はじめてのお仕事
こんにちは! アリア=ハーメンツ、19才です!
今日からわたしは、ここのビルで働く事になりました!
とは言ったものの、心の中は不安で一杯です……。
高校卒業した後、家でダラダラしてたわたしに、お母さんが「ここにいけ」という言葉と一緒に、手渡されたのがここの住所。そして今にいたるという訳です。
ぶっちゃけ働きたくないけど、動画や漫画見てネトゲして一生暮らしていきたいけど、そういう訳にもいかないらしいのでまあ、クビにされない程度に頑張っていきたいと思いま~す。
という訳で初出勤、行ってきま~す……。
会社の外観はなんか普通のビル。
どうしよう……。なんか、めっちゃ帰りたい。
自動ドアから中に入ると受付に黒髪ストレートでかなり綺麗な女の人がいた。
このお姉さん笑顔がめっちゃ可愛い。
「あの~、今日からここで働く事になった――」
「ああ、新人の方ですね」
そういうと、そのお姉さんはパソコンをカチャカチャと打ち始め、1枚の紙をわたしに手渡した。
「そこに名前、年齢、住所などを記入してください」
「は、はい」
どうしよう!? たいした事言われてないのに、めっちゃ緊張する!
こんなに緊張したの、ネトゲで初めてパーティー組まれようって言われたとき以来だ!
えーっと、名前と年齢と住所と……3サイズ?
「ああ、そこは社長の趣味なので無視してください」
「はい……」
これがパワハラっていうやつ!? でも何かこのお姉さんの方が権力ありそうな気がする……。
「えっと、終わりました」
さっき渡された紙をお姉さんに返すと、お姉さんはそれを何か変な機械の中に入れて、お姉さんは、横にあるエレベーターを指差した。
「あそこのエレベーターで7階に行ってください」
「は、ひゃい!」
やばい! 声が裏返った!
でもお姉さんはそんな私を少しも笑うことなく「頑張って」と励ましてくれて、おまけに何か黒い機械まで貰った。
「これは何ですか?」
「スタンガン。危なくなったらそれで自分の身を守ってね」
社長からのパワハラからって事でいいのかな? 都会はやっぱり怖い。
「分かりました! お姉さんも頑張ってください」
私は忙しそうにキーボードを打つお姉さんに感謝の意味もこめてそう言った。
仕事が出来る女の人ってかっこいい!
「ありがと、もうすぐでドラゴンが倒せそうなの」
「…………」
エレベーターへ向かう途中ちらっとお姉さんのパソコンを盗み見ると、そこには何時間前までよく見た世界が広がっていた。
何か結構やっていけそうな気がしてきた!