7 主人公、剣を作って貰う
あの誘拐事件から三ヶ月が経った。
修行は剣だけじゃなく弓もやるようになった。師匠曰く「色々な武器を使いこなせることで生存率が上がるからな」だそうだ。
魔法の方は身体強化魔法を完璧にして今探知魔法を覚えてる。
探知魔法とは闇魔法の一つで、魔力の軌道を読むことで敵の場所や魔力量を知れたりする。魔道具にも聞くので便利らしい。
あ、魔道具っていうのは魔法が使えない人のために作られたもので、構造は(どんな形でもいい)金属に魔法陣書いただけのものだ。その魔法陣に魔力を通せば魔法が発動する。だが、魔力に対して威力が弱かったりするので意外と不便だ。でも、便利な部分もある。例えば火魔法に適正が無い人でも火魔法が使える。それにより魔物に対する大きなアドヴァンテージを手に入れることができる。
魔道具の説明はこの辺にしておいて、今は魔物と対当してる。
「ブヒィィ!」
オークだ。見た目は二足歩行の豚。肌は黒くて槍を持ってる。意外と知能は高そうだ。
なぜ俺がオークと向かい合ってるかというと、師匠に「そろそろ魔物と戦って実戦になれた方がいいな」とのこと。それからはゴブリンやスライムと戦った。そしてCランクのワーウルフと戦って俺のランクはCに上がったのだ。だから今Cランクのオークと戦ってる。
師匠には身体強化魔法を使うなって言われてる。鬼畜かよ。
「アキラ、オークは主に槍しか使わないし、鈍い。だから回り込むことを意識して戦え。」
「りょうかい!うおぉぉぉぉ!」
俺は走ってオークに向かった。
「ブヒィィ!」
オークは槍を構え俺に向かって突いた。
「よっ。」
それをかわし、オークの横に行き、
グサッ
思いっきりわきに刺した。
「あれ?抜けない。」
「ブヒィィ!」
オークが思いっきり槍を振ってきた。
「ちょっ!」
ズシッ
剣を抜き槍をかわした。
そして、一気に地面をけり、槍を振った反動でよろめいてるオークの頭にぶっ刺した。
「ブホォォォ…」
そしてオークは倒れた。
「よくやった。ドロップしたものは拾っとけよ。」
「了解でーす。」
オークのドロップ品は豚肉と鼻だ。今回ドロップしたのは鼻だが、いったい何に使うんだよこれ。しかもちょっとべとべとしてるし。
「そうだ、ガンテに剣でも作ってもらうか。」
「お?いいんですか?」
「あぁ。その剣じゃぁ切れ味もそこそこだからな。もう少しいい素材で作った剣を使った方がいいだろう。」
「一体何の素材で作るんすか?」
「そうだなぁ、アダマンタイトなんてどうだ?」
うおっ!ファンタジー用語きたっ!アダマンタイトってあれだろ?めっちゃ硬いと噂の奴だろ?
「それって買うと高いんじゃないんですか?」
「まぁざっと金貨10枚くらいだな。」
「たっけ!めっちゃ高いよ!」
「お前は攻撃魔法が使えないだろ?だから火魔法が付与されてる炎獄石なんてどうだ?」
「お、いいね!それで値段の方は?」
「剣を使うために必要な量だと…金貨一枚くらいだな。」
「お!財布に優しい!よしそれにしよう!そうしよう!
「あ、あぁ、わかった。」
師匠は呆れたように言った。
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「これが炎獄石か。」
見た目がすごい。全体的に赤色で、所々黒かったり、オレンジ色がある。
見た目に反して触っても熱かったりはしない。でも魔力を通せば炎を纏う。
「こちらでよろしいですか?」
店員が聞いてきた。
「あぁ。これで頼む。」
師匠が答えた。
「かしこまりました。金貨1枚と銀貨3枚でございます。」
師匠が払った。
「店の者が包むので少々お待ちください。」
「あぁ。」
それから紙?のようなもので包まれた炎獄石を持って鍛冶屋(ガンテさんの店)に向かった。
「ほぉ?これで剣を作るのか。ははっ!この素材じゃぁエルには任せられないなぁ。」
「そうですか…」
「まぁ仕方ねぇよな。お前は作業場に戻って引き続き青銅の剣を作って来い。」
「はい…」
エルは奥に入っていった。
「それで、剣を作ってほしいってことだが大きさはどうする?」
「ええっとこれくらいで。」
そういって今まで使っていた剣を抜いて渡した。
「ほう?片手剣か。ほい分かった!任せろ。明後日にでも取りに来い。あと、金は要らん。剣聖様の弟子だからな!がっはっはっは!」
「それじゃぁお言葉に甘えて。」
「おう!それじゃぁな!明後日だぞ!」
「はい。ありがとうございました。」
俺はその場を後にした。
「帰ったら修行再開だ。」
「うす。」
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二日経った。今から剣を取りに行くんだが正直言ってめっちゃ楽しみ。
「さぁ行くぞ。」
「ってか師匠もついてくるんですね。」
「あんなことしておいて一人で行かせられるか。」
あぁ。あの誘拐事件ね。あれは、ほら、仕方なかったじゃん。
「とにかく行くぞ。」
「はーい。」
屋敷を出て十五分くらい歩いてようやくついた。
「おお!来たか!県はできてるぞ!早速見るか?」
「はい!」
「よし!じゃぁついてこい!」
ガンテさんについていって、店の作業場に入ると、テーブルの上に剣が置いてあった。
「これだ。」
「おお!おおお!」
やばい!かっこいい!なんだこれ!刀身が赤いぞ!そして刀のように刃が内側にしかない。
「どうだ!前の要望道理、刀?ってやつの形状にしたぞ。」
そう、俺はあらかじめお願いしていたのだ。
「いいっすね!ロマンっすね!このギランギランに光ってる刀身!最高!」
そういって剣を掲げた。
「そこまで喜ばれたら作った甲斐があったってもんよ!」
「ありがとうございます!感謝言葉しかないです!」
「おうおう!その剣大事にしてくれよ?」
「はい!」
それから少しそこで喋り、屋敷に帰った。
「それで?その刀っていう武器の使い方は分かるのか?」
「あったりまえじゃないですかぁ。こう、刃で切るんでしょ?」
そういいながら刀を振った。
「まぁいい。私も久しぶりにその刀という武器を使いこなしてみるために修行するか。まず自分に合う型を見つけないとな。」
「俺もそれに付き合いまーす!」
そして俺と師匠の刀を使いこなす為の修行が始まったのだ。
最近主人公の性格が自分でもつかめない…
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