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14 主人公、新たな魔法を使う

もっと時間が欲しい!

 さて、まずは戦闘に入る前の準備だな。


「身体強化魔法発動。」


 さらに!師匠直々に教えてもらった魔法を使うとするか。


「いくぜ!炎獄纏衣(イフリート)!」


 その瞬間体の周りに炎が出て来た。でも熱くない。

 体が軽い。これならめっちゃ速く動けるし、剣で斬りつける度、炎の追加ダメージが入るから身体強化魔法の上位互換と考えた方がいいと思う。


「ほ、炎の化身…」

「…すごい。」


 後ろの二人は間抜けな顔で俺を見ている。

 ってかよくよく考えるとここ森じゃん。火が燃え移ったらやばいじゃん。…


 燃え移らない。そもそも地面に生えてる草にすら燃え移らない。なんて便利なんだ。

 おそらく普段は何にも燃え移らないようになってるが、俺が燃え移るように命令したら燃え移る。

 魔法っていうのは非常に便利だ。


「ぶるるるる」


 こっちを見てる。めっちゃこっちを見てる。早くかかって来いって目だな、あれは。

 ならお望み通りこっちから行ってやるよ。炎獄纏衣(イフリート)を使った俺の本気、見せてやる。

 シュッ

 一瞬で猪のすぐそばまで距離を詰めれた。

 なんて速さだ。


「ふごっ!」


 隙あり!

 驚いて前足を上げた猪の腹に思いっきり剣をぶっ刺した。

 その瞬間猪が炎に包まれた。


「ぶひぃぃぃぃ!」


 俺は剣を抜いて猪に背中を向け二人のところに向かった。


「立てよ。腰抜かしてんじゃねぇ。」

「あ、」


 驚いて声も出ないようだ。

 まぁ仕方ないよな。圧倒的力の差を見せつけられて、平然でいられたらそれはある意味化け物だ。

 とにかくおっさんや長のところに行かないといけないから、こいつらにはさっさと経ってもらわないといけないんだが、


「あ、あの、お強いんですね。先ほどの炎は魔法ですか?」

「いや、あれはこの剣利用した魔法だ。俺の使える魔法は闇だけだからな。」

「闇魔法ですか。珍しいですね。」

「そうか?戦闘には不向きだがな。」

「そうなんですか。風しか使えない私たちからしたら意外とうらやましかったりします。その、助けていただいてありがとうございます!」

「いや、かまわん。ところでさっきからお前は何をやっている。」

 グレンはアリアの隣でずっと自分の手を見つめてる。

「その、すみませんでした。」

 思いっきり頭を下げてきた。

 心に相当なダメージを負ったんだな。

「いや、いい。今回の出来事でお前は色々なことを学んだはずだ。これからはそれを活かして生きろ。」

「はい。」

「アリア!グレン!無事か?」


 おっさんが猛スピードで走ってきた。


「はい。怪我はしましたけど、無事です。おじい様。」

「俺も大丈夫です。」

「それはよかった。」

「猪は殺しといた。今日はごちそうだろ?誠心誠意真心を込めて料理を作ってくれよ。」

「ほっほっほ。料理長に伝えとくわい。お主には二度も救われたの。何か礼はできないか?」

「いい。礼は要らん。それよりさっさと長のところに行くぞ。」

「せっかちよのう。」


 無事目的も果たせたし報告しにいかないとな。


 ----------------------------------------------------------------------------------------

「なるほど。それは助かった。アキラといったか、何か礼はできないか?」

 絶世の美女ことエリナ様に起こったことをすべて話した。

「礼は要りません。それよりも休ませてくれた方がうれしいですね。」

「そうか…。わかった。最高級の部屋を提供しよう。アリア、案内してやれ。」

「はい。お母さま。アキラ様こちらです。」

「あぁ。」


 外に出て、少し歩いたところにあるツリーハウスの中に入る。

 中は一部屋の至ってシンプルな部屋だ。


「あの、アキラ様。一つ聞きたいことがあるのですが。」

「聞きたいこと?」

「はい。アキラ様はどんな理由で旅をしているんですか?」

「旅の理由か…。俺には師匠がいるんだけど、おつかいを頼まれたんだ。内容はカーストの街に行って手紙を渡せってだけだ。」

「そうなんですか…」

「どうかしたのか?」

「その、えっと…わ、私をその旅に連れて行ってくれませんか!」

「はい?」

「私は小さいころから冒険にあこがれていて、でもお母さまたちが絶対に反対するんです。」

「そりゃそうだろうな。」

「でも!アキラ様と一緒ならきっとお母さまたちも反対しないはず!だから!お願いします。」

「却下。」

「どうして!」

「アリア、お前はこの里の長の娘だろ?ちょっとはその自覚を持て。」

「でも!」



 泣きそうな顔でお願いされたらさすがにこっちも無下にはできないんだよ。

 ん~。どうするか。

 ここは爺さんたちにパスするか。


「もし、爺さんやエリナ様を説得することができたらいいだろう。連れてってやる。」

「それは本当ですか?」

「あぁ。嘘はつかん。」

「わかりました!それではさっそく行きましょう!」

「せっかくここまで来たのになぁ。」


 ----------------------------------------------------------------------------------------「アキラさんについていきたいと?」

「はい!この里を出て世界を知りたいです!」

「アキラさんの旅が終わったらどうするの?」

「冒険者になって旅を続けます!」

「そうね…」

「わしはいいと思うぞ。」

 エリナ様の隣にいたおっさんが言った。

「それはどうして?」

「アキラと一緒におれば安心じ。何よりもこの里に閉じ込めておくのは論外じゃと思うが?」

「確かにそうね…。わかったわ。許可しましょう。」

「っ!本当ですか!」

「ええ。その代わり色々なものを見て色々なことを学びなさい。」

「はい!」


 …はい?ちょっと待って!なんで許可しちゃうの?

 確かに目の前に裸の美女がいても勃起しないといいました。

 だがしかし!ともに旅をするとなると話が違う。

 いきなり現れた美女とずっと一緒にいる美女じゃぁ魅力的な意味で格が違うんだよ。

 つまり!一緒に旅をしてる女の子がいきなり裸で目の前に現れると、襲ってしまう可能性があるということだ!


「ひとつ言っていいか?」

「なんだ?」

「俺、男なんだよ?娘が男と旅をするって嫌じゃない?」

「アキラは信用出来るからのう。」

「ええ。私もそう思う。」


 俺に味方はいなかった。

 くそっ!諦めるしかないっていうのか!


「アキラは嫌なのか?」

「そうよのう。アキラが嫌ならしょうがないが。」


 断れねぇ!

 こいつら絶対確信犯だな。わざと断りずらい空気を作っている!


「はぁ。わかった。」

「やった!」


 いや、逆に考えよう。美女と一緒に旅ができるって最高じゃん。

 よし!そう思えばテンションが上がってきた!

 出発は明日!今日の内に支度を終わらせるぞ!

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