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4 主人公、修行を楽しむ

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 私の名前はクロ。ご主人様に使える気高き使い魔よ。ご主人様が召喚してくれなかったら一生森で狩りをしてたでしょうね。でも、ご主人様のおかげで人のことを知ることができる。

 私が住んでいた集落は森の奥で、黒狼種が群れを作って住んでいた場所だ。でも私は生まれつき小さくて、黒狼には珍しい魔力持ちだった。そのせいでずっと一匹だった。そのせいかほかの黒狼よりも探求心が強くて、色々なものを知りたいと思った。そしていつしか私は人に興味を持った。でも、人はすぐに私を殺そうと襲ってくるから交流する機会が少なかった。だからご主人様に召喚してもらえてすごくよかった。


「クロー!餌だぞー!」

「わん!」


 ご主人様はすごい。何がすごいって修行がすごく厳しいのにめげずに続けているところがだ。でもたまに、ご主人様の師匠の方の胸を揉もうとして吹っ飛ばされてる。私も女だからわかるけど、あまりしちゃいけないことなのに。そこを除けば誇れる主人なのだ。


 ズドォォン!

「何回も言ってるだろ!修行に集中しろ!」


 ほら。また揉もうとして怒られてる。でも浮かれるのも仕方ないか。ご主人様はこの前まで素振りばっかやらされていたけれどやっと打ち合いもするようになったからだ。


「わん!」

「クロ…。俺、頑張るよ!頑張って師匠の胸を揉む!」


 はぁ…。これだからご主人様は…。


 ----------------------------------------------------------------------------------------

 一方他の勇者たちは、


「よし!いい感じだ!」

「そうね。もうオーガなんて余裕で倒せる。」

「がっはっはっは!お前らも実戦になれたな!」


 そこにいるのは召喚されたアキラ以外の四人と、聖騎士団長だった。


「はい。はじめは実戦って聞いてすごく怖かったけど、佳山君がすごく強いからこっちも安心して戦えるね。」

「あぁ。ほんとに。厚喜、お前強すぎるんだよ。」

 と、苦笑い気味に前田は言った。

「さぁ、もうじきつくぞ!目的地の迷宮に。」


 この世界には迷宮がある。迷宮は一匹の魔物として見られており、人が死んだときに放つ魔力を養分にして生きており、成長する。迷宮の中は魔力が豊富で、魔物が好んで入る。それにより人は魔物の素材を求め迷宮に入る。そして死ん人は消化され、魔力は養分に、装備は宝となる。このサイクルで迷宮はでかくなり、すごくでかいもので100階層を超えるという。


「迷宮…。」

「どうしたんだ。」

「んー、何でもない!」

 と言って楓は微笑んだ。


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「おらぁぁぁぁ!」

 カキン


 そんな音を立てて剣が飛んで行った。


「動きが甘い。もっと腰を落として、小幅でこい!」

「うぃす!」


 修行はハードだ。でも打ち合いは少し楽しかったりする。もっと強くなれば二刀流とかしてみたいな。


「何考え事をしている!」

 ぐさっ

「え?」

 ぷしゃぁぁぁ!

「いってぇぇぇ!刺しちゃったよ!この人、俺の腹に剣刺しちゃったよ!」

「考え事をしてるからだ。リリー!」

「はい。またですか。魔力よ…ハイヒール。」


 俺の修行はこんな感じだ。

 だが魔法のほうは順調でもある。


「召喚魔法と感知魔法は完璧ね。これからは身体強化魔法を覚えてもらうわ。今まで教えていたのは闇魔法に適正のある人しか使えなかった魔法だけど、これから教える身体強化魔法は魔力の持つ人たちすべてが使える魔法よ。」

「なるほど。」

「貴方みたいに剣術を使ってて魔力がある人は大抵身体強化魔法が使えるわ。だからあなたにも覚えてもらうわ。使えるようになったら剣術の幅が広がるからね。」

「よし!練習を始めよう!今すぐ始めよう!」

「え、えぇ。まず、体全体に魔力を通す感じでやってみて。」

「…こ、こうか?」

「いい感じね。」


 なんか体全体が温かいような感じがする。


「そのまま体全体に通った魔力に命令するの。体を強くしてって。」

「…わかった。」


 おい魔力!俺の体を強くしろ!


「お!なんか体が軽くなった感じがする。」

「えぇ、成功ね。今体にかけている身体強化魔法は弱い奴だけど、強くなればすごく速く走れるし高く飛べるの。だからもっと魔力を強くしていいわ。」

「お、おう。」


 むずいな。まぁそういうなら本気で魔力を込めてみるか!


「はぁぁぁぁ!」

「あ!ちょっと強すぎるわ!」

「お?あれ?」

 ピチッ

「あ…」

 ぷしゃぁぁぁ


 そこで俺の意識は途絶えた。


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「…ん?ここは…。」

「あら、起きたのね。」


 そこにいたのはミアだった。


「あの時あなたは魔力を込めすぎたのよ。」

「え、でも強くしていいって…」

「いくら何でもあれはやりすぎ。強すぎると体が耐え切れなくなって血管が破裂したりするの。」

「え、何それ怖い。」

「すぐにあなたのけがを治したからいいけど、下手したら死んでいたのよ。」


 マジかよ。マジでリリーには感謝しないとな。


「次からは身体強化魔法の練習を兼ねて魔力制御を主な練習としましょうか。」

「はーい。」


 またあれか。

 魔力制御の練習というのは酷いものだ。ひたすら魔力を放出しながらその魔力を強くしたり、弱くしたりする作業だ。もうねやってると魔力が減ってしんどくなるし、集中しなきゃいけないからずっとじっとしたままだし。もう俺、何やってるんだって思うくらいヤバイ。いや、ほかのこと何も考えずにひたすら魔力制御するんだよ?さすがに死ねる。


「クロー!」

「わん!」

「かわいいなぁ。お前は素直でいい子だよ。」

「わん!」


 こういう時はクロをかわいがるに限るな!

 はぁ…魔法の授業も全然ダメだな。


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