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浪速の土竜

「は、はい! こちら召喚獣派遣センターです!」

『もしもし、ウンディーネです。今、召喚士の下へ到着しました』

「はい! 了解です。頑張ってください!」

『では失礼します』



「ふぅ~」

 やっと、お昼の時間になりました。

 そういえば、お昼ご飯ってどこで食べるのかな? カレンさんに聞いてみよっと。

『どうしたのアリアちゃん。何か困った事でもあった?』

「あっ、カレンさん。お昼ごはんってどこで食べればいいんですか?」

『昼食は自由にしていいわよ。外で食べるもよし、社内食堂で食べるもよし・ちなみに社内食堂は医務室の近くにあるから先生に聞いてちょうだい』

「分かりました。カレンさんも一緒に食べましょう!」

『……ごめんね。まだ仕事が終わってないから、私は遠慮するわ』

「そ、そうなんですか……ごめんなさい」

『謝らなくてもいいのよ。今日はアリアちゃんの歓迎会をやる予定だから、その時また会いましょう』

「は、はい!」


 えっと、確か医務室の近くって言ってたよね?

 せっかくだし、ミカエルちゃんも誘ってみよう!

 医務室の中に入ると、なんと! うたた寝してるミカエルちゃんを発見しました!

 きゃー! めちゃ可愛いー!

 そっと……そっと……そっと……。

「ミカエルちゃん!」

「……ひゃっ! ……アリア?」

「そうだよ」

 眠たそうに眼をこするミカエルちゃん。

「……どこか怪我でもしたんですか?」

「ううん。そうじゃなくて一緒にお昼食べようと思って」

「……お昼ですか?」

「そうだけど……ダメかな?」

 天使だってご飯くらい食べるよね。……食べないのかな?

「……ダメじゃない。うれしい」

「えっ!?」

「……今まで年が近い人がいなかったから、アリアにそう言ってもらえてすごくうれしい」

 そう言いながら、顔を真っ赤にしながら、恥ずかしそうにわたしを見つめるミカエルちゃん。

 お母さん、長い間お世話になりました。わたしはもう死んでしまうかもしれません!

「……行こうアリア」

「ほぇ? う、うん!」 

 医務室を出て、もう少し奥に進むと、食べ物のいい匂いがしてきた。

「……ここが食堂」

「へぇ~。そういえば誰が作ってるの?」

 そう言うとミカエルちゃんは厨房の奥にいるひと(?)を指差した。

 そこにいたのは、身長2mはゆうに超えている大きいもぐらさんでした。

「おっ、いらっしゃい! ミカエルちゃんやないか! ……そっちの嬢ちゃんは誰や?」

「お、大阪弁!?」

「何や? 召喚獣が大阪弁つこうたらあかんのか?」

 何、このもぐらさん!? めちゃ怖い!

「す、すみませんでした!」

「ああ、いや怒っとるわけやあらへんのや。わては、言葉遣いが悪うくての、堪忍や」

 ……なんか悪い召喚獣さんじゃないみたいです。

「今日からここで働く事になりました、アリア=ハーメンツと言います。よろしくお願いします!」

「おう、わての名前はノームや。よろしゅうな」

 ノーム……? ノームって確かランキング10位の召喚獣さんだ!

「どうして、こんな所で働いてるんですか?」

「ああ、それが嬢ちゃん聞いてくなはれや!」

 何かすごい勢いでせまてくるノームさん! ち、ちょっと怖い。

「わてとウンディーネはんとサラマンダーはんとシルフはんは『四精霊テスタメント』と呼ばれてるんやけどな」

「へぇ~」

「それがなランキングを見てみい! ウンディーネはんは1位! サラマンダーはんは3位! シルフはんは4位! わては飛んでいきなり10位や! おまけに前なんか喚ばれたところなんか工事現場やで!? 工事現場! わいはドリルかって怒鳴りつけてやったわ!」

「あはははは……」

 どうしよう……話終わらない……。

「それでわてが考えたんが、この食堂や! 今ではここに違う会社からお客が来るくらい有名になったんやで!」

 それはすごいなぁ……。でも10位の召喚獣さんでもそんなに時間あるのかな?

「ランキング10位以内でもそんなに暇なんですか?」     

「なんや知らんのか、嬢ちゃん。10位以内も何もうちには10体しかおらへん」

「ほぇ!? そ、そうなんですか?」

 知らなかった……。

「そうや。だからわいは『トップ10』やなくて、ドベやドベ。万年ドベのダメ召喚獣や……」

「そ、そんなことないです!」

「嬢ちゃん……?」

「ノームさん優しいし、おもしろいし、料理だっておいしそうだし……。言ってたじゃないですか! 違うところからお客が来るくらい人気があるって。だからノームさんはドベなんかじゃありません!」

「……私もそう思う」

「嬢ちゃん、ミカエルちゃんも……ありがとうな」

 ノームさんはちょっと涙ぐんでいて、だけどすごくうれしそう。

「わたしアリア=ハーメンツって言います。ノームさん。これから美味しい料理をよろしくお願いします」

「よっしゃ! 任せとき! アリアちゃんのために毎日、ご馳走いっぱい作って待ってるで!」

「じゃあ、さっそく今日は何を食べようかな」


 こうしてまた1人(?)召喚獣さんと仲良くなる事が出来ました。 

  

 私が生まれも育ちも東京なので、多分、大阪弁がめちゃくちゃ間違ってると思います。

 大阪及び関西の方、すいません!

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