5 主人公、町に出る
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まずい!今非常にまずい!
「おい!待て!」
「待てと言われて待つ奴がいるかぁ!」
俺は今追われてる。え?誰にって?そりゃあ師匠だよ。
ガシッ
「捕まえたぞ…」
「あ、あのぉ…これには理由がありまして…」
「ほう?聞いてやろう。」
「男なら揉むだろ!揉みたいだろ!」
ゴキッ
「あ…」
意識が…
「はぁ、いつもやりすぎですよお嬢様。」
「ふん。ここいつにはこれくらいがちょうどいい。」
「あ、そういえばお嬢様。アキラ様を町に連れて行かなくてよろしいのですか?」
「そうだなぁ。そろそろいいかもしれないな。明日にでも連れて行ってやれ。」
「え?私がですか?」
「あぁ。町の人たちと面識があるだろう?適任じゃないか。」
「はぁ。わかりました。」
「頼んだぞ。」
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「はっ!俺はいったい…。」
確か…師匠の胸を揉むことに成功して…!そうだ!ぐへっ、ぐへへ
「変なっことを考えてる顔ですね。」
「リリー!いたのか!」
どんな顔だよ。
「少し話があります。」
「話?」
「はい。アキラ様には町に行って色々なことを学んでもらいます。」
「町か…。」
楽しみだ。これでこの世界の町の常識が知れる。いつでも町に行けるってことだ!
「楽しそうな顔をしてますね。」
「そりゃぁな!世界を知れるんだぞ!」
「大げさですね。」
笑いながら言った。
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「リリーから離れるんじゃないぞ。」
「わかってるよ。」
「あと変なこと言われてもついていかないこと。リリーの許可なしに何も買わないこと。あと…」
「お前は俺のオカンかっ!」
「はぁ、とりあえず何も問題は起こすな。私の弟子が問題を起こしたとなると私の評判にかかわるからな。」
「わかってるよ。何も起こさねぇから。」
「それでは行ってまいります。お嬢様。」
「あぁ。」
やっと町に行ける。さぁいろんなことを知るぞ!
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「さぁ!まずはどこに行こうか!」
俺たちは今大通りにいる。
「そうですね、まず武器屋と防具屋に行ってみましょうか。」
そして武器屋に着いたわけだが、そこら辺に刃物がある。剣、大剣、短剣、斧、槍などの有名なやつから、レイピアっていうの?細剣っていうのか知らないけど、突き刺すやつもある。
短剣一つで金貨一枚…。そういえば通貨がわからん。
「なぁリリー。」
「なんでしょうか?」
「通貨について教えてくれないか?」
「あぁ、通貨ですね。うっかり説明するのを忘れてました。」
「おい。」
「え、えっとですね、通貨には主に銅貨、銀貨、金貨、聖金貨の4種類があって、銅貨百枚で銀貨一枚、銀貨百枚で金貨一枚と百枚で変わります。一般人は主に銅貨と銀貨しか使いません。そこら辺にある屋台などで金貨を出すと大抵は嫌がられます。貴族同士の取引や、奴隷の売買などでは金貨がよくつかわれます。聖金貨は国と国の取り引き以外には特に使い道がなく、ほとんどただのお飾りですね。」
「なるほど。ついでに今日持ってきてるのは?」
「銅貨、銀貨、金貨それぞれ十枚ずつ持ってきています。」
「相当な大金だな。」
「はい。一般人は一日銀貨三枚あれば少し豪華な暮らしができます。なので冒険者などが受ける討伐依頼は命を懸ける代わりに一回の報酬が銀貨三枚以上は確定。中でもドラゴンなどは金貨十枚から聖金貨一枚は支払われますから、報酬に対して命を懸けるのは悪くないんです。でも、相当危険ですがね。」
「なるほど。冒険者か…。」
「この後は冒険者ギルドに行きますか。」
「お?まじで?」
「はい。アキラ様には冒険者ギルドに登録してもらいます。」
「おぉ!」
今日から俺も冒険者デビューか!
「まぁ登録するだけなんですが。」
俺に冒険者デビューはなかった。
武器屋を出た後防具屋に入ったが結局何も買わずに冒険者ギルドに向かった。
「ここが冒険者ギルド…。なんかちょい悪が集まりそうな雰囲気を醸し出してるぜ。」
そんなことを言いながら入ったら、いかつい冒険者たちがこちらを一斉に見た。そしてとくにいかつい冒険者がこちらに来た。
「よぉよぉ!新入りか?てめぇに命かける覚悟があんのか?それとも迷子か?まぁとりあえずあそこのカウンターに行って事情を話しな。」
いい人じゃないか。
「お!始まった。ガルのお人よしモード。」
「あいつ見た目とのギャップが激しすぎるんだよな。」
そんな話をしながら周りは笑ってる。
受付の前にやってきた。
「今回はどのようなご用件で?」
「彼の冒険者登録を。」
「あ!リリーさん!お久しぶりです。その方の冒険者登録ですか。名前と年齢、職業を言ってください。」
「えーと、名前はアキラ。年齢は17で職業って?」
「戦闘時の役割ですね。ヒーラーだったりアーチャー、ウィザードなどですね。」
「役割は剣で戦うから、剣士?」
「剣士ですか。わかりまた。少々お待ちください。冒険者カードを作りますので。」
それから十分くらい待った。
「アキラ様ー!」
「はーい。」
「できました。ランクはDですね。昇格の説明は要りますか?」
「あー、はいお願いします。」
「かしこまりました。昇格というのは、特定のクエストを達成することでランクが上がることでして、その特定のクエストは、DだったらCランクの魔物を倒す。CだったらBランクの魔物を倒す。Bだったら盗賊などの悪人を倒す。Aは魔物の変異種を倒すというものですね。」
「魔物の変異種?」」
「魔物の変異種とは、魔物が魔力を取り込みすぎて強くなった魔物のことを言います。変異種になったら見た目も変わったりします。肌の色が変わるだけの魔物もいれば角や翼が生えたりすることもあります。代表例ですと鬼人ですね。鬼人はオーガの変異種でして、知能が上がり剣を使うようになります。そしてその剣を使った魔法を放ってくるのです。なので通常のオーガはBランクの魔物ですが鬼人はAランクに分類されます。」
「なるほどなぁ。怖いなそれは。」
森に入るときは気を付けないと。
その後冒険者ギルドから出た。
「もうお昼ですね。近くの食堂によりましょう。」
「おう!」
その後お昼を食べ、夕方まで町を歩いた。
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