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16 主人公、他人の記憶を見る

 それはとある森の中にあるとある村の少年。

 村の外れにある草原に二人の男女が手をつなぎながら歩いていた。

 少年の名前はアレン。金髪ですらっとしたイケメン。

 少女の名前はユリア。同じく金髪の美少女だ。


「今日は天気が良くてよかったな。」

「うん!昨日はすごい雨だったもんね。一緒に、その…デートをできてよかった。」

 はにかみながら言った。

「うん。そういってくれてうれしいよ。愛してる。」

「私も。」


 あぁ、この幸せな時間がずっと続いてほしいな。

 そう少年は思った。

 少女は村長の一人娘で、少年んは村一番の戦士の息子だ。

 その二人は幼いころから仲が良く、今では愛し合う関係である。

 そして今日はユリアの誕生日だ。だからアレンはユリアに「何してほしい?」と聞いたら「デート!」と答えたので今現在草原を歩いているのだ。

 それから二人は日が傾くまでおしゃべりをした。


「そろそろ帰ろうか。」

「そうだね。暗くなったら危ないもんね。」


 二人は歩き出した。

 それを見る人…いや、魔物がいた。


「ぐがぁ」


 その魔物の眼はまるで二人を餌としか見てない真っ赤な眼だった。


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 次の日。

 この日はアレンとユリアの正式な結婚式である。

 だが結婚式といっても豪華なものではなく、祭りのようなものだ。


「アレン、これからユリアをよろしくたのむよ。」

 そう言ったのはユリアの父である村長だ。

「はい、村長。僕がユリアを一生幸せにして見せます。」


 そういったアレンの眼には決意の炎が宿っている。

 一方ユリアはアレンの腕に抱きついている。顔はにやけており、アレンを見やる眼はハートマークが移ってるようにも見える。

 周りから見たら誰もがお似合いと思うだろう。だが一人を除いて。


「どうして……。どうしてあいつがユリアちゃんを……。ゆるさない、ゆるさないユルサナイユルサナイユルサナイ……」


 影から除く一人の少年。彼はユリアのことが好きだった。幼馴染で小さいころよく遊んだ仲なのだ。だが、アレンという存在のせいで彼の恋は周りから否定された。それからはユリアに振り向いてもらえるように強くなった。でもその努力は報われなかった。「すべてアレンが悪い」と思ってしまった。


 気が付けばそこに少年はいなかった。

 ----------------------------------------------------------------------------------------

「もう夜だね。」

「はい。」

「今からちょっと遊びに行こうか。」

「え、でも、暗くなったら危ないって、」


 この森は夜になると狂暴な魔物が狩りをし始める。

 だから村では夜に外へ出るのは禁止されている。


「大丈夫だって。強い奴が出て来ても俺がユリアを守るから。」

「アレン……うん、わかった。行こ!」


 二人は酒で酔いつぶれた村人たちの横を通り村を出た。

 そしていつも二人で行く草原に着いた。


「夜に来るのは初めてだな。」

「うん。夜景もきれいだね。」


 辺りを見渡せば一面花が咲いており、蛍のような生き物が飛んでいて夜でも明るい。

 だが、そこに一つ。この時間にはあるはずのない人影があった。


「フフフフフ。」

「誰だ!」


 アレンは反射的に剣を抜き人影の方に向いた。


「僕だよ。覚えてないかい?アレンくん。」

「ふん。知らないな。」

「そうか。僕は君のことをライバル視してたんだけどね、視界にすらないということか。ハハッ!でも今日!ここで!僕は!アレンくん、君を殺して、ユリアもコロシテ、みんなコロス……おいでクローム。僕の大切な相棒。」

「ぐごぉぉぉぉぉ!」


 少年の後ろから三メートルはある魔物が出てきた。

 見た目はまるでティラノサウルスのようで、口からはよだれを垂らしている。


「さぁクロード!コロセ!」

「ぐがぁぁぁぁ!」

 ガシッ……

「なっ!」

 ゴキゴキ


 クロードという化け物がいきなり少年を口でつかみ、食べだした。


「うそっ!」

「主を食うのかよ。」


 そして少年を食べ終わったクロードは次の獲物を探すようにあたりを見渡し、アレンとユリアを見つけたのか二人を見つめだした。


「やばい…やばい!ユリア!逃げろ!」

「あ、ああ、あああ…」


 アレンは何とかまともな判断ができたが、ユリアは違った。目の前に迫る死の恐怖に耐えきれず、考えることを放棄したのだ。


「ユリア!ユリア!しっかりしろ!」

「ぐがぁぁぁぁ!」


 アレンがユリアを助けようと動くが、クロードが待ってくれるはずもなく、アレンたちの方に走り出した。


「っ!まずい!」


 アレンはとっさに離れたが、ユリアがその場でうずくまったままだ。


「ユリア!逃げろ!」

 ぐちゅ

 ゴキゴキ


「あぁぁぁぁ……」


 ユリアは少年と同じように食べられた。だが、それでも足りないのか、クロードはアレンの方を見た。そして、走り出した。


「ぐがぁぁぁぁ!」

「あぁ、ユリア…。どうして…。」


 アレンに戦う意思はもうなく、抵抗もせずにクロードの餌になることを選んだ。

 ぐちゅ……


 そして次の朝には、草原の周りにあった村に人は誰もいなかった。

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「…これは酷いな。」

「はい。このメモリーチップは憎悪の塊でしたね。」


 要するにアレンが食べられる瞬間憎悪とかの感情が無意識にメモリーマジックを使ったってところか。


「後味悪いなぁ。」

「ほんとですね。…何か来ます。」

「この魔力は…まさか。」

「おそらく、そのまさかでしょう。」


「ぐがぁぁぁ!」


「わお。早速お出ましかよ。クロード君。」

「魔物に君付けは必要ないと思います。」


 分かってるよ。ネタだよ。


「ぐがぁぁぁぁ!」

「準備とかはさせてくれねぇみたいだな。アリアは後衛。クロは後ろを取れ。俺は正面から行く。」

「「はい!(わん!)」」


 さっさと片づけるか。

初めての三人称。非常に書きやすいですね。

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