だ。
主にハーブ、香辛料を入れるエールだ。
しかし、こだわりが無いのか、ハーブを理解していないのか、ハーブやよく分からない雑草を適当な分量を入れていた。
幸いにも畑には見たことのあるハーブの様な植物が生えている。
まず畑でハーブの採取をする。
「セラフィーナさん、この匂いと、この匂いならどちらが好きですか?」
「匂いですか?このさっぱりしたのが好きですね」
柑橘のようなさっぱり系のハーブが好みのようだ。
少し多めに採取しておく。それに合うように何種類かのハーブをチョイスし採取する。
台所に戻り早速造酒する。
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作り方は大体いつもと同じだ。
朝のうちに綺麗な水と麦を煮詰めて置いたものを濾す。
濾した麦汁を採ったハーブを加えさらに煮詰め濃縮。
「最後にセラフィーナさんの魔法をお願いします」
「わかりました!」
エールが薄く輝き、大体は完成だ。
「コレで完成です!」
「?…私が前に作っていたものと変わらない様に感じますが?」
「大まかには代わりが無いのですか、いつも入れていた野草にこだわりを出しているんですよ」
「野草ですか?」
「香りや苦味、深みなどそろぞれに役割があって組み合わせが大切なんですよ。」
「知らなかったです…」
「どうぞ、飲んでみてください」
少量をすくって飲んでみる。
「ケンイチさん!美味しいです!」
一気に雑味が無くなりフレッシュな味わいになった。
まだ発酵をしていない為、微アルコールになっている。日常的に飲むならこのエールがいいだろう。
だが俺はいろいろなお酒が飲みたい!
「セラフィーナさん。このエールは数日おいて発酵させて飲んでも美味しいんですよ。気になりませんか?」
「い、いいんですか?」
「酒聖!」
別の容器にすくったエールを発酵させる。
一気に色が濃くなり匂いも強まった。
「それでは飲んでみましょうか」
「はい!」
見た目の深みもそうだが、味の深みも強くよりまろやかになっている!
「これも...とても美味しいれす...!」
「セラフィーナさん...大丈夫ですか?」
「??大丈夫ですよ?なんだか少し、ふわふわしますね......?」
「今日はもう休みましょうか!」
「え?もう1杯飲めますよー?ちょっと暑いですねー」
「セラフィーナさん!それはまずいです!もうやめて今日休みましょう!!」
服を脱ごうとしていたセラフィーナさんを寝室へ連れていき今日は休むことにした。