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とかげさん

 パソコンの中のデータを見ていると、どうやら召喚獣さんの指名ランキングというものがあるらしい。

 キャバクラか、と心の中で小さく突っこんだのは置いといて、よく見ると1位から10位くらいまではゲームや漫画で見慣れた名前がたくさんある。

 こんなところで役に立つとは思わなかったなぁ……。

「……あの、ちょっと宜しいですか?」

「は、はい!」

 顔を上げると、そこにいたのは全身が水のように透き通っていて、顔立ちもすごく綺麗で……ってこれはもしかして?

「ウ、ウンディーネさんですか?」

「ええ、そうですよ」

 どうしよう!? 本物だ!

「な、なにか御用ですか?」

「はい。今、喚ばれているのですが、何番ゲートか分からないので教えてもらってもよろしいですか?」

「わ、分かりました!」

 どうしよう!? 初仕事だ!

 え、えーっと確かこうやって、こうやって……出来た!

「5番ゲートです!」

「ありがとうございます」

 そう言ってウンディーネさんは5番ゲートに入っていった。

 確かウンディーネさんはランキング第1位。また会いたいけどやっぱり忙しいのかな?

 あっでも受付だから会えるのか。

「……おい」

 楽しみだなぁ! 次会ったらわたしの名前覚えてもらえるように頑張るぞ!

「おい!」

「は、はい! ……ってほぇ?」

 慌てて返事したのにそこには誰もいなかった。

「ここだここ!」

 受付から顔を出し、下の方を覗くとワニくらいの大きさの巨大なとかげがいた。

「きゃあああああ! とかげいやああああ!」

「だ、誰がとかげだ! いいか小娘、我は誇り高き――」

「ごめんなさい! わたし爬虫類だけはどうしても苦手で! だからごめんなさい!」

「……ええい! 落ち着け! 我は動物ではないから爬虫類には分類されぬ!」

「……そ、そうなの?」

「そうだ」

 そうなんだ……。ならいいのかな? それに良く見たらこのとかげさん、赤いし、何か熱そうだし、こんなとかげいないよね。

 ちょっと取り乱しちゃったけど、ここは落ち着いて冷静に冷静に。

「何か御用ですか? とかげさん」

 よし! 完璧!

「とかげではないと何回言えば分かるのだ! 我の名はサラマンダーだ」

「サラマンダーさん?」

「そうだ。何でも今日から新人が来るというから我が直々に顔を見に来たというのにお前というやつは……」

 あれ? このとかげさん。よく見たら結構可愛いかも。

「……という事だ。分かったな小娘!」

「はい! とかげさん!」

「お前は何を聞いていたんだ! 大体なお前は――」

 そうだ! 折角だしとかげさんに自己紹介しよう!

「アリア=ハーメンツ」

「ん?」

「わたしの名前です。これからよろしくお願いします」

「……ふん! せいぜい頑張る事だな。小娘……いや、アリア」

 そう言うと、とかげさんはどこかへ歩いていってしまった。

 あのとかげさん、絶対ツンデレだ。

 えーっと、とかげさんのランキングは……3位! 結構すごいんだな、とかげさん。

 

   

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